
でも、このフィッシュマーケットにもあまり知られていない長い歴史があります。
実は、フィッシュマーケットが現在の場所に移転してくるずっと前、100年ほど前のこの場所は、煙と騒音に満ちた「工場地帯」。木材工場や造船所が立ち並び、今のオシャレな海沿いのイメージとは正反対の場所だったのです。
フィッシュマーケットは、ブラックワトルベイ(Balckwattle Bay)という湾のそばにあり、これがヒントです。
オーストラリアの国花は「ワトル」という、明るい黄色いかわいいお花です。それなのに、なぜ湾の名前は正反対の「ブラック(黒)」なのでしょうか?

実は、名前の由来は花ではなく、その黒っぽい『樹皮』にありました。昔この辺りでは、動物の皮を丈夫な「レザー」に加工する産業が盛んで、その加工に不可欠だったのが、このブラックワトルの樹皮から取れる「タンニン」という成分。
地名は、かつてこの場所を支えた産業の名残だったのです。
新しいフィッシュマーケットプロジェクト

その重要なテーマは、サステナビリティ(持続可能性)。
昔、工場が汚水を流した場所で、今度は「雨水を再利用」する。
資源を燃やして煙を出した場所で、「太陽光でクリーンな電力」を生み出す。
市民が入れなかった工業地帯は、誰もが憩える「開かれた公園」へと変わる。
過去とは真逆で、自然の力を賢く借り、環境に優しいマーケットが誕生予定です。
フィッシュマーケットで見れるかも?

時折どこからともなく現れて、のっそりと歩く大きなペリカンの姿です。
すっかり人慣れしていて、あたりを闊歩しています。このどこかユーモラスな風景も、フィッシュマーケットが長年愛されてきた日常の一コマです。
新しいフィッシュマーケットは、今年2025年の後半から2026年初頭のオープンを目指し、着々と準備が進んでいます。
お天気の良い日に、ぜひフィッシュマーケットを楽しんでみてください。