留学エージェントと風水

日本人は全般的に、占いや風水といったことは大好き。朝の情報番組での占いを見て、一喜一憂したり、ラッキーアイテムを持ってみたり。

「坂本ってA型っぽいね~、え~ABなの!?」と、血液型の話だけでも、盛り上がったりもできますしね。でも、血液型占いは、欧米の人にとっては、全くもって「?」な感覚のよう。

Crystal ball
by Jeroen Berndsen

オーストラリアでは、星座占いは雑誌とかに載っているのを見たことがあるけど、日本ほど占い熱はない。

そして、ブログのタイトル、風水。
英語では「Feng Shui」と中国読みで使われている。

知り合いのドイツ人の日本駐在員の方が、某芸能人も住んでいるマンションに入居している。そのマンションに遊びに行くと、とにかく何から何まですごい。本人は「会社が家賃払ってくれるからね、僕の給料じゃ無理だよ、はははは~」とのこと。

でも、そのドイツ人が住んでいるのは、入居者があまりいなかった部屋だそう。なぜかと言えば、風水的にあまり位置や間取りがよくない部屋らしい。彼の感覚からすれば、「Feng shui? Who cares!!」と一蹴。気にしない人は気にしない。

一方で、中華系の方は風水に敏感な方が多い。
香港は、風水に基づいて計画されていると言われている程の風水都市。

ビジネスリーダーにも、風水師が相談役がついている。さしずめ、経営コンサルティング会社的な役割を果たしている、といったところだろうか。

以前、CNNのニュースに、「Asia mixes making money with ancient belief」という記事が出ていた。

香港で車の部品会社を経営している社長が、風水師の助言に基づいてビジネスをしていることを紹介した記事だ。リーマンショックの時も、風水師の助言に従っていたおかげで、危機を乗り越えた、とその社長の経験が語られている。先のドイツ人が聞いたら、鼻で笑いそうな内容。でも、実際に、この会社の事業はリーマンショックにも負けず、その後も順調に拡大をしてきている。

このCNNの記事を読んでいてびっくりしたのは、風水でビジネスうんぬんよりも、オーストラリアのニューキャッスル大学の教授が風水についての解説をしていたことだ。オーストラリアにそんなこと研究している人がいたんだ!と。ニューキャッスルについては、弊社シドニー支店のスタッフが行っているので、コチラをご参照。

記事を読むとこの教授は、風水で言われるような、宇宙的な不思議なパワーについては懐疑的で、これまでの経験や研究等の積み重ねの結果が風水であり、不思議なパワーをもたらすものではない、といったような考えを持っているようだ。

ちなみに、私の風水に関する立場としては、基本的に信じている。でも、風水に頼って運気をアップさせよう!ではなく、自分ががんばった上で、風水も使えばいい循環が生まれる、といった考え。風水に依存する考えはなく、さらにもう一つ言えば、自分は風水についての知識はないので、依存しようもないのだが。

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記事の最後に、ニューキャッスル大学の教授が、自分の考えとぴったり合うことを言っていた。

「Feng shui cannot make things happen but it can assist you and make things easier」

この言葉、留学エージェントの仕事も、主語を変えれば、全くぴったりと当てはまる?

「We, agent, cannot make things happen but we can assist you and make things easier」

留学をする主人公は、留学生の皆さん。どんな留学を創っていくかは、一人ひとりの留学生次第。私たちが直接何かを起こすことはできない。でも、何かをする時にスムーズに行くように、留学生が活躍できるように、お手伝いをさせて頂くことはできる。

「そっか、留学エージェントは風水師のようなものか」などと言うと、胡散臭くなってしまうかもしれないが、make things happenができるのは留学生自身。だけど、assistして、make things easierにするのは、留学エージェントの役割。

がんばっていこう。

坂本 岳志 / Takeshi Sakamoto

オーストラリアのメルボルン在住。豪政府公認PIER教育カウンセラー(QEAC登録番号:H297)。日本の大学を卒業後、日常英語もままならないレベルから、メルボルン大学大学院進学を決意。卒業後は、日本の商社で海外取引に3年携わる。現職に就いたきっかけは、メルボルン大学と商社時代に感じた「危機感」でした。各国の優秀な人材が海外で経験を積み、どんどん活躍していく中、日本の縮小を実感し、何か自分が役に立つことができるのでは、という思いから留学業界へ転職。東京オフィス→パースオフィス→石川県でリモート勤務を経て、2021年2月よりメルボルンに戻り、主にオーストラリア全都市の大学・大学院進学希望者のカウンセリングとサポートを行っています。このカウンセラーに質問する