
そういえば試験運転が開始されるというアナウンスから約2年ほど経ってるのか・・・と思い、遅ればせながらブログでご紹介したいと思います。
世界が注目する— 再エネ先進の南オーストラリア州
南オーストラリア州は「太陽光」と「風力」による発電比率が極めて高く、電力の平均74%を再生可能エネルギーで供給しています(2024-2025年時点)。
自然変動電源(VRE)の導入比率では、世界基準で言うと、デンマークと並んで世界最高水準なんです。
これ「すごい」ですよね。
南オーストラリア州は、環境意識の高い州としても有名です。
オーストラリアの各州の中で「最も早く」家庭用の太陽光発電に対しての買取制度と初期投資補助の政策を導入したので、各家庭における太陽光発電の導入コスト低下から、急速に広がり、2023年度末の発表では、日中の電力がすべて住宅用太陽光発電からの余剰電力で賄われる(すごい!)までになっています。
それが、今回の水素バスというつながるか?は、水素開発の裏側にあります。
そう、単なる環境意識の高さからだけではなく、むしろ、その必要性に迫られたという背景があります。
必要性に迫られた背景とは?
天候に左右され電力が不安定になるという課題です。
実際に、南オーストラリア州は石炭や天然ガスの資源が豊富にあり、2006年までの電力供給は石炭と天然ガスが全てを占めていたんです。
それが20年経たずに、自然変動電源の比率 75%の電力供給に至るまでに、テスラ社との共同開発による 世界最大の蓄電施設の建設など、様々な対策が施行されていますが、天候に左右されてしまう、、と言う大きな課題について完全解決には至っていません。
解決する鍵が「水素」として注目
というわけで「水素エネルギー」が注目されていると言うわけです。
余剰電力で水を電気分解し、「グリーン水素」としてエネルギーを貯蔵・輸送する。
つまり、国家規模のプロジェクトとして 南オーストラリア州全体が、再生可能エネルギーを社会に実装するための**「生きた巨大な実験室(Living Laboratory)」**となってると言っても良いかもしれません。そして、 その一例が 市民の目に見える形で進行している(国家戦略が絵に描いた餅ではなく)のが、水素バス(ハイドロゲンバス)の社会実装 なんですね。
私が今朝目撃したバスは、2023年後半からアデレードメトロの路線で試験運行されている車両です。
*試験運用といっても普通に乗客を乗せて走っています。言われなきゃわからないくらい。
大きな目線でいうと、将来の交通システムのスタンダードを占う重要な実証実験であり、都市インフラと新エネルギーがどう融合していくかを間近で学べる貴重な機会です。
同時進行で、南オーストラリア州のワイアラ市近郊に世界最大級のグリーン水素製造・発電施設を建設する「水素雇用計画(世界最大級のパワープラント)」を推進中です。
これは、クリーンな電力供給だけでなく、数千人規模の新たな雇用と未来の輸出産業を創出するための巨大プロジェクトなんですね。
ということは・・アデレードで 再生可能エレルギーや気候変動、環境を学ぶことは、この分野でのキャリアを考える上で、これほどダイナミックな現場は他にありません。
留学とは、未来を生き抜くための「視点」と「専門性」を身につける自己投資だと思うんです。
もし、このブログを読んだ方が「環境問題に関心」があり、それを自分の将来、ひいては日本の将来にどうつなげていくかを考えるなら、南オーストラリア州アデレードは、そのための理想的な環境かもしれませんよ!