メルボルンに3店、シドニーに1店展開している『Lentil as Anything(レンティル アズ エニシング)』。人種や性別、経済状況や社会的立場の隔てなく、温かくておいしいごはんをみんなが食べられるようにという目的のもと作られたレストランです。
このレストランの特徴は、料理に決まった値段がないところ。食事をした人は、払いたいだけ払います(pay as you feelといいます)。$5払うも、$40払うも、自由です。食事をしに来る人は、身なりや人種などで差別されず、だれでも、お金がなくても、ヘルシーであたたかいごはんを食べることができます。
ブッフェ形式の料理はすべてヴィーガンで、食材はおもに企業が決めた賞味期限や形の制限のせいで廃棄になってしまうものなどを使用しています。働いているスタッフの多くがボランティアで、経験がなかったり英語が不自由であっても機会を得られるように配慮されています。
メルボルンでコミュニティワークに携わっているとよく聞くのが『inclusive(インクルーシブ)』という言葉。辞書で引くと『排他的でない』と出てくるこの言葉、使われる場面からすると感覚としては日本語のイメージよりあたたかく、良いエネルギーをより強く感じます。ここはまさしくこのinclusiveを表したレストランだと私は思います。
私が行ったのはAbbotsford(アボッツフォード)にある店舗で、周りはこんなに長閑。まわりにはメルボルン市街地から近いところとしては珍しく畑や小さな牧場らしきものもあり、馬や羊を目にすることができます。また店のすぐ側には川が流れていて、ちょっとしたトレッキングをするのにもよい素敵な場所です。
お店の雰囲気もあたたかく、生演奏が聞けたり、内装もかわいいし、ごはんも文句なく美味しいのでとってもおすすめ。家からは少し遠いのですが、すごく居心地がいいので私は何度も訪れています。また、ボランティアをしてみたい人にもいい場所だと思うので、気になる人はウェブサイト(こちらをクリック)をチェックしてみてください。
『Lentil as Anything(レンティル アズ エニシング)』の創始者はスリランカ出身、現在メルボルン在住のShanaka Fernando氏。彼が2012年にメルボルンで行ったTED TALKもあるので、もし興味のある方はリンク先(こちらをクリック)の動画をご覧ください。