会計学を学ぶならオーストラリア!

世界経済の中心、アメリカ合衆国(以下、米国)。どの世界大学ランキングでもトップ10に多くの大学が名を連ねる米国。でも、国際的な基準って実は米国のものではないものがたくさんある気がします。

 

例えば「単位」。9月末から2週間ほどお休みをいただいて米国へ行っていたのですが、単位の違いにアタフタ(+д+)

成田空港で11kgほどだったスーツケースをニューヨークの空港で預けようとすると「24」という表示。「重量オーバー!?いや、そんなはずないっ!」と一瞬焦りましたが、米国の重さの単位はポンド。弟の車でホテルへ向かう道中、速度制限の表示が「60」となっていたので、「こんな広くて真っ直ぐな道なのに制限速度60kmなの?」と聞くと、「あぁ、マイル表示だから時速100km弱くらいだょ」。つまり、距離の単位はマイル。さらに面倒だったのが、コイン。コインに数字は書かれておらず、ペニーって何(~_~)?ニッケルって何(~_~;)?ダイムって何(~_~メ)?クォーター…は25セントか(*´∀`*)…と慣れない単位に四苦八苦。

でも、これって国際基準ではないんです。グーグル先生に尋ねてみると、国際基準(SI基準)は私たちが普段使っているグラム法やメートル法。(*補足:コインは日本では国際基準のアラビア数字が書かれていますが、5円玉だけはなぜか漢数字のみで、外国人にとってはわかりづらいらしいです。オーストラリアはすべてアラビア数字が書かれています。親切❤)
By User:DePiep CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

そして実は、会計学においても世界のスタンダードは米国のものではないんです。

会計の世界では国際会計基準(IAS: International Accounting Standard)が定められており、細かい規則は設定せず、「この原則に合致している旨説明できなければアウト」という「原則主義」というのが主流になっています。財務諸表についても国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)が定められており、ヨーロッパを中心にアジア・オセアニアなどでも多くの国がこれに則した会計処理を行っています。一方で、米国では「細則主義」である米国会計基準(GAAP:Generally Accepted Acconting Principals) に基いて会計処理がなされます。実は、現在米国流の「細則主義」を採用している国は少ないのです。日本は長年の米国経済との関係から米国基準の「細則主義」を会計法や規則のベースとしていますが、昨年の大手家電メーカーの粉飾決算事件にもみられるように「細則主義」には抜け道が多いこと、グローバル化により海外子会社との連結決算などにおいて不便が生じることなどから、2016年3月期決算より世界基準である国際財務報告基準(IFRS:International Financial Reporting Standards)による会計処理ができるようになりました。

 

大学院で「Contemporary Issues in Accounting Theory(会計理論と現状における問題)」を学ぶまで、すべてにおいて国際基準は世界経済の中心米国のものが採用されていると勝手に(?)思っていました。大学院を卒業して1年。私がオーストラリアで会計学を学ぶことになったのはある意味偶然が積み重なってのことですが、改めて国際会計基準を採用しているオーストラリアで会計学を学んだことは世界や日本の流れからも正解だったと思ったのでした。

 


今回、観光したのはニューヨークだけですが、オシャレでキラキラしていて、一方でどこか影もある「人」を感じられる魅力的な都市でした。日常会話を英語で不自由なくできるようになったことで、今までの旅では見えなかったものが見えるようになった気がします。

天ヶ瀬 有美 / Yumi Amagase

会計業務などを担当しています。

日本の大学で経済学部を卒業後、金融関係の会社での勤務を経て、2012年にワーキングホリデーで渡豪。「1年しかないなら、やりたいことは全部やる!」を目標に、大自然の中でのローカルの仕事などを経験。翌年、就職活動で英語力を証明するためのIELTSを学びに語学学校へ入学し、卒業時にIELTS6.5を取得。もっと学びたいと、サザンクロス大学会計学修士課程(Master of Professional Accounting)へ進学。2015年11月に同大学を卒業し、現職。

趣味は旅行、散歩、カフェ巡り。これまでに20カ国を訪問。オーストラリアでもたくさんの都市に出かけました。オーストラリアで出会ったコーヒーも大好きです。