レーシングカー整備士として働くワーホリメーカー

先だって、年末年始の長期お休みに向けて、マイカーの安全点検とオイル交換、そして不具合のある箇所を見てもらいに車整備屋さんへ行ってきました。
ただ、オーストラリアで車の修理や整備点検に出すって勇気がいるんですよね。。。なんと言ってもメカニックの腕が信用に足るかどうか。。

そんな中、当社シドニー支店のお客様がシドニーでレースカーを作っている整備工場で働いていると言う事でお世話になりに行きました。現在、彼の働いているお店では普通車の一般整備は行っていないらしいのですが、特別に!!と言う事で。ラッキー!(なんと迷惑な。。すみません。)

ちなみに彼の整備する車の出場するレースはWorld Time Attack Challengeと言うレースだそうです。こんな感じの車を作ってる。


レースはコレ。
http://www.worldtimeattack.com/

整備士の彼がオイル交換を含めテキパキと作業をこなす傍ら、自分がイロイロ話しかけたため、それに答えるのに、ずいぶん手を休ませちゃって、約2時間ほどかけじっくり検査頂き、ブレーキパッドなどの消耗品も早めに注文して次回に備えることにしました。ちなみにオイル交換とかも普通にすると結構な額を取れられるのですが全て混みでとても安く仕上げてもらった!ありがたや!


作業中の彼。車の下にリフトを挟み込んで持ち上げる準備してます。

そんな整備士の彼はワーキングホリデーで滞在中。彼がどんな経緯で整備士として働けているのか、紹介しようと思います。

彼の地元は福島。昨年の大地震で家族は無事だったけど被害が大きく影響し仕事もない中、最低限のお金を必死で貯めて渡航しました。
(本人曰く、逃げてきた、って言うけど、そんな事はないだろう。と思う。)

予算の関係上、そんなに高い学校に行けなかったけど、集中して勉強。インターメディエイト(中級)で卒業。
学校終了後、10年近い整備士の経歴でディーラーから整備工場などへ意気込んで就職活動。
全てあえなく撃沈。現実は厳しく。。。英語の壁はあつい。。

そんな中,まずは、生活のためと割り切り、日本食レストラン(某焼肉店)で働いてみよう!と言う事になり、
もちろん、その中でいろんな人との出会いで道が開けることもあるからアピールが大事と言ってたら・・
その働き始めて少ししてからお店でミンチマシーンが故障した!すかさず修理したところを店のマネージャーが見てた!
マネージャーから知り合いのオージーの整備工場を紹介された!
面接に行って整備の腕を見せて採用された!んで今レースカー作ってます。笑。

ここまでで7ヶ月目の出来事。
整備の腕さえ見せれれば・・・英語の壁が高いと言っていたのが嘘のように、今は「めっちゃ楽しいです!」との事。
そりゃそうでしょう。オージーと同じ職場、同じ給料貰って、その上レースカーの整備士なんてね。

彼に見習うべきところは、まず仕事関係で渡航前に思い描いたように進まなくても、ふて腐れずに自分の英語力で出来ることを考えたこと。
もちろん、彼の例で言えばミンチマシーンを修理したのを見た人=上司→紹介者から整備の仕事と
偶然が重なったような感じだけど、その前にふて腐れて何もしてなかったら、紹介までの出会いも当然なく、
さらに言えば、しっかり頑張ってれば必ず誰かが見ていて、手を差し伸べてくれる。と言う事。

このあたりは、手に職系でも英語が不十分な人は、しっかり肝に銘じて欲しいです。
いくら技術があっても、それを見せる機会がなければ意味がない。
見せる機会があっても、欲しい人材として合致するかはその先の話。
だから、最初は当たって砕けてもしょうがない。
でもそこで、腕さえ見せれれば・・なんていつまでも止まっちゃうと次はないよね。ってこと。

今後の彼の予定は・・・
いずれは来るビザの問題。永住権にしろ、ビジネスビザにしろ、はたまた学生ビザで専門コースにしろ、
必ず英語力証明としてのIELTSのポイントをクリアする事が求められます。
「なんとかならんのですか?」って相談されたけど、こればっかりは何ともならん。
なんとか頑張ってシドニーに整備士として残って欲しい!ので彼のIELTSポイントゲットまで、キッチリ、見守りつつアドバイスしたいと思います!

齋藤 新 / Arata Saito

オーストラリア、アデレード在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I009)。1999年、経済連を退社し、ニュージーランドに留学→2000年、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。現地の旅行会社勤務などを経て、2002年より現職。クイーンズランド州、ニューサウスウェルズ州、南オーストラリア州の主要都市を移り住み、現在に至る。語学留学、TAFE専門、大学・大学院留学への留学相談、アデレードオフィスでのサポートと様々な形で留学生と接する日々。このカウンセラーに質問する