留学費用と為替の影響

8月24日、何年かぶりという発熱で寝込んでいたら、為替相場が大変なことになっていました。
朝、オーストラリアドルは1ドル=88~89円付近であったものが、夜には一時1ドル=83円付近と一気に円高へ。
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円高と円安、どっちがどっち?と混乱することもあると思うので、まずは円高・円安の考え方を。

例えば、1ドル=90円から85円に動いた場合。

85円で1ドルを買える場合と、90円で1ドルを買える場合を考えてみてください。
90円で買うよりも85円で1ドルを購入できたほうがお得ですよね。

つまり、1ドル90円から85円に動いた場合は、ドルに対して円の価値が高くなるので円高。
その逆の場合は円安となります。

数字が90円から85円と小さくなるのに、「円高」とは違和感があるかと思いますが、1ドルをいくらで買えるか、と考えて頂ければ納得できるかと思います。

留学費用を考える際に、気になることの1つは為替。

円高のほうがこれから留学する人にとっては留学費用を抑えることができます。逆に、これから帰国でオーストラリアドルを日本円に交換する人は、円安のほうが有利となります。

為替によってどのくらい学校費用に差がでるのか、1ドル=95円、90円、85円の3つのパターンで計算をしてみます。学費はパースの人気校、カプラン・インターナショナル・カレッジを例に計算をしています(授業料のみで教材費、入学金は含んでいません)。

4週間24週間48週間
1ドル=95円153,900円877,800円1,755,600円
1ドル=90円145,800円831,600円1,663,200円
1ドル=85円137,700円785,400円1,570,800円

金額が大きくなる程為替のインパクトは大きくなり、48週の学費では為替が5円変わると92,400円の差が出てきます

大学の学費となるとさらに為替の影響が大きくなります。

オーストラリアのトップ8大学であるメルボルン大学、クイーンズランド大学、西オーストラリア大学の、国際関係学部の年間学費概算を、それぞれ1ドル=95円、90円、85円で計算をした表がこちら(大学の学費は受講する科目によって異なりますので、参考値としてご覧下さい)。


メルボルン大学クイーンズランド大学西オーストラリア大学
1ドル=95円285万円252万円256万円
1ドル=90円270万円238万円243万円
1ドル=85円255万円225万円229万円

為替が5円違うと年間10万円以上差がでますし、10円違うと年間25万円以上の差が出てきます。

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ちなみに、アメリカの有名大学は年間学費が40,000ドルを超えます。

アメリカドルはこれまでの円安誘導で1ドル=124円台まで進んでいたものが世界同時株安で徐々に円高に進み、8月24日、一時1ドル=116円台となりました。

40,000ドルを124円と116円で換算をすると、それぞれ496万円と464万円。
年間30万円以上の差が出ます。

円高に進めば留学する人にとってはありがたいのですが、円安になることももちろんあります。

オーストラリアの有名大学の学費で40,000ドルを超えるコースはあまりないので、ここまでの為替リスクが出ることは少ないのですが、円高になったときにまとめて日本から送金をしておく等で、賢く留学費用を用立てて下さい!

坂本 岳志 / Takeshi Sakamoto

オーストラリアのメルボルン在住。豪政府公認PIER教育カウンセラー(QEAC登録番号:H297)。日本の大学を卒業後、日常英語もままならないレベルから、メルボルン大学大学院進学を決意。卒業後は、日本の商社で海外取引に3年携わる。現職に就いたきっかけは、メルボルン大学と商社時代に感じた「危機感」でした。各国の優秀な人材が海外で経験を積み、どんどん活躍していく中、日本の縮小を実感し、何か自分が役に立つことができるのでは、という思いから留学業界へ転職。東京オフィス→パースオフィス→石川県でリモート勤務を経て、2021年2月よりメルボルンに戻り、主にオーストラリア全都市の大学・大学院進学希望者のカウンセリングとサポートを行っています。このカウンセラーに質問する