“冷やし中華的”English only policyは嫌だ。

このごろ立て続けに生徒さんからあることに対して質問を頂き、「あーそうだよなー」と思ったので。

英語学校では、生徒の英語力を伸ばすために日々試行錯誤を繰り返し、カリキュラムはもちろん校内ルールの取り決めもされています。その中の一つに「English Only Policy」という取り組みがあります。

english_only 文字通り、「学校内(敷地内)では英語のみ」という規則です。この規則の利点は、国籍バランスに左右されず、英語力の向上が見込める点です。もし、English Only Policyが導入されていない場合、たとえば、ブラジル人が多く集まる学校は、校内でポルトガル語が飛び交うわけです。あまり積極的ではない生徒さんは、英語を話すタイミングがグッと減ってしまいます。

もう一つの利点は「モチベーションの高い生徒さん集まりやすい」という点です。なんとなく英語を学ぶのではなく、「その様な厳しい環境でもいいので、しっかり英語を勉強したい」という生徒さんが集まりますから、周りの刺激を受けつつ勉強することになりますし、モチベーションが高い生徒さんが集まるという点も、利点の一つです。

そんな、English Only Policy制度ですが、ここ数年で、導入を検討する語学学校が急激に増えました。

実はコレが落とし穴なのですが、「English Only Policyを導入してます」といっても、学校により厳しさはマチマチです。

Performance English通常、English Only Policyを導入する以上、校内で英語以外の言葉を発すると、何らかの罰則があります。一日退学であったり、罰金(一定額貯まったら、ドネーションであったり、アクティビティの費用にまわす)であったり、それは学校により様々です。ただ、この「一言」を取り締まる仕組みは、学校により全く違います。

厳しい学校は、廊下や教室などはもちろん、トイレで話していたのを知った場合も、厳しく注意します。学校スタッフも図書館や自習室、キャンティーンなどを見回りつつ、English only Policyの環境維持のため努力を怠りません。緊急時であっても、原則認められません。ダメです。学校外にでてから、電話をしてくださいという厳しさです。

しかし、「English Only Policyやっておけば、生徒さんがくるんじゃないか。。」と考えて、突然English Only Policyをはじめましたと言い出す、学校もあります。まさに、"冷やし中華始めました"的、English Only Policyです(夏が来たって意味ではないです)。

この場合学校によっては「原則英語だけど、緊急時はしかたないよねー」とか「休み時間の受付は、仕方ないよねー」とか、自分達が見ても、「だったらEnglish only policy」って言わないほうがいいんじゃないの?と思うことがあります。

個人的主観も入っていますが、厳しさを書いてみました。

レベル厳しさ
Level5
もっとも厳しいレベル。

校内はもちろん、緊急時も英語以外の言語を使うことは認めらず、違反者への罰則もあり。校内のランチ時間含め、スタッフと先生が協力しあって見回りもするので、校内で英語以外の言葉を聞くことは、まず無いです。Level4よりモチベーションが高い生徒があつまるので、生徒同士だけでランチや学校外に出た時も英語で話すことも。個人的には、English only policyを謳う以上、このレベルがやはり"EOPの基準"になってほしいと思っています。
Level4
すこし厳しいレベル。

校内はもちろん、緊急時も英語以外の言語を使うことは認められません。罰則もあり。が、Level5との違いは、徹底度の違い。休み時間までに目を配っていないため、たまにランチ時や、おトイレなどでも母国語を聞くことがある。あとは、学校の先生やスタッフがどれだけ目を配れるかが、Level5までの違いです
Level3普通レベル。はい、普通です。壁にEnglish only policyは貼られているし、校内や学校敷地内は原則ダメ。が、罰則も無いことがあり、あくまで生徒の意思。定期的に見回りはしているものの、先生の目が無ければ母国語を話してしまう生徒さんがいる。
Level2甘いレベル。English only Policyを謳っているものの、学校スタッフもよく理解していないこともあり、見つけた時の先生の対応が周知されていないため、アタフタしてうまく機能していない。授業中に母国が出てしまっても、ちょっと注意するだけで終わってしまうレベル。このレベルだとモチベーションが高い生徒さんは集まりにくいです。
Level1もっとも甘いレベル。壁には「English only Policy」の張り紙が貼られていますが、生徒が廊下でちょっと話していても、先生は見て見ぬふりのレベル。生徒さんと話をしても「え?うち、English only Policyなんですか??」という返事が来るレベルです。だったら、English only Policyとか言わなければいいのにと思う、まさに残念なレベルと言えます。

Level2,Level1はまさに冷やし中華始めました的な、気軽にスタートしてレベルです。そこから、Level3,Level4と上がっていくわけですが、途中で挫折してしまう学校もあれば、一丸となってLevel5で運営する学校もあります。

では、「どこがLevel5の学校なの?」となると、どーんと書くことが出来ないので、是非お問い合わせください。English only policyといっても、学校により厳しさが違いますから、是非学校選びの参考にしてください!

林 真生 / Hayashi Masuyo

オーストラリア、ブリスベン在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I008)。日本では販売業、IT関連業に携わり、海外といえば旅行でヨーロッパやアメリカを訪れる程度。そんな中、友人のススメもあり、2002年ワーキングホリデーでゴールドコーストへ。右も左もわからない中、留学代理店(現職)のWEBサイト制作をする機会に恵まれ、1年間夢中で専門知識を身につける。その後、勤務先のサポートを得て2006年に永住権を取得。2年後、新オフィス開設に伴いメルボルンに転勤、約7年間をメルボルンで過ごす。しかし、QLD州の暖かさが忘れられず(?)、 2015年7月にQLD州に戻り、現在ブリスベンオフィスの留学カウンセラーとして、全力で留学生のサポートを行っています。このカウンセラーに質問する