英語が話せない家族とオージーの交流

私事ではありますが、5月に結婚式を挙げました!雲一つない晴天の中、大好きなゴールドコーストでビーチウェディング!

我が家は正式な婚姻手続きは日本で終えており、日本で小さなお祝い会も済んでいました。なので今回は、日本に来れなかったオーストラリアの家族や友達のためのパーティーということもあり、アットホームで少人数なパーティになりました。日本からの参加者は、両親・弟・叔母・叔父家族と近しいファミリーメンバーのみです。

母親と弟以外のメンバーはオーストラリアに来るのは初めて。英語は誰も話せません。(カタコトで単語並べる程度)

家族が来てくれることはとっても嬉しかったのですが、同時に少し心配もありました。式当日は私があまり身動きが取れないので、家族の送迎をオージーの友達に頼んだり、式の途中にも家族を放置しなければならないシチュエーションが多かったのです。せっかく日本から来てくれているのに、英語がわからないせいで嫌な思いをさせてしまったらどうしよう・・・と思っていたのですが。

結婚式が終わった後の家族の反応は、「すごく楽しかった!!言葉が通じないから緊張していたけど、こんなに交流できると思わなかった!!!」と、楽しい時間を過ごしてもらえたようで一安心。

家族と話をしていると、オージーと交流してみて、「気づいたこと・驚き」がいくつもあったようです。これから留学に来る方の参考になるかも知れませんので、いくつかご紹介したいと思います。

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①日本語への馴染みがある
まず家族が驚いていたことが、「日本語を知っている人が想像以上に多かった!」ということ。結婚式の時に緊張しながら「ハロー」と挨拶をしたら、「コンニチハ!ワタシノナマエハ●●デス!」と日本語で自己紹介されることが何度もあったよう。

これはズバリ、オーストラリアの現地学校では、第二言語として日本語を教えている学校が多いからだと思います!クイーンズランド州は、全体の約7割程度の学校でJapaneseが第二言語として教えられています。

学校で学んだ日本語を全部覚えている人は少ないでしょうが、定番の「自己紹介」「挨拶」「数字」を言える人は結構多いですよ!
※これは年代にもよります。80年代以降に生まれた人は学校で日本語をやっていた人が多い印象

あとは日本食レストランが多いので、食べ物は結構詳しいです。スーシー(寿司)とか、カツカレーとか・・・

英語で混乱している時、一言でも日本語を話してもらえると安心しますよね。また、日本をテーマに会話を広げることもできるのもいい点だと思います。

②日本ラブな人が多い
話をした人たちが、とにかく「アイラブジャバン」を連発していたようです。
会話のネタとして言っている可能性もありますが、私が知っている限り、日本大好きな人は本当に多いですね〜!定番のアニメオタクだけではなく、旅行好き、お城やサムライなど歴史好き、小さい頃に日本のアニメやゲームで育ってから興味がある、スノーボードなどウィンタースポーツ好き、そしてディスニーマニアなどなど。

ここ数年で日本〜オーストラリア間の直行便が増えているのも、オーストラリアから日本を訪れる人が増加しているからなんだとか。私の家族は北海道出身なので、スノーボードやニセコの話などで盛り上がれたようです^^ 

私たちは日本で生まれ育っているので特別感はないですが、歴史の浅いオーストラリアで育った人たちからみる日本って"かなりクールな国"なんですよね。「日本のことをもっと知りたい!」と思ってくれている人は多いように感じます。

③とにかく話しかける!
何よりも嬉しかったのが「言葉ができないとわかっているのに、とにかく気軽に話しかけてくれた!」ということみたいです。式が始まる前は、"言語が理解できない我々にはわざわざ話しかけないだろう"と思ってたようですが、英語が通じるか通じないかは全く気にせず、ガンガン話しかけられたんだとか!

話しかけて理解できないなというのがわかったら、身振り手振りゆっくり話してくれたり、①のように日本語で自己紹介してくれたり、②のように"日本"について話してくれたり、携帯の翻訳機も使ったりなど工夫をしてコミュニケーションを取ってくれたみたいです。

例えば日本で、明らかに”外国人”という見た目の人が立っていたら、私たちは英語で話しかけるか、見て見ぬ振りすることが多いですよね。ためらわずに日本語で話しかけることは少ないと思います。それは、日本ではまだまだ「日本語を話す人種は日本人だけ」という概念が強いからだと思います。

オーストラリアは4人に1人がオーストラリアの外で生まれている移民大国なので、見た目だけでその人が話す言語を判断することはできません。西洋の見た目ではない人に英語を話すことには、全く抵抗がないんですね。
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オーストラリアは良く「親日家が多い」「フレンドリー」「住みやすい」と言われていますが、私たち日本人が言葉や文化の壁を超えて交流がしやすいというのは、オーストラリア人のこんな性質も関係しているのかな、と思いました。


ただ、結婚式で楽しい時間を過ごし、日本に帰っていった家族が最後まで口を揃えて言っていたこと。それは

「もっと英語が話せれば・・・」

でした。

いくらオージーが日本語で挨拶が出来て、フレンドリーで、携帯翻訳を使いながら何となく意思疎通が取れても、"ちゃんとしたコミュニケーション"ではありません。一生懸命話しかけてくれても何となくしかわからない・自分のことをちゃんと伝えたい、でも伝わらない・・・嬉しい気持ちの反面、英語ができればもっと仲良くなれたのに!!という気持ちがとても強かったみたいです。

オーストラリアは"これから英語を学ぶ日本人”が留学をするには最適の環境ですが、だからと言って「英語ができなくても大丈夫」な訳ではありません。最終的には英語ができないと、ローカルで働いたりネイティブの友達を作るのは難しいです。

今回の家族来日で、改めてオーストラリアは日本人の留学地として適しているということと、この国で学び生活していくためにはやっぱり英語力がないとダメだわ!と実感した私なのでした。

関川 祐利弥 / Yuriya Sekikawa

豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I094)。ゴールドコースト在住。北海道出身。中高時代、海外の学園ドラマの影響を受け「私もあんな生活がしてみたい!」と16歳でアメリカへ交換留学。ところが現実は理想とは異なり、公共交通機関一切なしのド田舎でのサバイバル生活。1年後、人として、また体型もひと回り成長して帰国。その後、日本の大学を卒業。人材コンサルティング会社勤務を経て、留学業界へ転職。…をしたつもりが、勤務支店が本社に吸収され職を失う。しかしピンチの時には、過去の留学で培ったサバイバル精神が役立つもの。「これは、もう1度海外へ行けということか!」とポジティブ思考で南国オーストラリアへ。現在は、ビーチから徒歩3分のゴールドコーストオフィスで留学カウンセリングと現地サポートを行う。このカウンセラーに質問する