シドニー市内も開通!無人運転の「シドニー・メトロ」

オーストラリア最大の交通プロジェクトとしてスタートした「シドニー・メトロ」。

2024年8月19日、シドニーCBD内を含むシティ&サウスウエストラインの6駅がオープン。2019年5月に開通したノースウェストラインのTallawongーChatswoodから、更にシドニーCBDを経由し、Sydenhamまでが開通となりました!

このあとSydenhamからBankstownまでが完成すると「シドニー・メトロ M1」が完成となる予定です。

Sydney Rail Network Map:青緑のラインがシドニー・メトロ M1です。

シティ&サウスウエストラインでは、CrowsnestからWaterlooまでが地下鉄となっており、新しくできた駅は近代的なデザインとなっています。

セントラル駅ホーム

シドニー・メトロの特徴

大きく2つ「利便性」「安全性」があげられます。


◎利便性
・平日は7分ごと(平日の朝晩ピーク時は4分ごと)、その他の時間でも10分ごとに電車が来るため、タイムテーブルの確認なく乗れる

・シドニーハーバーを渡るときは最速110Kmともなり、移動時間が大幅短縮

・みんなが乗り降りしやすいよう、プラットフォームと車両の間にギャップがなく平坦

・車内は「車椅子スペース、個別の優先席、ベビーカー、荷物、自転車に対応した多目的エリア」あり

・すべての地下鉄車両で冷暖房完備

・携帯ネットワーク接通信可(フリーWIFIではありません)
画像出典:Sydney Metro NSW Government


◎安全性
・オーストラリア初の完全無人運転の電車で、専門の列車コントローラーがシドニー メトロを監視

・車内、車外のCCTV モニターが様々なセキュリティを確保(車内は38台、トンネル内は230台)

・地下鉄では駅スタッフ以外に警察も巡回

・地下鉄の駅では、乗車時にプラットフォーム・スクリーンドアを採用

・テクノロジーで緊急ストップにも対応
画像出典:Sydney Metro NSW Government


シティに通勤通学をする人にとって、ピーク時は4分ごとに電車がくるなど、今まで通勤に1時間かかっていた居住エリアからの通勤が大幅短縮になるのは、最大の魅力です。

例えば、ノースウエストエリアにあるマッコーリー大学からタウンホールまでは、今まで電車で40〜50分ほどかかっていたのが、メトロなら乗換なしで24分!

更にインナーウエストエリアのSydenhamからマッコーリー大学までは、今までの電車だとセントラルで乗り換え、Epping駅からバスに乗り換えて1時間ほどかかっていたのが、なんと乗り換え無しで31分!これは住むエリアの選択肢も広がりますね。

所要時間のチェックは、Travel Calculatorでできますので、是非試してみてください。

これから活躍すると思われるシドニー・メトロを含め、シドニーでは5つの公共交通機関があるので、乗り換えが必要な時やどこかに始めていく時には、トリッププランナーを利用すると便利です。

また、公共交通機関の利用は、他のNSW州公共交通機関同様、Opal Cardやクレジットカード、デビットカードが利用できますので安心です。



私も早速乗ってみました。が、普段電車に乗る生活ではないため、セントラルからGadigal駅(タウンホール駅近く/Pitt Street駅)までという1駅のトライアルとなりました。


印象としては、日本人にとって慣れた感じの地下鉄。
駅の綺麗さはもちろん、スクリーンドアのあるプラットフォーム、時間通りに来る電車、車内のシートの感じは東京の地下鉄にとても似ている印象でした。

早いと言われるシドニー・メトロですので、スピード感を楽しみにしていましたが、セントラルからタウンホールのあるGadigal駅までは一駅でしたので、それほどスピードも出ずの1分間でした。

それでも乗り心地は異なり、通常の電車とは違ったを揺れを感じました。やはりスピードに関しては、最速110Km出ると言われるハーバーブリッジを渡ってみないとシドニーメトロの本気はわからないかもしれません。いづれにしても、馴染んだ感じの地下鉄体験で、日本人としては違和感なく生活の一部となりそうです。

Gadigal駅で地上に出る時に日本との違いが2つあることに気づきました。一つはデザインが近未来風でスペースが広く感じること、そして、プラットホームから地上に出るエスカレーターまでが近いこと。日本は地下鉄から地上に出るのが上下だけでなく左右にもかなり広いですが、シドニーの地下鉄駅は圧迫感がなく、シンプルでわかりやすそうです。
ガジュガル駅構内

シドニー・メトロは、2032年には下記の4路線・46駅がすべて開通する予定。

・ノースウェストライン
シティ+サウスウエストライン(Bankstownまで開通は2025年予定)
ウェストライン(2032年開通予定)
ウエスタンシドニーエアポートライン(2026年開通予定/Western Sydney Airportの開通時期にもよる)

シドニーの公共交通網アップデートはまだまだ続きます!

【参考】
Sydney Metro Offical Site(オンライン路線図など)
https://www.sydneymetro.info/
Sydney Metro Brochure(シドニー市内公共交通機関マップ、路線図など)
https://bit.ly/47a0hI2
メトロトレインについて
https://www.sydneymetro.info/metro-trains
Future Transport Strategy
https://www.future.transport.nsw.gov.au/sites/default/files/2022-09/Future_Transport_Strategy_lowres_2.pdf
Future Transport Strategy(2018)
https://media.opengov.nsw.gov.au/pairtree_root/9a/76/83/89/3b/f3/45/7c/a5/a2/97/82/13/55/89/18/obj/168352.pdf
Future Transport NSW Vision our future
https://www.future.transport.nsw.gov.au/vision-our-future

鐵見 尚美 / Naomi Tetsumi

オーストラリア、シドニー在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 G176)。20代半ば、ワーキングホリデーでオーストラリアに。アデレード、パース、シドニーなどに滞在しながらラウンドする。しかし、思うほど英語力がつかなかったことから、その後ゴールドコーストで語学学校に通い直し、ようやく英語を話せる楽しさを知る。帰国後、海外で得られる経験をより多くの人に、と留学会社に就職。2007年、当時の勤務先のシドニーオフィス立ち上げのためビジネスビザで渡航し、2010年永住権取得。現在はオーストラリア留学センターのシドニーオフィスの留学カウンセラーとして、カウンセリングや現地サポートを行う。このカウンセラーに質問する