1. 税率
- 日本: 1989年に3%で導入され、1997年に5%、2014年に8%と増税、2017年には10%に引き上げられる予定になっています。10%になるのと同時に生活必需品には軽減税率が導入され、複数の税率が混在する複雑な状況になりそうですね。
- オーストラリア: 2000年7月に導入されました。税率はいきなり10%です!2016年3月現在も10%です。そして、課税対象となるすべての商品が10%なのでわかりやすいです。
2. 値段の表示方法
- 日本: 2004年小売については税込み総額表示が義務付けられました。ただし、税抜き価格の方が目に止まりやすい10,000円(税込10,800円)という表示でもOKです。また、2013年10月から2017年3月までは税抜き表示が認められています。短期間に数回の増税が見込まれており、そのたびに値札を付け替えるのが大変だからだそうです。税抜き価格を見て買い物をしていると、レジで消費税がプラスされているので、「そんなに税金かかるのか!」と損した気分になってしまいますね。
- オーストラリア: 税金込みの総額表示をしなければならない決まりになっています。日本のように値札に「税金分は$◯◯です」というような表示もないので、買い物や外食の際にGSTを支払っているという感覚はあまりありません。最後にレシートを見ると、きちんと表示されていますが。
<計算方法>
値札の表示価格は「本体価格(α)+GST(α × 10%)」なので、GSTは表示価格を11で割ると計算できます。ちなみに本体価格は総表示額 × 10/11です。つまり、上記のレシートではGSTは($3.00 + $6.50) ÷ 11 = $0.86... 、本体価格は($3.00 + $6.50) × 10/11 = $8.64...です。
くらべてみた印象ですが、オーストラリアのGSTの方が、日本の消費税よりもシンプルでわかりやすい感じがします。
多くの人が共通の言語を母語として話し、共通の慣習があるため細かいルールづくりと理解が可能、また、自分がどうしたいかよりも相手がどう思うかを先に考えるため「できるだけみんなが納得いくようにしよう」と細かく調整する日本。一方、多民族国家で母語も慣習も違う人々が暮らし、細かいルールの説明と普及には気力と時間を要するオーストラリア。そんなバックグラウンドの違いが、同じ商品やサービスの消費にかかる税金である消費税とGSTの違いに現れている気がして面白いなぁと思うのは私だけでしょうか?