オーストラリアで生活していると、この火災報知器絡みで外に出ることは、余り珍しいことではなく、建物によっては年に2-3回はこういうことが起きます。
自分は現在下層階に住んでいることもあり、犬を連れて行くかの判断も含め、ササッとベランダから上を覗き、それらしい煙などは見えないことを確認した上で外に移動しましたが、こういうときに思うのは「あー、鳴らしちゃった人。大変だな・・・」という点です。
ということで、今回は火災報知器について。
火災報知器は必ずついている
まず、オーストラリアの建物には、必ず火災報知器がついています。すべての部屋に取り付ける必要は無いようですが、現在の法律上、きちんと可動する火災報知器が住宅内に必ず一つは設置されている必要があります。これは、一戸建てやタウンハウス、マンション、ホテルなどに限らず、すべての建物が対象となりますから、オーストラリアで生活する=自分の住まいに火災報知器はついていると考えてください。
ちなみに、我が家にもこんなのがついています。この火災報知器は配線で繋がれたものか、有効期限が10年の電池(すぐ切れる電池は駄目!)で動いていることが条件になるため、家主が定期的にチェックをしにくるのが、基本です。我が家は乾電池タイプなのですが、3ヶ月に1回は交換しに来ます。
実は日本も火災報知器の設置が義務化されてるのですが、罰則がないため、まだ未設置の建物も多いようです。知りませんでした。
火災報知器は感度がまちまち
以前に、当社のメルボルンオフィスで火災報知器を鳴らしたことを記事にしましたが、オーストラリアの火災報知器は感度がマチマチです。「これ動いている?」と思うものもあれば、ちょっと餃子でも焼いたものなら、ビービー言い出すものまで様々。
以前に消防士の人に聞いたことがあるのですが、「火災報知器は規定の条件をクリアしたものしかつけられないから、感度はそんなに変わらないけど、建物によって風の流れが違うから、鳴りやすいものある」という説明でした。確かに本体の感度というよりも、「感度が高くなるような場所にあるかどうか」なのかもしれません。
ちなみに、自分もオーストラリアでは引っ越しを重ね、さまざまなタイプの家で生活してきましたが、どちらかといえばマンションタイプについている火災報知器は良く鳴ります。自分が住んでいる部屋が狭いということもあるかもしれませんが。。。。ただ、ある部屋が万が一火事になったときに、他の住人にも被害を被る可能性が高いため、多少鳴りやすいのは仕方ないと思っています。
火災報知器がなる理由
例えば、QLD州であれば年間で18,000件ほど、NSW州であれば48,000件ほどの火災報知器が鳴り、消防車が出動するそうです。ですが、その大半は火事ではないアラームだそうです。なんでこんなことになるかというと、火災報知器は一定の条件で必ず鳴り、その条件は下記に該当するためです。- Poor ventilation(換気ができてない)
- Burnt toast(トーストを焦がす)
- Cooking fumes(料理の煙)
- Steam(料理の蒸気)
- Aerosol sprays(消臭などを含めたスプレー)
- Cigarettes and candles(タバコやロウソク)
- Tradespeople and cleaners(部屋の修理やクリーナー事による誤報)
- Dust(ホコリ)
- Dirty smoke detectors(火災報知器が汚すぎる)
- Damage to ‘break glass alarms’ or ‘manual call points’(火災報知器内のアラームの損傷)
- System malfunction(システムの誤作動)
- Poorly maintained systems(システムのメンテが行き届いていない)
- Insufficient maintenance frequency in harsh environments,(システムのメンテが頻繁に行われていなし)
- Insect infestation.(虫の混入)
100歩譲って、「トーストを焦がす、料理の煙」は納得できますが、「虫の混入」とかだったら涙モノです。
また、上に該当するかわかりませんが、以前住んでいた建物で、酔っ払って消化器を撒き散らした住人がいましたが、もちろん火災報知器が豪快に鳴り響きました。この時はうっかり鍵を忘れ、インロックしてしまいロックスミスを呼ぶことになるのですが、ホントああいうお金も鳴らした人に払ってもらいたい!!
とにかく罰金が破格。
さて、火災報知器を鳴らしてしまった場合ですが、建物自体の火災報知器を鳴らしてしまうと、大変です。
これも州によって違いはありますが、例えばQLD州であれば、建物のアラームを鳴らし(部屋ではないです)消防車が来てしまった場合、まず1297.95ドルの罰金がかかります。ですが、これが全てではありません。消防車の利用代、消防士への支払い、などなど、消防車を1台呼ぶ=2,000ドル、2台なら3,500ドル程の罰金がかかると考えたほうが良いです。
また、部屋の契約の段階で、「アラームを鳴らした場合は2000ドルのペナルティ費を支払う」というように、消防車を呼ばなくとも、違約金が発生する場合などもありますから、この点は契約書の内容をキチンと確認しましょう。
火災報知器を鳴らしたあとの対処法
主に火災報知器を気にしないといけないのは、マンションタイプの場合です。マンションタイプの火災報知器は、「部屋内の火災報知器」と、廊下などについている「建物の火災報知器」がありますが、とにかく「建物の火災報知器」を鳴らさないことが重要です。こいつを鳴らすと消防車が来てしまうためです。
言い換えれば、部屋の火災報知器だけが鳴っている分には、まだ安心です。例えば、焼き物などをしたときに「部屋の火災報知機が」が鳴ったとしても、それほど焦る必要はありません。だらだらのんびりと10分近く鳴らしているのは問題ですが、やることをやっていれば止まります。
ですが、換気の為に、迂闊に入り口のドアなどを開けるのは特に危険です。一気に部屋の空気が廊下に流れ出し、メインの火災報知器が反応してしまうため、大惨事になります。
主な対処法としては、
1.ボタンがついているタイプ(写真のようなタイプ)は、テストボタンを押す。
2.火災報知器の近くで、掃除機を使って煙を吸い混む。または、うちわや扇風機などで煙を追い払う
3.キッチンの換気扇が弱の場合は、強でフル回転。
4.入り口ではなく、ベランダを開放して風を追い出す。
5.焦らない
この5点です。
我が家の場合、まず、火災報知器が鳴ってしまったら、テストボタンを押します。これをすると、数分間火災警報音が止まります。その間に換気(や熱をなくす)を行っておけば、自動的に監視状態に戻るのですが、このボタンを押し続ける長さは、火災報知器によりマチマチです。
あとは、ベランダを開けて、うちわ攻撃です(椅子を置いて背伸びしてうちわパタパタ)。その後は、基本換気扇は強で動かしているのでそこは確認せず、すぐに掃除機を引っ張り出します。そして掃除機で煙を吸い取りますが、とにかく火災報知器の周りに煙が無いことが重要なので、これでほとんどしのげています。
そして、5番は意外と重要で、火災報知器のピーピー音があまりにも大きいので、初めはびっくりしてしまいオロオロしてしまいますが、最近の火災報知器は、一度鳴ってしまうとい一定期間なるようなことが多いので、焦らずうちわOR掃除機で煙を取り続けることです。とにかく鳴り止むまでやり続けましょう。
ただ、ここまで書いておいて何ですが、本当に危険なときは、すぐに逃げましょうね!