ある日の銀行で


お昼時の銀行、日本でもかなり混み合いますよね。
ここオーストラリアでも同様です。

銀行に行く用事があるときは、ランチタイムを利用するのですが、その半分以上を待ち時間に費やすということになります。

振込みや引き出しの手続きをするのはTellerという窓口ですが、残高証明を出してもらったり、 新たに口座を開設したりするのは担当者デスクで手続きが必要になります。

先日、残高証明が必要となったのランチ時間に行ったところ、Teller以外での手続きでソファーで待っている人は3人ほど。
「空いててラッキー」と思ったのは大きな間違えでした。

たった3人待ちなのに、待ち時間は40分以上。

手続きのためのデスクは銀行の中に4-5席あるのに、空席が3席ほどあって実際に仕事をしているスタッフはたったの1-2名。

時計を見ながら、ひたすら順番が廻ってくるまで耐えて待つしかありません。

オーストラリアでは銀行をはじめ郵便局なども往々にして、どれだけお客さんが待っていても、たとえ長蛇の列が出来ようとも一向にお構いなし。
「急ぐ」ということをしません。しかも、やっと対応してもらえたと思ったらスタッフは高圧的だったりするのです。

日本のように、スタッフの人が丁寧に手続き順番待ちのチケットを取って手渡してくれたり、用紙の記入方法を説明してくれたりなど、至れりつくせりのサービスは残念ですが期待できないのです。

ジリジリしていたところにTellerの男性スタッフが、

「お客様、今日はどのようなご用件でしょうか。こちらで承れることでしたらご案内しますが」

とソファーで長時間待たされている私たち一人ずつに声をかけてくれました。

あいにく順番を待っていた私を含めたほかの人全員がTellerで出来る手続きではなかったので、そのまま待つしかなかったのですが、こういう一言があると違いますよね。

やれば出来るのに、オーストラリア。と思った瞬間でした。

日本人の友人がシドニーの大学院での講義の中で、教授が世界中でも「日本のカスタマーサービスはすばらしいと」お話されていたそうです。

日本のカスタマーサービスに慣れた日本人にとって、オーストラリアのカスタマーサービスは惑うかもしれません。
(私はオーストラリアのカスタマーサービスはどこもぜんぜんダメ!と言っているわけではないですよ。)

日本とは違う対応にあった時に日本のそれと比べてひたすら批判するだけではなく、文化の違いを楽しめるようになると、こちらでの生活もまた違ったものになると思います。

異文化体験、楽しみましょう。

大越 麻結 / Mayu Okoshi

オーストラリア、シドニー在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 G175)。高校2年の時に、ノースシドニーのカソリック系女子校へ2週間の短期留学。当時、Appleという単語すら聞き取れなかった私を温かく迎えてくれたホストファミリーとの出会いを通じ、またオーストラリアへ来る事を心に決める。その後、アパレル業界勤務、実家家業を経て、2002年ワーキングホリデービザで渡豪。1年の滞在が終わりに近づく頃、何かを得てから帰国したいと考え、専門学校へ進学。Diploma of Public Relationsを修了する。留学業界との出会いはワーホリ時代に遡る。その後、英語学校スタッフとしての勤務、オーストラリア留学センターシドニーオフィスで12年の勤務を経て東京オフィスへ異動。2021年から再びシドニーオフィス勤務。このカウンセラーに質問する