ノルマって必要?

日本のブラック企業のイメージは、営業マンたちがどう見ても達成できないノルマを押し付けられていて、達成できないと、怖ーい上司が机をバンバン叩きながら、「売れるまで帰ってくんな!」みたいな感じですよね。

さすがにここまで極端ではないにしろ、多くの留学会社は売上管理が厳しいみたいです。売上のプレッシャーが厳しくて、辞めてしまう社員も多いそうで、オーストラリアの学校の担当者が「あの会社は、毎年担当者が新しくなるので、毎回トレーニングをやっている」と愚痴をこぼしていきます。

私たちの会社では、ノルマは無いし、売上が低くて怒られたりすることはありません。スタッフは、毎月私との報告会があるのですが、たとえ売上が悪くても、「焦らず頑張ってくださいね。」くらいの話しかしません。「怒らない」というのは仏教の本のタイトルみたいですが、私の一番有効だった戦略なのかもしれません。

私のそれなりに長い社会人経験の中で、怒られて売上が好転していく人は見たことがありません。売り上げを上げる、つまりはお客様の支持を得たいと思うのは、仕事をしていれば誰だって思うのですから、別に上司がどうのこうのいう話ではないのです。放っておけば、同僚のやり方を学んだり、自分で知識を増やしていくことで、お客様にいい提案ができるようになり、売れていくのです。

売上に優先順位があると、スタッフはお客様の満足を高めることよりも、売上が一番増える学校を提案するようになります。私たちの現地支店には時々、なぜそんな学校に行ってるの?というお客様が助けを求めてやってきます。聞いてみると、その学校が最高だと薦められて来たけど、そうは思えないということです。それは、その学校がその会社に「最高の」コミッションを払ってるからだよ、とは言わずに、相談にのってあげます。そんな被害者に会うと本当に心が痛みます。

私たちは、オーストラリア留学を志す全ての人にお会いすることは出来ませんが、出会った人にはベストの提案をすることだけど考えています。おかげさまで、そのシンプルな考え方が毎月100人以上のお客様にサービスを提供できている理由なんだと思います。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中