雛を保護!野生動物のために私たちができること

こんにちは!シドニー支店のManaです。

シドニーはここ数日春本番の陽気が続いています。
先日、家の庭で巣から落ちてしまった雛を見つけました。
動物たちが活発に活動し始めるこの時期、このようなアクシデントは多いのかもしれないので、参考までに紹介したいと思います!

 

落ちてしまった雛の巣は地上5〜6メートルの高さにあり、戻すこともできなかったので、ひとまず家にあった古着とプラスチックの器で仮設の巣を作り、親鳥が私を威嚇する中、雛を仮設の巣に移します。
雛は、幸い出血箇所や足、翼の変形はなく、羽はほぼ生えそろっていましたが、まだ所々にフワフワとしている羽毛部分も残っていて、飛べるようになるまではあと数日かかりそうな感じです。鳴き声は弱々しいのですが、目はうっすらと開いて意識はあります。

 

ひとまず保温をして、他の動物の届かない高い場所に雛を移すと、親鳥たちが絶えず何か食べ物を運んでくるので、食事に関しては何も手助けせず、様子を見ることに。

夕方、私が家に帰ると雛は朝の状態のまま仮設の巣の中で寝ていて、周りに親鳥の姿は見えません。こんなに小さいのに巣から落ちてしまった雛は、一羽で夜を過ごさなければならないのですね。

 

鳥について調べてみると、保護した雛はNoisy minerというオーストラリア全土に多く生息する薄いグレーの体に黄色い嘴が特徴的な小型の野鳥で、縄張り意識が強く、性格はやや攻撃的とのことでした。
そしてこれはNoisy minerに関わらず、野鳥の雛を保護した時は、可能な限り巣に戻すか、親鳥の支援を継続的に受けさせる環境づくりが大事だと書かれていました。

その理由として、
①人間が手厚く看病してしまうと雛は外敵から身を守る術を身につけることができず、野生に戻れたとしても生きていくことができない。
②雛は食事の回数が頻回であり、その数は2週間で4000回にも及ぶというデータもあるほど。尚且つ餌は昆虫などのタンパク質が必要で、頻回に渡りそれらを人間が継続的に与えることはほぼ不可能、等が挙げられるそうです。

 

自然界は人間の想像以上に厳しく、私たち人間ができることは限られているのですね。
家の中で保護したい気持ちもあったのですが、過剰に手を差し伸ベ過ぎることは雛の為にも良くないし、必死に餌を運ぶ親鳥のことを思うと、雛と引き離すこともできないので、そっと見守ることにしました。

 

翌朝も雛は仮設の巣の中にいて、少し元気になっているようでした。熱心な親鳥が絶えず餌を運んで来ます。

 

雛は日を追うごとにすくすくと成長していきました。

 

そして、保護して1週間が経ったある日の朝、ついに雛は仮設の巣を飛び立ったようで、仮設の巣は空になっていました。
動物が野生の中で生きていくことは私たちが想像している以上に厳しいことを改めて知り、それでも今を必死に生きる動物の強さに感動しました。

 

都会的なイメージのシドニーにも野鳥を含む野生動物は多く生息しています。今回、私のケースは雛が怪我をしている様子ではなかったのですが、万が一NSW州にてレスキューが必要な野生動物を見つけた場合は、WIRES(Wildlife Information, Rescue and Education Service)という野生動物の保護活動をしている組織があるので、そこへ連絡すると動物保護に関するアドバイスや、必要があればレスキューに来てもらうことができます。

 

もし留学生活中に怪我をしている野生動物を見かけたら、是非WIRESの存在を思い出してもらえたらと思います!

藤田 茉奈 / Mana Fujita

たくさんの人たちに支えられ、シドニー在住3年目となりました。好きなことは食べること、料理をすること。休日はお手頃な他国籍のレストランを散策し、料理のアイデア探しをしています。

※シドニーオフィスアシスタントとして2020年9月まで勤務(ブログはその当時の内容となっています)このカウンセラーに質問する