【源泉徴収のルール】2つ以上の仕事を掛け持ちする場合

ワーキングホリデーの皆さんには労働時間の制限はありません。「シフトの都合上余裕がある」「後半のラウンドに向けてできるだけ稼いでおきたい」などの理由で2つ以上の仕事を掛け持ちすることもあるかと思います。また、学生ビザの皆さんも、長期休暇中の労働時間制限はなく、2つ以上の仕事を掛け持ちする機会があるかもしれません。

そんなとき、知っておきたいのがTax File Number Declarationと源泉徴収のルールです。
  • Tax File Number Declaration新たに雇用される度に所得税に関する情報を申告する税務関係書類。
  • 源泉徴収雇用主が給与支払の際に所得税を差し引き、国に納税すること。
2017年1月1日ワーキングホリデー所得税率の施行に伴いTax File Number Declarationと源泉徴収のルールも変更になりました。

ワーキングホリデーの皆さん

Tax File Number Declaration
  • #7 ⇒ No(税法上の居住者ではない)
  • #8 ⇒ No(Free Tax Thresholdはない)
*雇用主にワーキングホリデービザ保有者である旨必ず伝えましょう。

源泉徴収のルール

同時に複数の仕事を掛け持ちしても、それぞれ源泉徴収される所得税は所得税率表(ワーキングホリデー用)どおりです。ただし、タックスリターン時には合計所得金額で再計算されます。なお、ワーキングホリデー雇用のための登録をしていない雇用主の元で働く場合には所得税率表(非居住者用)の税率で源泉徴収されます。

学生ビザの皆さん

まずは、コチラから自分が税法上の居住者か非居住者か確認しましょう。

① 税法上の非居住者の場合

Tax File Number Declaration
  • #7 ⇒ No(税法上の居住者ではない)
  • #8 ⇒ No(Free Tax Thresholdはない)
源泉徴収のルール

同時に複数の仕事を掛け持ちしても、それぞれ源泉徴収される所得税は所得税率表(非居住者用)どおりです。 ただし、タックスリターン時には合計所得金額で再計算されます。

② 税法上の居住者の場合

Tax File Number Declaration
  • #7 ⇒ Yes(税法上の居住者ではある)
  • #8 ⇒ 主たる仕事:Yes(Free Tax Thresholdあり)/ それ以外の仕事:No(Free Tax Thresholdなし)になります。
*主たる仕事に変更があった場合はWhithholding Decralation(#8を変更する旨の書類)を雇用主に提出する必要があります。

源泉徴収のルール

税法上の居住者が2つ以上の仕事を掛け持ちする場合、源泉徴収額は主たる仕事とそれ以外の仕事で異なり、「それ以外の仕事」は源泉徴収額が大きくなります。ただし、これは源泉徴収のルールです。実際には、タックスリターン時に合計所得額をに対して所得税率表(居住者用)の税率に調整されます。

例えば、1つの仕事で年間$10,000を稼いだAさんと、2つの仕事を掛け持ちしそれぞれ$7,000と$3,000を稼いだBさん。Bさんの方が源泉徴収額は大きくなりますが、タックスリターン後の最終的な所得税は同じになります。

<参考:所得税率表 FY 2016/2017>

*このブログの情報は2017年2月1日現在のものです。

 

天ヶ瀬 有美 / Yumi Amagase

会計業務などを担当しています。

日本の大学で経済学部を卒業後、金融関係の会社での勤務を経て、2012年にワーキングホリデーで渡豪。「1年しかないなら、やりたいことは全部やる!」を目標に、大自然の中でのローカルの仕事などを経験。翌年、就職活動で英語力を証明するためのIELTSを学びに語学学校へ入学し、卒業時にIELTS6.5を取得。もっと学びたいと、サザンクロス大学会計学修士課程(Master of Professional Accounting)へ進学。2015年11月に同大学を卒業し、現職。

趣味は旅行、散歩、カフェ巡り。これまでに23カ国を訪問。オーストラリアでもたくさんの都市に出かけました。オーストラリアで出会ったコーヒーも大好きです。