学割の落とし穴

こんにちは!アデレード支店、Yumiです。

オーストラリアの公共交通機関には時々インスペクターと呼ばれるキセル乗車がないかチェックする人が乗ってきます。その際に、正しいチケットを持っていなかったり、学生証を所持していなかったり(コンセッション料金利用の場合)、交通ICカードを正しくタッチしていなかったりすると200~300ドルの罰金を支払うことになります。
先日、トラムに乗っていた時にもインスペクターが乗ってきたのですが、そこで「あー、それ私もやらかした…」と思った光景に出会いました。

オーストラリアの公共交通機関には学生や年金受給者などを対象とするコンセッション料金(Concession)と呼ばれる割引があります。学生の場合、大学やTAFEを含め対象となる学校は各州の公共交通機関が決めており、州外の学生は割引の対象になりません

オーストラリアでは常識なのでしょう。大学のオリエンテーションでも「州外でコンセッション料金が使えない」という説明はありませんでした。オーストラリアの公共交通機関の仕組みを考えると「そりゃそうだ」なのですが、当時はまったく頭にありませんでした。JRなど多くの公共交通機関が国内中繋がっている日本では県を跨ぐと学割は使えないなんてこと考えられませんよね(そもそも定期券以外は大人・子供の分類で学割はないけど)。
これで失敗したおっちょこちょいは私だけかと思っていたのですが、どうやらQLD州から遊びに来たらしい留学生がアデレートのトラムでコンセッション料金のチケットを買ってインスペクターに引っかかっていたので、もしかしたら私だけじゃないかも…と念の為みなさんにシェアしようと思いました。

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大学院生になって初めての旅行で訪れたパース。州が違うと学割が利かないなんてこと思いもしなかった私は堂々とコンセッション料金で電車に乗っていました。パースに到着して2日目。パース駅から電車に乗ろうとしたところ、改札でインスペクターに呼び止められ、笑顔でコンセッションチケットとサザンクロス大学(QLD州)の学生証を出した私。

「この学生証ではコンセッション料金は使えないよ。」

と言われ目が点…???インスペクターが詳しく説明してくれて状況を理解した私は青ざめます。罰金250ドル(くらいだった気がする)はイタイ…(T_T)

しかし、私は超ラッキーでした。そのインスペクターは超優しかったのです(ŏ﹏ŏ)インスペクターは2人組だったのですが、まずひとりが

「初めてパースに来たんだよね?明らかに留学生だし悪気はなさそうだから今回は見逃してあげるよ」

と言ってくれました。すると、もうひとりが

「でも、この子が降りる駅に別のインスペクターがいて罰金払うことになったらかわいそうだよ」

と気を配ってくれました。

結局、その場でもう一枚コンセッションチケットを買って、もし降りる駅にインスペクターがいたら自分たちとのやり取りを話すように言われました。しかも、万が一のときは「自分からも説明するから」と言って無線の番号まで教えてくれたのです。

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というわけで、超ラッキーにも私は事なきを得たのですが(もちろんそのあとは正規料金のチケットを買いました)、インスペクターによっては「知らなかったでは済まされない」と有無を言わさず罰金を切られることもあるらしいです。トライメスターの方はこれからブレイクに入り(セメスターの皆さんは1ヶ月後かな?)、他州への旅行を計画している学生さんもいると思います。コンセッションカードを使って通学しているみなさん、他州に行ったらコンセッション料金は使えないと覚えておきましょう。

ちなみに、長距離バスや観光ツアー、映画館のコンセッション料金は州を問わず使えるようですが、条件は各企業によって異なりますので、事前に確認してお得に利用してくださいね!

天ヶ瀬 有美 / Yumi Amagase

会計業務などを担当しています。

日本の大学で経済学部を卒業後、金融関係の会社での勤務を経て、2012年にワーキングホリデーで渡豪。「1年しかないなら、やりたいことは全部やる!」を目標に、大自然の中でのローカルの仕事などを経験。翌年、就職活動で英語力を証明するためのIELTSを学びに語学学校へ入学し、卒業時にIELTS6.5を取得。もっと学びたいと、サザンクロス大学会計学修士課程(Master of Professional Accounting)へ進学。2015年11月に同大学を卒業し、現職。

趣味は旅行、散歩、カフェ巡り。これまでに20カ国を訪問。オーストラリアでもたくさんの都市に出かけました。オーストラリアで出会ったコーヒーも大好きです。