先日、私が卒業したサザンクロス大学の後輩から「試験が近いので英和辞書を貸してほしい」という連絡がありました。
私がオーストラリアにやってきた2012年、みんなが日本から持ってくる辞書の主流は電子辞書でした。現在、電子辞書はスマホアプリや無料オンラインサイトにとって変わりました。語学学校でも大学でも無料Wi-Fiがないところはないので、とても便利です。これらの辞書のいいところは手軽に持ち運べるのに容量が大きいところ。使い方の説明や例文、類義語や対義語もすぐに出てきます。googleに「(知りたい単語) definition」と入れると英英辞書としても使えます。大学生にとっては普通の辞書には載っていない専門用語にも対応しているので本当に便利です。
しかし、大学・大学院への進学を考えている皆さん、是非、まっさらなハードカバーの英和辞書を持ち物リストに加えましょう!
なぜなら…
大学の期末試験ではインターナショナルスチューデントに対して英語→母国語のハードカバーの辞書の持込のみが許可される場合があるから。(持込ができない大学や一部電子辞書が許されている大学もあるようなので、事前に確認されることをおすすめします。)
母国語→英語や語学学校で推奨されている英英辞書はNGです。英語の説明がそのまま問題の答えである定義となる場合があるからです。また、書き込みやアンダーラインが引いてあるものはカンニングとみなされる場合があるので要注意です。
それだけの英語力をつけてから大学や大学院に行くのだから、試験に英和辞書を持ち込むなんて…という人もいると思います。それも正解。正直、試験中にいちいち辞書を引いている時間はありません。専門用語やよく定義などの説明で使うアカデミックな単語はほとんど頭に入れておかなければなりません。しかし、「オーストラリア人なら当たり前に知っている日常的な言葉、でも私は聞いたことがない」なんて単語がいきなり試験問題に現れたりするのです。しかも、その単語が理解できなければ回答できないなんて場合も。
例えば、Taxation(税法)の試験に登場したSkiffという単語。それまで見たことも聞いたこともありませんでした。辞書を引くと「小型ボートの総称」とのこと。文章中ならなんとなく前後の文から想像もできるのですが、登場人物の所有物として羅列されていると、まったくなんのことだかわかりません。しかも、税金の計算においては、それが何なのか正確に把握しないと正しい答えは導き出せません。ちなみに中国人のJちゃんとMちゃんも知らなかったと言っていました。
いくら英語に自信があってもこういうことが起こりうるので、どんなに英語に自信があっても「お守り」と思って辞書の持込が許されている場合は持ち込みましょう。
オーストラリアで英和辞書を購入するのは難しいです。(シドニーの紀伊國屋なら手に入るかもしれませんが。)是非、日本にいる間に準備しておきましょう。
普段は本棚の飾りと化しているまっさらなハードカバーの英和辞書、期末試験のお守りです。