留学生や現地に住む人にとって、トラムは通学&通勤からプライベートの外出まで、リアルな毎日に欠かせない存在となっています。
そんな私たちの生活に密着したメルボルンのトラムに、なんと10年以上ぶりとなる完全新型モデル「Gクラス(G-Class / 7000番台)」がついに街を走り始めました!
これからどんどん見かけるようになる、新型トラムを今回はご紹介します。
1970年代から変化を続けるトラムの歴史
まず、メルボルンのトラムの歴史を簡単にご説明します。いま引退が近づいている「Zクラス」や「Aクラス」が作られたのは、1970年代から80年代のこと。当時はドアが開いたあとに「よっこらしょ」と急な階段を登るスタイルが当たり前でした。
その後、時代はバリアフリーへと変化していき、2001年に登場した「Cクラス」からすでに100%超低床(ローフロア)が採用されています。その後のDクラスや、いま街で一番よく見かける超大型のEクラスも含めて、近年のトラムはどれも段差がないバリアフリー仕様となっています。
「じゃあ、いま大通りを走っている段差のないトラムをそのまま走らせればいいのでは?」と思うかもしれませんよね。その最大の理由は、これまでの低床トラムはサイズが大きすぎて、急なカーブやホームが短い路線には物理的に入れなかったからです。そのため、そういった複雑な路線ではバリアフリー化したくても、どうしても「階段のある古いトラム」を使い続けるしかありませんでした。
そこで、「今まで古いトラムしか走れなかった路線にもスイスイ入れる、小回りが利くコンパクトな100%超低床トラム」として新たに誕生したのが、今回のGクラスなんです!
新型トラム「Gクラス」ってどんな車両?
Gクラスは現役の主力であるEクラスと同様、ビクトリア州のダンデノンという街にある工場で製造されている100%ローカルメイド(地元産)です。合計100編成が発注されており、年に20〜25編成ほどのペースでゆっくりと古い車両から置き換えられていきます。すべての入れ替えが完了するのは2029年頃になる見込みです。
街中で見分けるポイントは、トラムの先頭や横にプリントされている「7000番台(7001〜7100)」の数字。
つい最近、2026年の7月末に、記念すべき営業運転の第1号として「7006」という番号のトラムが乗客を乗せて走り始めたばかりです!
外観はEクラスと同じくスタイリッシュな緑と白のデザインですが、一番の違いはその「サイズ」にあります。超大型(定員約210人)のEクラスに対し、Gクラスは急カーブや短いホームの路線にもスイスイ入れるよう、少しコンパクト(長さ約25m・定員150人)に設計されています。
もちろん、エアコンや見やすい車内案内モニターもしっかり完備!それに加えて、万が一停電しても最寄り駅まで走れる車載バッテリーを搭載していたり、従来より約30〜40%も省エネ設計になっていたりと、見えない部分もぐっと進化しています。
長年トラムを使ってきた身としては、レトロで味のあるZクラスやAクラスがなくなってしまうのは少し寂しい気もします。ただ、長時間乗っていると揺れで酔いやすかったり、真夏はエアコンがなくてサウナ状態だったりと、不便な面があったのも正直なところ。
だからこそ、今まで古いトラムしか走れなかった路線が、こんなに快適な新型へと生まれ変わっていくのはとても楽しみです。
私はまだ試運転の姿を見かけただけなのですが、すでに一部の路線で営業運転は始まっています。普段の通学やお出かけで偶然乗り合わせることができたら、かなりラッキーですね。
みなさんも、少し短めでピカピカの新しいトラムがやってきたら、ぜひ「7000番台」の数字があるか確認して、いち早く乗り心地を体験してみてくださいね!