何を選ぶ?ケンブリッジ、TOEIC、IELTS??

日本で英語の試験と言えばTOEIC。
大手の会社で足切り点が設けられ、TOEICのスコアがなければ希望の会社に応募する事も出来ない、就職しても昇進や移動など希望を受け付けてもらえないなど、就職に大きな影響を与える試験です。

しかし、これは日本と韓国のお話で、海外では知名度も人気もあまりありません。それは、実際にスコアを持っている方が『英語を話せない事が多い為』なようです。
本国アメリカでも人事担当者はTOEICをほぼ知らない様子。日本人の人事担当者の方からも、最近は「TOEICのスコアは努力点。英語がしゃべれるとは別ですからね・・・」と言う意見が出てきているほどです。

では、これからの就職を考える留学生はどうやって英語力の証明をして行くべきか?
いろいろな国やケンブリッジのプロフェッショナルの皆さんにリサーチした内容とともに、就職に有利な英語テストについて考えてみましょう。

Day 156 - Exam tomorrow By Jessica Keating


何の為に試験をうけるのか?

これは、生徒さんによって様々かと思いますが、留学をして英語の試験を受験される方は、就職に活かしたいと言う方が圧倒的に多いかと思います。
では、日本での就職を考えられている方は、どんな事を求めて就職試験でTOEICが必要な会社に入るのでしょうか?
就職試験でTOEICのスコアを提出するような会社に入られる方は、海外勤務や外資系、もしくは海外との交渉があるような部署を希望されているかと思います。この場合は、TOEICのスコアはもちろんですが、実際に仕事で使える英語力をつけておく必要がありますね。


仕事で使える英語力の為の英語試験について

では、仕事で使える英語力をつけながら英語力の証明ができる試験は何が良いか?

認知度としては、世界基準ではケンブリッジ関連検定が世界で最も広く認知されている英語検定となるのですが、実はこのケンブリッジ検定、「読む・書く・聞く・話す+英語の使い方」が試験対象ですので、実際の生活やビジネスの場で使えるかなり実践的なテスト内容となります。つまり実際英語が使えなければ合格できない、スコアの取れない「資格と実力が一致する」試験なのです。
イギリスはもちろん、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、香港などでも多くの企業がケンブリッジ英検やケンブリッジビジネス英検、BULATSなどを英語力の証明として認めており、日本でも外資系を中心に日立やNEC,横河電機など大手企業がこの試験を英語力の証明として認めています。


学校のスタッフの方からは、現在の日本国内での英語教育の必要性が叫ばれている事や英検がBULATSのプロモーションを始めた事からも、日本国内のケンブリッジの知名度がどんどんあがっていくだろうとの事。冒頭の人事担当者の方のお話にもあるように、英語力の証明はTOEICだけでは物足りない、という流れになりそうです。

ここしばらくのオーストラリア留学生の間では、断然人気はケンブリッジ英検。試験内容が実際に一般生活で活かせる英語力である事から、自分の英語力の最終目標として定めている方が多い事、また、ケンブリッジのコースでは簡単なレベルの文法からの総おさらいもしますので、もう一度英語を学び直したいと思っていた中級以上層の生徒さんのニーズにもマッチしている為です。
日本ではまだまだ必要となるTOEICですので、多くの生徒さんはケンブリッジ英検終了直後にTOEICも受験しています。ケンブリッジ英検の勉強をされていた生徒さんはTOEICの勉強をせずに受験をした場合でも、平均750点前後は取れているようです。

先日いらしたあるカナダの学校スタッフの方のお話では、カナダも現在TOEICよりもIELTSが大人気だそうです。
IELTSは4スキル(話す、聞く、読む、書く)のテストがあり、アメリカを含め多く国の教育機関で認められ始めている事が影響しているようです。

皆さんはどうでしょうか?
TOEICのスコアは必須ですが、別の試験を選び勉強する事で英語力を上げながらTOEICスコアをあげる方法もあります。是非今後の就職活動を有利に進められるよう、試験もじっくり選んでみてくださいね。

鐵見 尚美 / Naomi Tetsumi

オーストラリア、シドニー在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 G176)。20代半ば、ワーキングホリデーでオーストラリアに。アデレード、パース、シドニーなどに滞在しながらラウンドする。しかし、思うほど英語力がつかなかったことから、その後ゴールドコーストで語学学校に通い直し、ようやく英語を話せる楽しさを知る。帰国後、海外で得られる経験をより多くの人に、と留学会社に就職。2007年、当時の勤務先のシドニーオフィス立ち上げのためビジネスビザで渡航し、2010年永住権取得。現在はオーストラリア留学センターのシドニーオフィスの留学カウンセラーとして、カウンセリングや現地サポートを行う。このカウンセラーに質問する