オーストラリア英語の「訛り」

オーストラリアの英語は訛っていますか?
オーストラリア英語はクセがありますか?

留学相談を受けていると、オーストラリアの英語についての質問をよく受けます。なぜか、特に最近「オーストラリア訛り」について質問を受けることがあるので、私の考えをまとめたいと思います。

以前にも弊社スタッフが英語の「訛り」について書いていますので、「オーストラリアなまり」もご参照ください。

Words.
by Nina J. G.

結論としては、オーストラリア英語はクセがあります。

有名なところでは、「a」が「アイ」の発音になるので、「Good day」が「グッダイ」になる、「h」の発音が「ヘイチ」になる等があります。

では、「標準的な英語」とは一体何でしょうか?

日本でも、大阪弁、京都弁、博多弁、津軽弁・・・といったように、各地で様々な方言があります。

英語も同様です。

「オーストラリア英語」と一まとめに言われますが、オーストラリアは日本の21倍の国土面積を持っています。そして、オーストラリア国内でも、地域によって英語のクセは異なります。

アメリカも同様で、ニューヨークとロサンゼルスの英語では全く同じかと言えば、そうではありません。

ちなみに、現在英語を使う人は20億人程いると言われています。
そのうち英語を母国語としない人は、15億人程。

ネイティブより、ノンネイティブの英語利用者の人数がのほうが圧倒的に上回っています。

オーストラリアは現在4人に1人が海外生まれという移民国家です。

イタリア系の人もいれば、中国系の人もいる、インド系の人もいれば、フランス系の人もいる。
ニュージーランドやイギリス、アメリカといった、英語圏から来る人もいる。

そして、それぞれがクセのある英語を話しています。

この色々な英語が聞ける環境は、「英語を使って仕事をしたい!」「海外で活躍したい!」とお考えの方には絶対に役に立ちます。

私は、前職で海外取引の仕事をしていました。

カナダに本社がある会社と会議をすると、参加者はカナダ人だけではありませんでした。インド人、韓国人、中国人、ベルギー人、といった人たちもその会社で働いており、もちろん会議で使う言語は英語。皆さん、特徴のある英語でまくしたてるまくしたてる。

個人的には、インド系の人が話す巻き舌「r」発音には苦労しましたが、自分の英語発音も日本人英語でお互い様。何千万、何億のビジネスが左右される会議で、「英語の訛りが・・・」とは言っていられない状況です。

私が、オーストラリア留学をして心底よかった、と思ったことの一つに、色々な国の人の英語に対応ができるようになったことです。

会議室
by Sig.

アメリカの企業に入ったからと言って、アメリカ人とだけ仕事をするわけではありません。
オーストラリアの企業に入っても、同じで、色々なバックグランドの人が働いています。

そして、ノンネイティブの人たちと、英語で仕事をすることは、今後ますます増えてきます。

これからは、英語を身につけるだけではなく、どこの英語のクセだろうが、それに対応することができる英語力を身につけることが、大きな強みになってくるのではないでしょうか。

そういった面では、オーストラリアは留学の場所として、大きなチャンスに恵まれていると思います。

坂本 岳志 / Takeshi Sakamoto

オーストラリアのメルボルン在住。豪政府公認PIER教育カウンセラー(QEAC登録番号:H297)。日本の大学を卒業後、日常英語もままならないレベルから、メルボルン大学大学院進学を決意。卒業後は、日本の商社で海外取引に3年携わる。現職に就いたきっかけは、メルボルン大学と商社時代に感じた「危機感」でした。各国の優秀な人材が海外で経験を積み、どんどん活躍していく中、日本の縮小を実感し、何か自分が役に立つことができるのでは、という思いから留学業界へ転職。東京オフィス→パースオフィス→石川県でリモート勤務を経て、2021年2月よりメルボルンに戻り、主にオーストラリア全都市の大学・大学院進学希望者のカウンセリングとサポートを行っています。このカウンセラーに質問する