その中で、オーストラリア8大学のひとつ、西オーストラリア大学(以下UWA)を訪問し、各学部のスタッフと話をしたり、情報をもらったり、実際の生徒からどんな体験をしているのか聞いてまいりました。
今日はその訪問から、私が感じたことを書きたいと思います。
UWAでは、近年、いかにグループワークを通して勉強できるかということに力を入れているそうで、実際どの学部を見学しても、コミュニケーションや問題解決能力についての重要性について説明を受けました。
そして、各施設を見学する中で、学部の共有スペース、図書館、学生が集まる場所、それらには、必ずグループワークのためのコーナーがありました。
グループワークがスムーズにできるような、個室、オープンスペースがたくさん設置されており、ブレインストーミングをした後に、その内容をメモしなくていいように、そのままスキャンできるボードもあり、グループワークを通して勉強できるような環境づくりが行われていることが見られました。
図書館といえば、昔から静かにするものですが、UWAのScienceの図書館では、1階はグループワークのためのフロアとなっており、話をしても問題ないそうです。
つまり、社会に出たら他の人と折衝しながら仕事を進めていかなければいけない、その上で実際の社会で活かせる授業と環境を、大学側がきちんと提供しているということは、学ぶ上で大きな利点だと思いました。
ただ教授の講義を一方的に聴くだけでなく、課題を他の学生と一緒にこなし、協力しながら進めていく。
もちろん、非協力な人もいるかもしれない。
頑張っているが結果が不完全な人もいるかもしれない。
でも、実社会ではそのようなことは頻繁に起こり、起こったときにどう対処するのか、そのProblem Solving(問題解決)能力を大学で培えるというわけです。
どんなときでも、課題をクリアしなくてはいけないという状況を大学で体験できることは、本当に自分の宝になることでしょう。
ここでUWAのBusiness Schoolで実際に行われているプロジェクトをご案内いたしましょう。
Students in Free Enterprise(SIFE) UWA Team
ビジネススクールの生徒が企画、実行するプロジェクトで、Profitを得るだけのビジネスプランではなく、それまでの過程において、いかに色々な分野、人々にベネフィットがあるかという、誰もがハッピーなプロジェクトで、2012年にオーストラリアチャンピオンに輝いています。
ちなみに、世界大会もある本格的なプロジェクトです。
2012年のプロジェクトは、UWAのビジネススクールのリサイクル材料から作られたエコバッグのプロジェクトで、その製作はインドの職を求めている人たちが行い、そのエコバッグをビジネススクールに販売している、というもので、環境にも優しく、雇用促進にもつながり、そしてビジネススクールにも役に立つという皆がハッピーになる利点が認められて、オーストラリア大会で優勝したものです。
このプロジェクトの紹介を私たちにしてくれた大学生は二人、どちらも女性でした。
そして、そのうちの一人はマレーシアからの留学生でした。
私が一番驚いたのは、そのマレーシア人の女の子が私たちにしてくれたプレゼンテーションでした。
どれだけの日本の大学生が、英語で、メモも読まず、自信を持って、何十人もの前で話ができるでしょうか。
(実際、シャイな私も全く自信がありません)
素晴らしく感動しました。
UWAの入学には他の大学より高い英語力が必要なためか、日本人留学生は殆どいませんが、一人でも多くの日本人学生がこのような素晴らしい環境で学び、世界の舞台に羽ばたいて欲しいと心から思いました。