海外留学では、スマートフォンと同じくらい、モバイルバッテリーも欠かせない持ち物のひとつです。
というのも、留学中は日本にいるとき以上にスマートフォンを使う場面が増えるからです。外出時間が長くなったり、Googleマップで道を確認したり、翻訳アプリを使ったり、学校からの連絡を見たり、オンラインの授業録画を閲覧したりと、気づけばかなりの頻度でスマートフォンに頼ることになります。
しかも、海外生活では「スマホの充電が切れたら、ちょっと不便」では済まないこともあります。知らない土地で地図が開けない、連絡が取れない、配車アプリが使えないとなると、なかなかの緊張感です。そう考えると、モバイルバッテリーは、もはや便利グッズというより安心グッズに近いかもしれません。
そのため、多くの留学生にとってモバイルバッテリーは必需品といえます。
ただし、最近はモバイルバッテリーの取り扱いに関するルールが変わってきており、今までと同じ感覚で持ち運ぶのは少し注意が必要です。
特に気をつけたいのが、カンタス航空グループ(カンタス航空、カンタスリンク、ジェットスター)です。同グループでは2025年12月15日から、機内でのモバイルバッテリーの使用および充電を全面的に禁止しています。つまり、「持ち込みはできても、機内では使えない」ということです。
「持って入れるなら使ってもよさそう」と思いたくなるところですが、そこは航空ルール、なかなかこちらの気持ちには寄り添ってくれません。
さらに、2026年4月からは国際的な新基準の導入も予定されており、今後は世界的にも「機内での使用禁止」という流れがさらに広がる可能性があります。これから留学や旅行を予定されている方は、出発前に利用する航空会社の最新ルールを確認しておくことをおすすめします。
ポイントは容量ではなく、Wh(ワットアワー)です
今後の航空利用で持ち込み可否の判断基準になるのは、「mAh(ミリアンペアアワー)」ではなく、「Wh(ワットアワー)」という電力量の単位です。
| 電力量(Wh) | 機内持ち込み・使用の制限 |
|---|---|
| 100Wh 未満 | 持ち込み可能。ただし、機内での使用・充電は原則禁止となる場合があります |
| 100Wh ~ 160Wh | 航空会社の事前承認が必要です(通常2個まで) |
| 160Wh 超 | 機内持ち込み・預け入れともに不可です |
……と言われても、正直なところ「なんとなく難しそう」で終わりがちです。
実際、mAhなら見たことがあっても、Whは急に理科っぽくなってきますよね。留学準備中に、ここで急に計算問題が始まるとは思わなかった、という方も多いと思います。
ということで、実際に自宅にあるモバイルバッテリーを確認してみました。
自分のモバイルバッテリーが基準内かどうかを知るには、本体裏面などの表示を確認する必要があります。ただ、多くの製品には「mAh」しか書かれておらず、航空会社の基準である「Wh」がすぐに分からないこともあります。
そのため、以下の式を使って事前に換算しておくと安心です。
【計算方法】mAh を Wh に換算するには?
モバイルバッテリーのWhは、以下の計算式で確認できます。
(※一般的なリチウムイオン電池は3.7Vで計算します)
式だけ見ると少し身構えますが、やってみると意外とシンプルです。「海外に行く前に数学まで復習するのか」と思うかもしれませんが、ここは数秒だけ頑張りましょう。
実際に手元にあるバッテリーを計算・確認した結果がこちらです。
| モデル・容量 | 計算式(電圧3.7Vの場合) | 電力量(Wh) |
|---|---|---|
| 10,000mAh モデル | (10,000 × 3.7) ÷ 1,000 | 37.0Wh |
| 13,000mAh モデル | (13,000 × 3.7) ÷ 1,000 | 48.1Wh |
| 20,000mAh モデル | (20,000 × 3.7) ÷ 1,000 | 74.0Wh |
| 26,800mAh モデル | (26,800 × 3.7) ÷ 1,000 | 99.16Wh |
今回確認したものはすべて100Wh以下だったため、持ち込み自体は可能な範囲でした。
26,800mAhのモデルはかなりギリギリですが、こういう「ギリギリセーフ」が一番そわそわします。空港で余計な緊張を増やさないためにも、やはり事前確認は大切です。
持ち込み禁止になりやすいのはどのようなバッテリーか?
機内への持ち込みそのものが禁止、または事前承認が必要になるのは、主にキャンプや防災用として販売されているポータブル電源などの大型バッテリーです。たとえばこういうバッテリーですね。
ちなみにこれも、我が家で利用中のバッテリー。キャンプ用の冷蔵庫に゙利用していますが、正直持ち歩くにはデカすぎますから、機内に持ち込むことはないでしょう。近いもので言うと車のバッテリーもですが、こちらも持ち込む人はいないと思います。
ただ、たとえば、160Whを超えるものは、Amazonなどで販売されている45,000mAhを超えるような大型モデルが該当することがあります。200Whや216Whといった表示の製品は、この基準を超える可能性があります。
また、家庭用コンセント付きのタイプは、AC出力があるぶん容量が大きく、160Whを超える製品も少なくありません。このようなタイプは、手荷物としても持ち込めない場合があります。
見た目がコンパクトでも、数値が基準を超えていれば持ち込み不可となることがあります。「小さいから大丈夫そう」は、ここではあまり通用しません。航空会社はサイズ感より数字を見ています。
ただ、持ち込めても機内では使えない
スマートフォン用として一般的な10,000〜20,000mAhクラスであれば、計算上は100Wh以下に収まるものが多く、基本的には持ち込み可能です。
目安としては、27,000mAh以下であれば、おおむね100Wh未満に収まります。
ただし、ここで最も注意したいのは、「持ち込みはできても、機内では使用・充電できない場合がある」という点です。カンタス航空グループのように、安全確保の観点から、個人のモバイルバッテリーによる電子機器への充電を禁止している航空会社もあります。
つまり、バッテリーは持っているのに使えない、という少しもどかしい状況が起こります。これはもう、ルールなので受け入れるしかありません。
飛行中にスマートフォンの充電切れを防ぎたい場合は、座席に備え付けられているUSBポートやコンセントを利用できるかどうかを事前に確認し、必要なケーブルを手荷物に入れておくのが安心です。
安心してオーストラリア留学へ出発するために
出発前のパッキングでは、モバイルバッテリーについて次の点を必ず確認しておきましょう。
- Wh表記を確認すること
本体に「〇〇Wh」と書かれている場合は、その数値が最優先の判断基準になります。 - mAhしか書かれていない場合は計算すること
「mAh × 3.7 ÷ 1000」の式で確認できます。 - スーツケースに入れて預けないこと
モバイルバッテリーは預け入れ荷物に入れることができません。必ず手荷物に入れてください。 - 機内で使えるとは限らないと考えること
航空会社によっては、持ち込み可能でも機内での使用や充電が禁止されている場合があります。利用する航空会社の規定を事前に確認しておきましょう。
留学準備では、学校の手続きやビザ、保険など、どうしても優先順位の高いものに目が向きます。ただ、こうした渡航時のルール確認も見落とせません。空港で初めてルールを知るのは、できれば避けたい“学びの機会”です。せっかくの留学ですので、最初の試練が保安検査場にならないよう、事前に確認しておくのがおすすめです。
オーストラリア留学に関する渡航準備や現地生活の注意点についてご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。出発前に確認できることは確認して、現地では余計な心配よりも、留学生活そのものを楽しんでいただければと思います。