「目の前にあることを全力で楽しむ気持ち」

今日は、私の日本人の友人について書きたいと思います。

彼とは、先日ゴールドコーストで開催されたトライアスロンのエイジ世界選手権で一緒に滞在をしました。元々は私の友人の友人。最初はLINEでのやり取りのみで、ゴールドコーストで初めましてでした。(こちらもぜひ!好きなことから広がるわ・ワ・輪!

彼は20代半ば。LINEでのやり取り、ゴールドコースト滞在中でも、「大丈夫かな?この子・・・」と思うことが何度も何度もありました笑。いや、本当に・・・。しかし、彼は1週間のゴールドコースト滞在で、ひな鳥が巣立っていくように、どんどん成長していきました。

短期間でこんなにもレベルアップする方、、、見たことがないくらい!

彼の海外旅行歴は、10歳のときにご両親と一緒に行ったアメリカのみ。それから日本から出たことはなかった、そして飛行機自体にも乗らない。「100%海外は慣れていないです!!!!!!!!!!」と自信たっぷりLINEでも送ってくれたくらい。

私の友人たちと搭乗便を合わせるために、ゴールドコーストまでは羽田〜シドニー〜ゴールドコーストというルートを選択。

愛知県在住の彼は、セントレアを利用すれば身体の負担も減らせて簡単に移動出来るにも関わらず、、、、「一人で飛行機に乗る自信がありません・・・!!!!」と小学生か?というような驚きの発言により、長時間フライト前に愛知〜静岡〜羽田で6時間運転。私は、思わず「国内線だから、日本語通じるよ?」と聞き返しました。

そして、ゴールドコーストから帰国し羽田から愛知への道中は全く動かない事故渋滞のため、空港から自宅までは11時間も掛かったそう。。

飛行機に乗らないため、もちろん他国の入国カードを書く経験もしたことはなかったそうです。私の友人3人で羽田〜シドニー行きの便に搭乗しましたが、みんな別々の席。機内で配られたオーストラリアの入国カードはなんと・・・シャーペンで書いてしまったそう。

もちろんシャーペンの入国カードは認められないので、税関で呼び止められ再度書かされたそうです。そして、私の友人たちと離れ離れに・・・早速1人でパニックになってしまったようですが、なんとなーく見てくれていたシドニー空港での乗り換えを思い出し、なんとか一人で国際線から国内線ターミナルに移動・・・

国内線ターミナルで、ようやくWiFiが繋がることに気づき、私の友人に連絡、合流。。。グループLINEのやり取りを見て私もヒヤヒヤ。。

お金の持っていき方を話した時も、クレジットカード1枚あればキャッシングも支払いも出来るし、大丈夫だよー!とお伝えをしていましたが、彼の持っている唯一のカードはJCBカード。

オーストラリアはカード社会と言っても、JCBカードが使えるお店は非常に少ないです。日本では署名で支払いをしているため、彼は暗証番号も覚えておらず、、、、そのため、もちろん買い物も出来ないし、キャッシングも出来ない始末。。(私の友人に支払ってもらいました。両替所に行けば良かったのですが、そこまでお金を使うこともありませんでした)

色々質問をしても、絶対Noとは言わない。。。ちょっと回答がずれているぞ?と思うこともありました。後で分かりましたが、イメージが全く沸かなくて、どのように回答したら良いかも分からなかったんだな・・・というのを後から悟りました。でも、ゴールドコーストではここに行きたい!という希望はばっちり笑。(そしてQ1に行く、サーフィンに行きたい!という希望は叶いました!)

どんどん出てくる、彼の心配要素。。。

ここまで書くと、この子は世間知らずのお坊ちゃま?と思われる方もいるかもしれません・・・いや、そんなことはなくて、今まで飛行機に乗る必要はなかったし、入国カードも書くことはなかったし、クレジットカードも今ある1枚で十分足りていただけ。

日本にいたら、別にどれも気にすることはないし、生活に必須ということはなかったもの。日本という心地良い環境の中で生活する上では、困ることは一切ありませんでした。

知らないことが多かった分、彼はスポンジのようで、彼にとってのゴールドコーストでの滞在は毎日が刺激的、そして全てが新鮮。「色彩が豊か」と感じたゴールドコーストで、毎日笑顔で全力で楽しんでいました。

今回の旅の目的でもあったレースは、全身全霊全力で、、、、お天気も後押ししてくれたお陰で、ベストレース。

レースのラン途中に、誰か大きく手を振ってる〜と思ったら、その彼。後から聞いたら、

「レース中本当にほんとーに楽しくて、レースが終わって欲しくないくらい楽しくて、バイク中もラン中も泣いちゃったんですよね・・・」

と話してくれ、色々準備をしてよかった、(とっても×100心配していたので)彼が楽しんでくれたことが本当に嬉しくて私もウルッとしてしまいました。

普段とは異なる環境、体格も違う相手とのレース、楽しくていつもよりスピードも上がってしまうくらい。後から彼のレース写真を見たら、どれもとっても楽しそうでした!!!!そして、レース中にも関わらずカメラ目線!本当にいい顔していました。

毎日どんどんレベルアップをしていく彼でしたが、プロレース観戦中に携帯を紛失したことに気づきました。ただ、なかなか観ることのない、プロレース。携帯は諦めて、今の時間を大切にしよう!ということで、レースを観戦してから携帯を探すことに。ただ、彼も彼と一緒にいた私の友人も英語は出来ません、、、。(この時、私は一緒におらず)

EXPO内にあるショップで日本語が話せるオーストラリア人がいることを思い出した彼は、その人を探しにダッシュ・・・そして、その方の力を借りて、色々な場所に連れて行ってもらい、心優しい方のお陰で携帯は届けられており、無事に携帯も戻ってきました。

その助けてくれた方は、日本人の奥さんと結婚され、毎年5月に横浜で開催されているトライアスロンレースにも出店しているそう。今回のお礼で、ぜひ販売を手伝ってね!とFacebookでもお友達に。

そして、レース最終日にあったクロージングセレモニー。各国の選手が、自分の着ているジャージやユニフォームを交換しており、彼も声を掛けられたそう。でも、最初はJAPANポロシャツ着ていない!と気付き、諦めたけれどちょっと高かった?!JAPANジャージ着ている!!!ということに気づき、急いで戻ってみる。そしたら、オーストラリア人のレースで着るユニフォームと交換出来ることに!

そして、彼の勢いは止まらず、Facebookでもユニフォームを交換した選手を検索、お友達申請し、色々英語を調べ、メッセージまで送信。そしたら、一時的ですが、交換相手の方のFacebookのプロフィール写真は、彼の写真に!

「人生で最高に楽しい1週間でした majide!」とゴールドコースト空港のゲートでお見送りをした後すぐに、機内での写真と共にメッセージをくれた彼。

改めて、お礼のメールも律儀に送ってくれ、最後にこれからは飛行機に乗ってレースに行けそうです!と。

最初は国内線に乗れない・・と言っていた彼ですが、事故渋滞のせいで帰りに11時間運転したとしても、「たら・れば」は考えません!と過去は振り返らないポジティブな性格も、後押ししてくれたのかもしれません。

ただ、、彼が本当に心から楽しむことが出来たのは、

「目の前にあることを全力で楽しむ気持ち」

が誰よりも強かったから。

失敗すること、知らないことに出くわしても、1つずつクリアして、少しずつ前に進んでいきました。

こういう前向きで、周りを明るく・笑顔に出来る子は、絶対に失敗をしても周りがサポートをしてくれて、ラッキーが起こるんですよね。だから、携帯も戻ってきました。

正直、彼が1年間ワーキングホリデーで渡航をして、サンシャインコーストで英語を学びながら、トライアスロンチームに参加したら、どれくらい成長出来るんだろうかな?と自転車に乗りながら考えていた程。

日本を飛び出すことの楽しさ、外の世界を知るという手助けが少しでも出来、私もとてもうれしく思いました。

漢字だった彼のFacebookの名前はローマ字も追加され、帰国後すぐにVISA機能がついたクレジットカードを作成したそうです。帰国時のお見送り際には、念の為ボールペンを渡しました笑。

そんな彼は、今週末福井国体で、三重代表として出場します。台風で開催も怪しいですが、、、レースが出来ることを願いつつ、ブリスベンから応援をしたいと思います!

お気に入りの写真を送って−!と言ったら、こちらの写真をチョイスするくらい動物好き。この写真、カンガルーと同じ顔していませんか?笑。オーストラリアのカラフルな鳥たちにも興奮していた彼。

滞在中に、絶対にブログに書かせてねと話しており、快く写真掲載も承諾してくれました。

今後の彼の活躍が楽しみなのと、全力で挑戦できる男子を今後も応援したい!!!!と思った出来事でした。

常盤 恵 / Megumi Tokiwa

オーストラリア、ブリスベン在住。豪政府公認留学カウンセラーPIER認定資格保持(QEAC登録番号:J249)。小学校の特別支援学級の担任を経て、オーストラリアに留学。シドニー到着後、自転車人口の多さに驚き、ロードバイクデビュー。その後、ワーキングホリデーで再渡航し、留学代理店で働き始める。留学サポート業務の魅力に出会い、2014年7月から現職。ブリスベン支店より留学カウンセリングと現地サポートを行う。
2016年からはトライアスロンを始め、ローカルチームに加入し毎朝5時15分からの練習に参加のため、早寝早起きの毎日。目標は高く日々トレーニング中です!
※ブリスベン支店スタッフとして2019年12月まで勤務(ブログはその当時の内容となっています)このカウンセラーに質問する