州立校の選び方(キャッチメント)

生徒さん「林さん、どうやって州立校とか選ぶんですか」と質問を頂いたので、今回は選び方含め、州立校選びでは避けて通れない、キャッチメントについて。

キャッチメントを知る


オーストラリアの州立校に入学する場合、学校が指定している学区に住んでいる子供から優先的に入学することができます。これをCatchment(キャッチメント)と呼びます。

指定学区はこちらの州政府サイトからチェックすることができ、各学年によって、指定学区の範囲が変わります。

http://www.qgso.qld.gov.au/maps/edmap/

赤色で記載されている学校はEMP(Enrolment Management Plan)校となり、定員枠が制限されている学区です。そのため、指定学区内に住んでいる子供から優先して入学を受け付けています。

青色は学校選択制で、特に制限はありません。学区内外に関わらず、どこに住んでも出願できます。

また、EMPの場合。指定学区に住んでいない場合でも、ウエイティングリストに名前を乗せてもらい(出願料金220ドルほど)、入学枠があれば入学を受け入れてもらえる場合もあります。

ですが、あくまでウェイティングリストの状態なので、入学できないリスクもあるわけです。この方法を取る場合は、出願時には入学を保障してもらえないので、他の学校と併願することをおすすめします。

このキャッチメントのポイントは、「出願時の住所が学区内かどうか」という点で、一度入学してしまえば、引っ越してもよいという点でしょうか。

人気校ともなると、確実に入学枠を確保するために指定学区内に引っ越して入学手続きを終えて、入学後1年くらいしたら学区外に引っ越しをする家族もあるくらいです。

もちろん、人気校の周辺は家賃が高いというのも、引っ越しを考える一つの理由です。

州立校選びのポイント

原則、Prepを含め、「州立校」の場合、入学時の試験はありません。ただ、一部の人気校などは出願者数が集中するため、入学試験やインタビューがある学校もあります。

たとえば、ブリスベン州立高校(Brisbane State Highschool)などは、そんな学校の一つですが、そのような特別な人気校を除けば、やはり上記のキャッチメントを理解しておけばなんとかなります。

また、これから渡航を考えているご家庭を含め、現地の学校を選ぶ場合ですが、下記のサイトからオーストラリアの学校ランキングをチェックすることができます。州や州立・私立など過去の成績データをもとにランク付けされていて、なかなか便利です。

https://bettereducation.com.au/SchoolRanking.aspx

ブリスベンの州立小学校は下記よりチェックできます。

https://bettereducation.com.au/school/Primary/qld/qld_top_primary_schools.aspx

PrepからYear12までが同じ地区にある学校。英語以外の言語で(日本語やフランス語など)でオーストラリアの一般教科が受けられるエマージョン教育(Immersion Education)を行っている学校などは人気が高いです。

最終的に日本の学校に行く(戻る)ことも予定されている方などは日本語のエマージョン教育を取り入れているウェラーズ・ヒル州立小学校(Wellers Hill State School)を選ぶのもいいと思います。

最近、学校の近くにもGenki Mart(日本食材店)ができたので、食材を入手するのも楽になりましたし、何より日本が好きだからこそ、日本語教育に力を入れている学校に入学させるので、「日本LOVE」なご家庭が多いです。

また、中・高校ともなると、進学者の成績データ(OPやIBDスコア)が高い学校や大学に近い学校なども気にすることになります。

入学手続きの注意点


なお、学生ビザの留学生枠(International Student)で入学をする場合、入学手続きは各州の教育省で手続きを行います。仮にクイーンズランド州であれば、Education Queensland International(EQI) を通して行います。

この教育省の役割は大きく、たとえば州立校に直接コンタクトを取り、「入学枠に空きがあるから入学はできるよ」と言われても、実は意味がありません。教育省がNoといえばNoです。入学できません。その為教育省での出願ならびに、入学手続きを進めない限り、最終的な入学は認められませんから、出願前はもちろん、出願後は各州の教育省にこまめに連絡を取ることをオススメしています。

また、ブリスベン地区の高校入学を視野に入れている場合は、ブラウンズ・イングリッシュ・ランゲージスクール経由で、高校進学英語コースと高校の出願が可能です。

とここまで書きましたが、ぶっちゃけるとやはり入れてみないとわからないことが多く、「まずは学校をスタートして、合わなければ引っ越せばいいや」と言う考えで良いと思います。ということで、「キャッチメントに気をつけつつ、小中校の州立校に関する手続きは教育省へ!」でお願いします。

林 真生 / Hayashi Masuyo

オーストラリア、ブリスベン在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I008)。日本では販売業、IT関連業に携わり、海外といえば旅行でヨーロッパやアメリカを訪れる程度。そんな中、友人のススメもあり、2002年ワーキングホリデーでゴールドコーストへ。右も左もわからない中、留学代理店(現職)のWEBサイト制作をする機会に恵まれ、1年間夢中で専門知識を身につける。その後、勤務先のサポートを得て2006年に永住権を取得。2年後、新オフィス開設に伴いメルボルンに転勤、約7年間をメルボルンで過ごす。しかし、QLD州の暖かさが忘れられず(?)、 2015年7月にQLD州に戻り、現在ブリスベンオフィスの留学カウンセラーとして、全力で留学生のサポートを行っています。このカウンセラーに質問する