全てはここから始まった、ブリスベンロックダウン
3月末にいきなり発表された、ブリスベンでのスナップ・ロックダウン。(=数日間の短いロックダウンのこと)ロックダウンと聞くとコロナ感染がものすごく広がっているイメージがあるかも知れませんが、オーストラリアでは市中感染(病院/自国隔離施設以外の場所での感染)が数件でも発生した場合はすぐにその地域をロックダウンし、感染源の特定と拡大を防ぎます。
この時に行われるのがContact Tracing(コンタクト・トレーシング)と呼ばれる陽性者の接触者を追跡するというものなのですが、オーストラリアはこれを物凄く徹底!!濃厚接触者は陽性・陰性に関わらず隔離はもちろんのこと、感染者が立ち寄った場所を全てリスト化し、リストにある場所に立ち寄った人は、陽性者との接触の有無・症状の有無に関わらずすぐにテストを受け、自己隔離する必要があるのです。
エリアのリストは2種類あります。
Close Contact:陽性者との接触の可能性が高いエリアとなり、ここに陽性者と同じ時間にいた方はすぐにコロナ検査を受け、陽性・陰性に関わらず14日間の隔離をしなければなりません。陽性者と実際に会話をしていなくても、です。
Casual Contacts:陽性者やその濃厚接触者が短時間でも立ち寄った場所となり、この場所に同じ時間にいた方はすぐにコロナ検査を受け、陰性結果が出るまでは自己隔離となります。
先日のロックダウンにおけるエリアのリストはこちらからご覧いただけます。数がとっても多いですよね・・・!数分立ち寄った場所でも絶対リストに載るので、膨大な量になります。(下記の写真はほんの一部ですよ〜)
ゴールドコーストは関係ないと思っていたけど・・・
さて、今回のロックダウンは私が住んでいる隣町・ゴールドコーストは対象外です。ゴールドコーストは半年以上コロナフリーだったので通常通りのびのびと生活をしていたわけですが、このContact Tracingが進む中で、なんと、新規陽性者の2名がゴールドコースト住民だったことが判明。感染をしたのはゴールドコースト市外だったためロックダウンにはなりませんでしたが、Contact Tracingのリストに一気にゴールドコーストのロケーションが増えました。その中に、私が日曜日にお買い物に行ったSouthport Park Shopping Centreの名前が・・・”このショッピングセンターのWoolworths(ウールワース)というスーパーに午後3時14分から35分の間に居た人は、Casual Contact”
まさに時間も丸かぶりなのですが、私が居たのはウールワースではなく、同じショッピングセンターの反対側にあるColes(コールス)!!!これはアウト?いえ、セーフです。そのため検査には行かなかったのですが、翌日またしてもリストがアップデートされ・・・
”このショッピングセンターに午後3時〜4時に居た人は、Casual Contact”
Oh no....範囲広がってる・・・
ということでCasual Contactの対象者になってしまったため、強制コロナ検査&陰性結果が出るまで自己隔離となってしまいました。
コロナ検査へGO
その日は既に自宅勤務をしていたので家から一歩も出ずにお仕事を終え、すぐ検査へ。検査所はゴールドコースト各地にありドライブスルーもあるのですが、私が行った時には閉まっていたため、グリフィス大学に隣接するゴールドコースト大学病院(Gold Coast University Hospital)・ゴールドコーストで一番大きな公立病院へ行きました。メインの駐車場から、わかりやすくサインが出ていました。
マスクは必ず着用です。
遅い時間だったためそこまで混んでおらず。Social Distanceで距離を取って並びます。雨だったので、並ぶ場所にもテントが張られており助かりました〜!
ここからは撮影が出来なかったので文章での説明になります。まずは検査所に入る前の受付で、名前や生年月日・症状の有無・過去の病歴などの質問を受け、また下記の書類を渡されます。
左がIsolation Requirement(自己隔離のルール)、右がDischarge Information(結果が出た後について)。
その後検査所の中へ入り、保険の詳細を聞かれます。私はオーストラリアの国民健康保険Medicareを持っているため、その情報を伝えデータベースとマッチング。その際に出身国・そして宗教的な理由で受けられない検査はあるか?も聞かれました。(多民族国家のオーストラリアならでは・・・!)
保険の照会が終わると検査所内の待合所で案内。ここも椅子がかなり距離を取って置かれているので安心。
カルテが作成された後に看護師がやってきて、さらに詳しくヒアリングを受けます。何時にどこに行ったか、症状は出ているかなど・・・。
ちなみに、一緒に検査に行った夫はショッピングセンターには行っていないので本来であればテストは不要なのですが、かなりの咳が出ていたため、念の為検査へ行きました。いつから症状が出ているか等細かく質問を受け、血圧も測られていました。(そして、今は喉風邪流行ってるから多分大丈夫だと思うよ〜とも)
それが終わったらまた別部屋に移動し、テスト開始。
先が細長〜い綿棒のようなもので、喉→右鼻→左鼻の順にぐりぐり。と言ってもかなり細いですし、時間もそこまで長くはない(体感では10秒ずつくらい)ので、痛みなどは全く感じませんでした。
検査が終わったらこちらのレターが渡され、終了です。
内容としては、「この人はコロナの検査を受けたので、陰性反応が出るまで自己隔離が必要で、仕事や学校に行くことができません。検査結果は72時間ほどで出ますのでご理解ください」という、職場などに提出する証明書です。特にリクエストした訳ではないのですが、自動的に発行されました!
私の場合は翌日からイースターという連休だったため、仕事で外に出る心配はナシ。またここには72時間と書かれていますが、実際には24時間くらいで結果が出ますよ〜と言われていました。
コロナ検査の結果ですが、陰性の場合はテキスト(携帯番号にメッセージ)が届き、陽性の場合は電話が来るので知らない番号や非通知からでも必ず出てくださいと言われました。ドキドキしながら待っていいると、翌日の夕方に携帯が・・・
無事、陰性でした〜!!(うちの夫も陰性でした)
検査は非常にスムーズに受けることができ、スタッフも親切・人も多く、しっかり管理されているなぁという印象でした。また場所を移動するたびにアルコール消毒をするなど、衛生面の対策もバッチリでした!
クラスターは収束・いつもの日常へ
陽性者と濃厚接触者の即隔離・スナップロックダウン・徹底したContact Tracingと検査により、当初発生した市中感染がさらに広がることはなく、今回のクラスターは無事に抑え込むことに成功しました。(新たに発生している陽性者は全員濃厚接触者で、すでに病院に隔離されている状態)4月15日までマスク着用義務令が出ていますが、それが解除されれば通常通りの生活に戻ります。
3月末にブリスベン市内で市中感染が出てから、クイーンズランド州では多くのコロナ検査が実施されました。下記、10日間の検査数推移。政府からClose Contact/Casual contactの場所が発表される毎に、どんどん検査数が増えていっています。
3月26日:7,584件
3月27日:6,881件
3月28日:11,348件
3月29日:11,626件 ※ロックダウン開始
3月30日:14,589件
3月31日:33,408件
4月1日:34,711件 ※ロックダウン解除
4月2日:35,357件
4月3日:25,837件
4月4日:14,011件
市中感染の新規感染者数は大体1日で1〜2名・多くても4名ほどだったため、陽性者数に対するこの検査数は非常に多いと言えます。(日本のデータを見てみると、4月12日付けで新規陽性者数が2,762件に対して、検査検査数が全国で24,314件)
コロナの検査を受けたと日本の家族に伝えたところ、「大丈夫なの?!」と物凄く心配されました。日本では、よほどの症状や濃厚接触者でない限り検査を受けさせてはもらえない状況のようですね。
オーストラリアでは「症状がなくても少しでも可能性がある場合は検査」「症状がある場合は風邪でもなんでもいいからとりあえず検査」が原則です。今回の私のケースも陽性者・もしくは濃厚接触者と同じ時間に同じショッピングセンターにいた可能性というだけなので感染の確率は低いはずですが、それでも検査対象なのです。もちろんこれはオーストラリアの陽性者の数が少なく、医療現場にたくさん検査をするキャパシティがあるからこそ、できることだと思うのですが。
また徹底したContact Tracingも、市中感染がゼロであることがスタンダードのオーストラリアだからこそ実施できることですね。
新型コロナウイルスに対しては各国で様々な対策が取られてますが、オーストラリアにおいては「オーストラリア国内の人を守る」という点においては最も成功している国の1つではないかと思います。そのお陰で国内にいる人々は安心して毎日を過ごすことが出来ています(先日インスタに投稿した、ゴールドコースト支店近くの海辺の様子。平和だ・・・!)
ただ、この安全を確保するために1年以上も国境を封鎖しており、そのために多くの留学生が入国をできず悲しい思いをしているのも事実。
今後オーストラリア・そして日本でもワクチンの接種が進んで、自由に海外と日本を行き来できる日が訪れますように・・・!
※ちなみに、こちらのコロナ検査はオーストラリアから日本へ帰国する前に必要な"渡航前コロナ陰性証明書"とは別のものとなります。帰国前の検査は日本政府の指定機関で、政府が決めたフォーマットに記入がなければ有効になりません。詳しくはコチラから