ワーキングホリデービザや学生ビザには働く権利(ワーキングホリデーは原則同一雇用主の下での雇用期間6ヶ月以内、学生ビザは原則2週間で40時間以内など制限あり)が付与されており、多くの留学生がアルバイトにチャレンジされています。そこで今回は、ワーキングホリデーや学生ビザで働く場合に知っておきたいことについてご紹介します。前編は「雇用形態」「最低賃金」「アルバイトの探し方」です。
1. 雇用形態
主に4つの雇用形態がありますが、ワーキングホリデービザや学生ビザ保有者はカジュアルとして雇用されることがほとんどです。
①フルタイム(Full-time):日本でいう正社員にあたります。多くの場合、週38時間程度の勤務が保証されており、年次有給休暇や個人休暇(病休など)の取得などの権利が得られます。ただし、日本とは異なり住宅手当や通勤手当の支給はありません。
②パートタイム(Part-time):日本のパートタイムに近い雇用形態です。週あたり38時間未満の決まった時間勤務します。年次有給休暇などは働いた時間に応じて計算されます。
③カジュアル(Casual):日本でいうアルバイトの位置付けです。勤務時間は不規則なことが多く時間数の保証もありません。年次有給休暇や個人休暇などもありません。また、契約書に特約がない限り、雇用契約の解消に事前通知は不要です。
④セルフ・エンプロイメント(Self-employment):いわゆる自営業者です。ABN(Australian Business Number)の登録が必要で、税金の申告や支払い、スーパーアニュエーション(確定拠出型年金)の支払いや労災保険への加入も自分でしなければなりません。最近はUberやUber Eatsなどシェアビジネスの発展に伴い、この形態で働くワーキングホリデーや学生ビザの方も増えていますが、すべて自己責任で働くということを理解しておかなければなりません。
2.最低賃金
オーストラリアの税引前最低賃金は$18.93(2018年11月22日現在)です。実際は業種や雇用形態、年齢などによってもっと細かく規定されています。近年はATO(Australian Taxation Office:オーストラリア国税局)のチェックも厳しくなってきており税引前最低賃金以下での雇用は少なくなっています。とはいえ、雇用契約は双方の合意によって成されるため、英語力が低ければ低い時給など厳しい条件をのまなければアルバイトが見つからない可能性もあります。
また、土日祝日については割増賃金が適用されます。こちらについては厳密に運用できていないところもあるようですが、英語力のある友人たちは大手ホテルチェーンのクリーナーや大手小売店の販売員として働き、しっかり割増賃金も貰っていたので、効率的に働いて休暇を楽しむためにも英語力アップは重要です。
英語力と時給の関係についてはこちらを参考にしてください。
ちなみにカジュアルで働く場合、お給料は1週間ごともしくは2週間ごとに支払われるのが一般的です。
3. アルバイトを探す
①インターネットで探す
多くの日本人留学生が使っている方法だと思います。求人サイトは英語ならgumtreeやseek、日本語なら日豪プレスなどがあります。気になる募集を見つけたら、募集要項に書いてある雇用主のメールアドレスか電話番号に直接連絡します。メールを送っても返事がない場合、一度レジュメを持って「レジュメ送ったのですが、見てもらえましたか」と直接お店に行ってみるのもありです。メールでレジュメを送っても意外と見てもらえていないこともあります。そして、実際お店にいくメリットはやる気を感じてもらえること、そして顔が見えることで雇う側もどういう人か分かって安心することです。
私も実際に返事がなかったのでレジュメを持ってお店に行くと、マネージャーが面接してくれ、「笑顔がいいね!とりあえず、金曜日にトライアルに来てくれる?」と言われて採用してもらったことがあります。
②飛び込みでレジュメを配る
オーストラリアでは、ポピュラーな方法です。インターネットや店先の張り紙で特に募集をかけていなくても、スタッフを探していることがあります。とにかく直接訪問して「今仕事探してるんだけど、スタッフ募集していませんか?」とレジュメを配って歩きます。ポイントはそのお店のマネージャーなど採用権限のある人に会うことです。英語力はもちろん、度胸とめげない精神力が必要ですが、ローカルジョブを探している方にはぜひチャレンジしてほしい方法です。
③友達の紹介
実はこれが最も効率のいい方法かもしれません。雇用主も従業員の人となりは分かっています。その人の紹介ということであれば、ある程度信用ができるというわけです。つまり、闇雲に「仕事を紹介して」と言えばいいのではなく、語学学校での友達作りや地域のコミュニティへの参加などで積極的にネットワークを作り、自分がどのような人物か知ってもらっておくことが重要です。
④SNSなどを活用する
最近ではカフェやレストランを中心にインスタなどに求人を載せているところもあります。関連するハッシュタグや気になるお店のインスタをフォローしておくと、募集情報をゲットできるかもしれません。募集情報を見つけたら、あとはインターネットを活用する場合と同じです。
実際の仕事探しの様子は東京支店/小林のブログを参考にしてみてください。
後編は「アルバイトに必要な書類」「給与明細の見方」「タックスリターン」についてご紹介します。
*このブログの情報は2018年11月22日現在のものです。
*労働問題については弊社ではアドバイスすることはできかねます。必要な方は弁護士またはFair Workへご相談ください。