先日お休みをいただいて、スイスのバーゼルという街に行ってきました。
新しい体験にワクワクしたり、壮大な景色に感動したりはもちろんですが、旅の中で自分の言葉として英語を持っていることの価値を改めて感じることができました。今回はその経験をシェアしたいと思います。
旧市街でひときわ目立つ赤い建物はバーゼル市庁舎言語学習者同士の小さな国際交流
最初の出会いは、ロンドンからバーゼルへ向かう飛行機の中でした。隣に座った私よりも少し年上の女性のスマホから、「チャリン、チャリン、モビッ、タッタラー!」と聞き馴染みのある音が・・ちらりと横目で見ると、やっぱり!語学学習アプリ"Duolingo"をやっていました(笑)ちょっと目が合ったタイミングで “Do you Duolingo?” と聞いてみたら、「そうなの!あなたも?」と話が弾みました。イギリス人の彼女は、バーゼルからライン川クルーズに行くらしく、そのためにドイツ語とフランス語を学んでいるのだとか。
私自身も今回の旅行のためにドイツ語とフランス語を少し予習していたので、「私の母国語は日本語だけど、英語はそれなりに話せるから、今回の旅行のためにドイツ語とフランス語やってる。理解はできそうなんだけど、話すのは難しいかも。」と答えると、「そうなの!話すのは難しいよね!」と共感してくれました。旅の始まりから、異文化・異言語を学ぶ者同士の温かい共感を得ることができました。
バーゼル市を流れるライン川では、スイス・ドイツ・フランス、3つの国境が交わっています。徒歩で三カ国の国境を越えられるのもバーゼル市観光のポイント!"こけし"と現代アートで繋がる
街中で、歩行者用信号のボタンが上手く押せなくて困っていた私に声をかけてくれた女性がいました。スイス国内から旅行に来たという彼女のバッグには、なんと"こけし"のキーホルダーが!「日本に行ったことがあるの?」と聞くと、「いい国よね~。日本の歩行者用信号の扱いはばっちりよ(笑)」と。さらに、「日本人といえば、Yayoi Kusama(草間彌生)の特別展見に行く?平日でもロットが埋まってるから早めに予約した方がいいよ。」と耳寄りな情報を教えてくれました。元々訪れる予定でしたが、「当日券を窓口で買おう」と思っていたので、親切なアドバイスのおかげで、無事、バイエラー財団(美術館)のチケットを確保!素敵な時間を過ごせてよかったです。
バーゼル市郊外にあるバイエラー財団(美術館)。約250点のコレクションを常に変えながら展示しています。これまでに訪れた中でも好きな雰囲気の美術館トップ5に入るかも :)もちろん、Yayoi Kusama展も存分に味わいました!日本への愛を感じる会話
お米が食べたくなって入った駅にあるタイ料理のカウンターでは、温かい出会いがありました。前に並んでいたお兄さんの量を見て食べきれないと判断した私は、「値段そのままでいいから、少し量を減らして。」とお願いしました。カンボジア出身という店員さんは、日本人だとわかると「たくさんの国がカンボジアを支援してくれるけど、日本はお金ではなくインフラそのものを提供してくれるから好きなの。」と話してくれました。国境を超えて、日本の貢献を直接聞くことができ、とても嬉しくなりました。
高速鉄道でも、巡回に来た車掌さんがパスポートを見て「あら、日本人?いいわね♪」とニコニコ。日本に2回行ったことがあるという彼女からは、「日本大好き♡」という言葉を聞くことができました。
他にも様々な場所で現地の人や世界各国からの観光客問わず、英語が話せるとわかると【雑談】を続けてくれる人がたくさんいて楽しかったです♪
国際長距離列車から都市間高速鉄道、ローカル線まで多くの電車が発着するスイス鉄道のバーゼル駅なぜ、今【英語を学ぶこと】が必要なのか
近年は、AIが翻訳も英作文もやってくれるし、同時通訳してくれるイヤフォンなんてものも発売されていて、英語を学ぶ意味が薄れている気もしていました。でも、自分の言葉として英語を持っていると、必要なことだけでなく、このようにちょっとした会話を楽しむことができ、人の温かみや、人とのつながりを感じることができます。実際に英語を学んで、自分の言葉で話すことって大切だなと感じることができました。
このような【雑談】って、実はビジネスの世界でも重要だったりします。
スモールトークの力
【雑談】のような【絶対に必要というわけではない話】ってわざわざ翻訳機を使ってまですることはないと思います。でも、英語ではsmall talk(スモールトーク)と言いますが、会議や商談の前に天気やスポーツなど本題とは関係ない話で場を温めたり、相手の人となりを知ったりすることが多々あります。つまり、コミュニケーションスキルとしての英語力。これがスムーズなビジネスに繋がっていくんですよね。感情を乗せるということ
現段階でAIが一番苦手としていることは、感情を読んだり、行間を読んだりすることと言われています。同じ言葉でもどんな感情を乗せるかで、言い方や声、表情が変わってきます。例えば、こちらの意思ははっきり伝えないといけない場合でも、自分の言葉であれば、(相手は違うことしたいのはわかっているんです。でも・・)というような気持ちを含んだを言葉で伝えることができ、それが円滑な交渉の鍵だったりします。そんな言葉に乗せられた感情を読み取りながら話を進めていけるのも、人間同士であるからこそだと思います。
なんて小難しいことを、高速鉄道の車窓を流れる自然豊かな景色を眺めながら考えたりもした旅でした :)
バーゼル駅から高速鉄道と世界最大の傾斜角度を誇る山岳鉄道を乗りついで1時間半。ピラティス山から望む景色は最高でした!