年末+ロックダウン+今のブリスベン

新型コロナウイルスに振り回された2020年。このままブリスベンには2021年が来ないんじゃないかとか思いましたが、きちんと来てくれました。いやー良かったです。心配して損した。

今回は、年末から本日までのブリスベンの様子をお伝えしたいと思います。

我が家の年末


毎年年末の行事といえば、キャンプなど郊外に足を運んでいた我が家ですが、今年はうっかり州を跨ぎでもしたら大変なことになりそうだったので、まったりとした年末を過ごしていました。

年末に遠出をしたのは一日だけで、ゴールドコーストに行ったくらいでした。その他はカフェでコーヒーを楽しみつつ、ブリスベンの近代美術館でTシャツの絵を描き、だらけたカンガルーに餌を与え、たまに市内をぶらぶらと過ごしました。

なんだか長期の休みになると、無理にでも「なにかしないともったいない」と考えがちですが、こういう「何もしない贅沢」はオーストラリアの魅力でもあるので、これはこれで良かったかなと思います。

1月8日に突然のロックダウン


と、今年もブリスベンは平和かと思っていたら、新年早々まさかのロックダウン。

ここブリスベンは新規感染者はもちろん、市中感染も起きていなかったので、どこかでとんでもないクラスターが起きたのかと思ったら、どうやら、ブリスベン市内のCOVID-19隔離用ホテルで勤務していた清掃員が、英国由来のCOVID-19変異種感染してしまったようです。

つまりは、この変異種感染者が市中感染を引き起こしてしまった”かもしれない”。と言う理由で、ブリスベン市内とその周辺のエリアを封鎖したことになります。

すごいですよね。この徹底ぶりは感心しますが。出勤前によった朝のスタバでは「え?1人?1人でロックダウン?」的な事もちらほら聞こえてました。

そしてもう一つ驚いたのはそのスピード感。1月8日に感染者が出たことが発表されましたが、ロックダウンが開始されたのが同日の午後18:00から3日間。同日ってすごいです。

ちなみに1月8日の17:00(ロックダウン1時間前)の段階で、街の中心地はこんな様子でした。

ちょっと話が脱線しますが、オーストラリアは各”州”が持つ責任の範囲がとても広いです。オーストラリアの連邦政府(中央)と州政府(地方)の関係は、日本に無理やり当てはめると、国と都道府県のような上下関係と思いがちですが、実際は全く違います。実際は、連符政府と州はほぼ横並びの力関係です。

たとえば、オーストラリアでの州の役割は教育、警察、保健医療、交通、農林水産業、道路、地方政府の監督等ですが、これに対して連邦州は基本口出しできません。また、連邦憲法に抵触しない限り州法も各州の規則で効力を持つことになります。

つまり、基本的には各州にある程度の独立性保たれており、オーストラリアの各州毎に憲法があります。

ですから、昨年で言えば、オーストラリア連邦のトップ(スコット・モリソン首相)が、クイーンズランド州の州境開放をお願いしても、クイーンズランド州の安全を確保するため、クイーンズランド州の首相(アナスタシア・パラシェ州首相)が断ったなんてことが起きます。

そのため、この時は、同じオーストラリア国内であっても、クイーンズランド州の州境がオープンにならないので、シドニー(ニューサウスウェールズ州)から、ブリスベン(クイーンズランド州)に移動できないみたいなことが普通におきるわけです。

オーストラリアで生活していると気がつくことではありますが、地方分権という点では、日本よりも進んでいるなーと思います。

ちなみにこの3日間で感染経路をすべて確認することができたため、現在は当初の予定通りロックダウンは解除されました。

ロックダウン慣れしていないブリスベンっ子


ただ、ここ数ヶ月の間、市中感染などが一切報告されていなかったクイーンズランド州。たった3日間でも「ロックダウン!!」ということで、焦ってスーパーに駆け込む人が続出します。

我が家も卵とブロッコリー、カリフラワーをもとめ、最寄りのウールワースに足を運んだのですが、前回と同じく肉、卵、野菜、トイレットペーパーは壊滅状態、まったく買うことができませんでした。
ちなみに、そんな焦りも一日のみ。次の日はこんな感じで、どのスーパーも普通の品揃えに戻りました。

現在のブリスベンの様子


また、現在のブリスベンの街の様子ですが、ロックダウンは解除されたものの、1月22日までは、引き続きできる限りの対策が必要です。たとえば、公共交通機関ではマスク着用が必須となり、バスの利用者も基本1席ずつ。

市内は、朝9:00頃ということもあり、人はまばらですが、感覚的には、いつもより若干人が少ない感じで、外でもマスクを付ける人が一気に増えたという点。
ちなみに、ソーシャルディスタンスを守れる状況であれば、市内を移動する上で、マスク着用は必須ではありません。

でもそうは言われても、状況によって、いちいちマスクを取ったりつけたりするのも面倒なので、外出時はマスクを付けることが多くなります。

アップルストアは、こんな感じで、入店の際はマスクは必須。もしもっていない場合は無料でくれます。以前は会社帰りに、ちょっと気になる製品を見に、アップルストアによることもありましたが、今は入店するまでに時間がかかることが多いので、相当急ぎの用事がない限り、アップルストアによることはありません。
またこの数週間で陽が落ちるのが長くなり、今は19:00でもこの明るさです。

あとは入国規制が解除されるのを待つばかり

と、この記事を書いている今も、オーストラリアの国境は再開していませんが、ここブリスベンは平和です。特に大きな規制もなく、野外の運動も気軽にでき、ピクニックはもちろん、外食も気兼ねなく出来るのは本当にありがたいです。

オーストラリアと日本の自由な往来ができるようになるのは、まだすこし先になりそうですが、まずは、オーストラリア政府から国境再開に関する発表が行われることを期待し、引き続き、ブリスベン生活を楽しみたいと思います。

ということで、オーストラリア政府の皆さん、今月中には是非発表をお願いします!

林 真生 / Hayashi Masuyo

オーストラリア、ブリスベン在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I008)。日本では販売業、IT関連業に携わり、海外といえば旅行でヨーロッパやアメリカを訪れる程度。そんな中、友人のススメもあり、2002年ワーキングホリデーでゴールドコーストへ。右も左もわからない中、留学代理店(現職)のWEBサイト制作をする機会に恵まれ、1年間夢中で専門知識を身につける。その後、勤務先のサポートを得て2006年に永住権を取得。2年後、新オフィス開設に伴いメルボルンに転勤、約7年間をメルボルンで過ごす。しかし、QLD州の暖かさが忘れられず(?)、 2015年7月にQLD州に戻り、現在ブリスベンオフィスの留学カウンセラーとして、全力で留学生のサポートを行っています。このカウンセラーに質問する