Sydney Busで思ったこと


シドニーのバスにもお年寄りや体の不自由な人用の優先席というのが、ドライバー
の直ぐ近くのエリアで用意されています。

バスが空いていれば、もちろん一般の人も座ることが出来ますが、
あとから年輩の方などが乗車してきたたら、「どうぞ」と席を譲るのがマナー。

先日帰宅のバスに乗ったところ、車内は満員、つり革につかまって立っている
人も多く、身動きもあまり出来ないくらいに混んでいました。
丁度私が立った場所が、優先席が3席並んでいる前で、アジア人らしき女の子2人が
3席のうち両端の席に座り、真ん中は彼女たちの荷物を置いて、それを気にする
様子もありません。
私の隣で同じく立っている、オージーらしき若い女の子はチラチラと、優先席に
座っている女の子と、その間の荷物がおいてある席を、訝しげに見ています。

混雑しているバスの中、やはり一人の女性が、
「その荷物はあなたたちの?バスとても混んでるから、席を空けてくれないかしら」
と一言。。。
しかし、彼女たちは、「Sorry」も言わず、無言で荷物をどかすだけでした。

オーストラリアでは、お年寄りや女性などには、さっと席を譲るのが一般的、マナーです。
時にはドライバーが優先席に座っている人に、席を譲るように声をかける
場合もありますし、たとえ優先席でなくても、バスが混み合っている時など「どうぞ」と
自分から席を立って声をかけます。

日本に帰国した際など、電車を利用すると先に乗車していた人達が、席が空いた途端に、
たとえ優先席だとしても走って我先にと席を取る様子を見かけます。
まるで椅子取りゲームのようです。

オーストラリアのバスは「時間通りに来ない」「運転が荒い」なのに、「毎年料金が上がる」
という、日本ではなかなか考えられない面も確かにあります。
ですが、バスに乗る人達の譲り合いの精神、マナー面では見習うべきところがあります。

これからオーストラリアにいらっしゃる方、バスだけでなく電車など公共の交通機関では
オーストラリアでは年輩の方、体が不自由な方へは席を譲るのが当たり前の文化です。
気持ちよく、「どうぞ」と席を譲ってあげてくださいね。
そして、ぜひ日本へこのマナーを持ち帰って広めて欲しいなと思います。

大越 麻結 / Mayu Okoshi

オーストラリア、シドニー在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 G175)。高校2年の時に、ノースシドニーのカソリック系女子校へ2週間の短期留学。当時、Appleという単語すら聞き取れなかった私を温かく迎えてくれたホストファミリーとの出会いを通じ、またオーストラリアへ来る事を心に決める。その後、アパレル業界勤務、実家家業を経て、2002年ワーキングホリデービザで渡豪。1年の滞在が終わりに近づく頃、何かを得てから帰国したいと考え、専門学校へ進学。Diploma of Public Relationsを修了する。留学業界との出会いはワーホリ時代に遡る。その後、英語学校スタッフとしての勤務、オーストラリア留学センターシドニーオフィスで12年の勤務を経て東京オフィスへ異動。2021年から再びシドニーオフィス勤務。このカウンセラーに質問する