失ってからわかる、大切なモノ

オーストラリアで生活をしていると、引っ越しが多くなります。

不動産との契約の段階で、長く生活するつもりと伝えていても、オーナーさんが家を売りに出し、泣く泣く家を出ないといけないことも珍しくありません。

留学生であれば、スーツケースとバックパック&ダンボールなどで収まることが殆どですが、長く生活しているとそうもいかず、我が家であれば冷蔵庫やら洗濯機、ソファーからベッドまで、まさに日本の一般家庭の引越と全く同じ要領で、トラックを呼び、引っ越しの手続きが必要となります。

約8年前に、我が家はゴールドコーストからメルボルンに引っ越してきましたが、この時はまだ未熟でした。この時依頼した引っ越し会社のスタッフは、ダラダラ働く、全くイケていない二人組。家具を移動すれば壁に傷をつけるし、テレビの持ち運びも雑だし、オーストラリアってこんなものなのかなと思い、諦めてました。

さらに「引越し業者に頼んでいるんだから、安全」とたかをくくり、ダンボールをすべて預けたのですが、最終的に肝心な「ある箱」が届きません。ここまで文書を書いていても、あの時のことを思い出して、キーボードの叩き方が強くなってしまいますが、結局その荷物は見つからず、会社側の保証もなし。泣き寝入り→自分にとって思い出ぎっしりの荷物が紛失してしまいました。

さて、今回も引っ越しです。もう、同じミスはしません。人並みの学習能力はあります。お友達からも評判を聞き、数社に見積もりを取り、最終的に一社に絞りました。

ここでは値段を割愛しますが、当日やってきたのは、20代のガッチリした男性2名。聞くと兄弟だそうです。顔もガタイもそっくり。

さて、仕事が始まると、動きが速い!。ラガーマンのような体格で、とにかく重量級のホワイトグッズも、バンバン移動してくれます。自分がトイレから戻ってきたら、冷蔵庫と洗濯機が消えていた時にはビックリしましたが、まさに天職とはこういうことを言うのでしょう。彼らの仕事っぷりには感激しました。

ベランダに縛り付けられている犬や、棒立ちの娘にも愛嬌を振りまいてくれますし、かつ荷物もできるだけ傷がつかないように、机にエアパッキンを貼ってくれたりと、頼んだこちらも気分が良いです。

移動先でも、この兄弟が搬入作業をしてくれて、まったく同じスピードで荷物の搬入です。賞味2時間ほどでしょうか。完璧に仕事をこなしてくれました!さて荷物のチェック。家具に傷はなし!ダンボールも1つ、2つ、3つ...すべてそろっています。ただ、ここで気を緩めてないのが、学習能力機能付きの良いところです。

殆どの割れ物は、自動車に乗せて移動しましたが、幾つかの割れ物は預けたので一つ一つチェックが必要です。ダンボールが散乱するので、鍵や大切なものはコーヒーテーブルの上に置き、エアパッキンを一つ一つ剥がしていきます。「よし、OK!よし、OK!」全て問題なしです。いやー、本当に良かった、引っ越しは事前調査が大切ですね!

引っ越しが大変なのを知っているのか、我が家の犬と娘は、テーブル周辺で遊んでいます。娘は何かを書くのに夢中な様子。どれどれと作品を覗いみてみると。。。「あ!」

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お前、弁償しろよ!!」という、小学校時代に連発した、「弁償」という単語をあと少しでクチにしそうでしたが、ここは大人の対応。

「はーい、ダメだからねー」と笑顔でパスポートを没収。ぐぐぐ、娘の手元には油性ボールペン。まさかこんな近くに敵がいたとは、無念です。

何よりこの”芸術パスポート”が、”本来のパスポート”として使えるのかが心配です。

パスポート上の黒線は、渾身のの力でバッチリ書かれているので、なかなか落ちません。後日、洗剤でゴシゴシ落とし、顔写真ページはなんとかなりましたが、紙部分はどうしてもだめです。

領事館に持って行ったのですが「国によって対応が違いますが、ICページが動いていれば、”多分”大丈夫です」とのこと。
「多分」気になるワードです。つまりは、国によってはダメってことですよね。あー、更新したばかりなのに、また113ドルの出費(5年パスポートの更新費用)がかかるのか。。。

やはり、大切なモノは、それ相当の場所に置かないとダメですね。次回は「高い位置に置いておく」という形で対応したいと思います。

留学生の皆さんも、パスポートは大切に保管しましょう!

林 真生 / Hayashi Masuyo

オーストラリア、ブリスベン在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I008)。日本では販売業、IT関連業に携わり、海外といえば旅行でヨーロッパやアメリカを訪れる程度。そんな中、友人のススメもあり、2002年ワーキングホリデーでゴールドコーストへ。右も左もわからない中、留学代理店(現職)のWEBサイト制作をする機会に恵まれ、1年間夢中で専門知識を身につける。その後、勤務先のサポートを得て2006年に永住権を取得。2年後、新オフィス開設に伴いメルボルンに転勤、約7年間をメルボルンで過ごす。しかし、QLD州の暖かさが忘れられず(?)、 2015年7月にQLD州に戻り、現在ブリスベンオフィスの留学カウンセラーとして、全力で留学生のサポートを行っています。このカウンセラーに質問する