ワインを楽しむためにクナワラへ[後編]

オーストラリアの赤ワインの聖地「クナワラ/Coonawarra」の訪問記、後編です。

2日目は朝から目星をつけたワイナリーへ向かいます。ワイナリーのセラードアは、大抵午前10時(早いところで9時)〜夕方5時(早いところで4時)までなので、ウカウカしていられません!

なかなか来れないクナワラですから、どんどん訪問してたくさんテイスティング!をするぞ!
前編はこちら

ワイナリー その3 Balnaves of Coonawarra
こちらのワイナリー、アデレード大学院のMaster of Wine Businessを卒業されたワイン仲間の大川さんから、必ず行くべし!と推薦されたワイナリーです。

大川さんからはオーナーがいればラッキー!と言われてたのですが、残念ながら当日はおらず。。
でもセラードアの女性スタッフはとても知識が豊富でおもてなしもセラードアも洗練されていました。
クナワラでは抑えておくべしワイナリーと言われた意味がよくわかりました。
ここではスパークリングでは珍しい ”カベルネ・ソーヴィニヨンのスパークリング” がありましたよ!

ワイナリー その4 The Blok Estate Coonawarra
こちらもお初のワイナリー。非常に小さい家族経営のワイナリーですが、こういうところでの出会いが楽しいのもワイナリー巡りの一つです。
なんの飾り気もない一軒家の玄関にWine Tastingの張り紙。勝手に中に入っていきます。
中のカウンターには、今、不在なので電話してね。と電話と一緒にメモが置かれています。
家族経営で小さなワイナリーは、常時セラードアにスタッフはいません。「誰もいないじゃ〜ん」と過ぎ去る人もいると思うのですが、気軽に電話して大丈夫!
電話すると数分後に「待たせたね〜〜」と言いながらスタッフ(ワイナリー経営者の息子さん)が出てきました。
もちろん、電話にでない場合もありますし、遠いので〇〇分かかる、などのやりとりが発生する場合もありますが、それはそれで楽しいのです。

低価格ながら期待以上に美味しかったです。購入予定にないリースニング(白)も買ってしまった。

ワイナリー その5 Whistle Post Wine
こちらのワイナリーは2013年設立のワイナリー! 古くからのワインメーカーが多いクナワラで珍しい存在です。
実はこのオーナー家族、長年クナワラで様々なワイナリーに栽培したブドウを卸していたブドウ栽培農家だったんですね。そして2013年に独自ブランドの立ち上げ、2016年に現在のセラードアの物件を購入して、2017年にオープンしたと言う出来立てホヤホヤのセラードアです。

訪問時にはオーナーの息子さんが相手をしてくれました。「セラードアは3週間前にオープンしたばかりで、ちょっと殺風景だろ」とか言いながら気さくな感じ。

作っているワインは4種のみ! 自社畑では、カベルネ・ソーヴィニヨン以外に、シラーズ、メルロー、シャルドネと栽培しています。メルローは、フランス・ボルドー流にブレンド用に栽培してたんだけど、出来がかなりよかったので、単一で瓶詰めしたとのこと。こちらもそんなに高くなく、でも、しっかりとした作りに好感度が高いです。
他州の酒屋さんで見つけるのは難しいボトルとは思いますが、もし見かけたらぜひ試してみてください。

ワイナリー その6 Rymill Coonawarra
もうだいぶ酔いが回ってきたのですが、2日目の最後に行ったのがこちらのRymillです。
前編にて、クナワラに初めてブドウを持ち込んだのが John Riddoch(ジョン・リドック)さんと言う説明をしましたが、その孫 Peter Riddoch Rymill(ピーター・リドック・ライミル) が、このRymill Coonawarra ワイナリーの創始者です。
ちなみにジョン・リドックの息子であり、John Riddoch Rymill(ジョン・リドック・ライミル = このワイナリーの創始者のお父さん)は、ワインメーカーではなく南極探検家として有名で、引退後は南オーストラリア州の乗馬の分野で多大な功績を残された方らしいです。ゆえ、このRymillのシンボルが馬をモチーフなんだとか。

家族経営のワイナリーとしてクナワラで最古の存在です・・が、セラードアも綺麗だったし、スタッフもとてもフレンドリーでしたが、、いまいちピンと来ず・・
完全好みの問題だとは思うのですが、もう1回チャレンジしてみようかな〜と言う程度の感想です。Rymillファンの方、すみません。。

〜〜まとめ〜〜
前日とあわせクナワラでは、合計6ワイナリー(新旧、大小)をピックアップして訪問してきました。
オーストラリア最大のワイン産地バロッサバレーと比べると観光地化されていない感じはありますが、それが逆にとても良い!!
赤ワインの聖地クナワラ、充分に楽しめた2日間でした。来てよかったタ〜〜。

ちなみに、Petaluma(SA州:アデレードヒルズ)、Lindemans(NSW州:ハンターバレー)など(その他の有名ワイナリーも)もクナワラに単一畑を持っています。
Petaluma Evans 専用のブドウ畑
Lindemans St.Georges 専用のブドウ畑

例えば上記の Petaluma の Evans や、Lindemans の St.George などは同ワイナリーの有名ボトルの一つ(高い!)ですが、写真の看板のように「俺らクナワラに単一畑を持っているだぜ!」と言ってます。(だからボトルにCoonawarra産と入れれるわけですが・・)また、いくつかのワインメーカーの有名ボトル(フラッグシップ)では、クナワラ産が多くみられますが、なかなか高くて買えません。

しかし、今回ご紹介のワイナリーの中では、リーズナブルなボトルもありますし、どのワイナリーでも 2012年、2013年、2014年 はブドウの出来が良い年だったそうで、今から買うビンテージには、ちょうど良いとのことでしたから、酒屋でワインを選ぶときに、2012〜2014年のビンテージで 産地 Coonawarra とあれば、ぜひ一度は手に取ってみてください!

そして、もしクナワラのワイナリーを訪問する際に本ブログが参考になれば幸いです!(どこかで1本は買ってあげてくださいね)

齋藤 新 / Arata Saito

オーストラリア、アデレード在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I009)。1999年、経済連を退社し、ニュージーランドに留学→2000年、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。現地の旅行会社勤務などを経て、2002年より現職。クイーンズランド州、ニューサウスウェルズ州、南オーストラリア州の主要都市を移り住み、現在に至る。語学留学、TAFE専門、大学・大学院留学への留学相談、アデレードオフィスでのサポートと様々な形で留学生と接する日々。このカウンセラーに質問する