コロナ禍で考える「リモート時代で必要な力」

コロナ前まで、東京オリンピックへの交通機関混雑緩和に向けて、東京では時差出勤やリモート業務推進をニュースや駅のホームなどあちこちで掲げていましたが、うまくいっていませんでした。
そんな中、新型コロナウイルスにより推進せざるを得なくなり、多くの会社が時差出勤やリモートで業務できるようやっと重い腰を上げて、改革を進めるようになりました。最近はハンコレス化も始まりましたね。
長らく続いていた「会社へ行くこと」への習慣や「頑張っている”姿勢”を周囲に見てもらうこと」という日本ならではの評価アピールも今後は通用しなくなってくる時代です。

そういったなかで、これからのリモート時代で必要なスキルは「信頼関係を築く力」「自走力」「成果を出せるスキルの準備」ではないかと感じました。

「信頼関係を築く力」についでですが、コロナ禍で知人と話しているときに考えさせらえることがありました。

信頼関係がちゃんと築けていない状態でリモート勤務になると、上司は「●●はちゃんと仕事をしているのだろうか、さぼっていないだろうか」という考えから、マイクロマネジメント(部下への細かい業務管理)に走ります。

知人にも実際、1時間単位でスケジューラー(社内のタイムスケジュール表)にやることなどを入力するよう言われたという人もいて、「やるべきことをやっているのに、入れる意味あるのか」という疑問と(成果を出していても時間単位で自分を管理しようとする)上司への不信感が生まれたと言います。
日本の会社にありがちですが、部下の行動を全部把握したいという上司も多いのが事実です。

また、同僚同士のケースでいうと、別の知人は、自分の部署はリモートメインでやっていたけれど、他部署から「なぜあの部署は全然出社していないんだ」というクレームがあり、ひと月あたり50%出社することになった、という(ちょっと呆れるような告げ口により)必要のない出社をすることになった人も。

次回は「信頼関係を築くこと」について考えてみたいと思います。

泉 紗矢香 / Sayaka Izumi

豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 M144)。ゴールドコースト在住。大学在学中に留学を経験し、新卒で楽天株式会社に入社。ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オーストラリアを飛び回る。仕事を通して自身の留学が人生や将来の仕事を考える大きなきっかけになったことを再認識し、「より多くの人が、留学を通して英語力を磨き、視野を広げ、豊かな人生を送れるようサポートしたい」という思いから、留学業界へ転職。