MD115導入 トップ8大学(Group of 8)進学者は要注意!

オーストラリア政府より、11月14日より、Ministerial Direction 111(MD111)からMinisterial Direction 115(MD115)に変更となるアナウンスがありました。

政府発表はNew ministerial direction to balance international student distributionをご参照。

「いや、MDなんちゃらって何ですの!?」となると思いますが、簡単に言えば留学生の学生ビザの優先順位を定めた大臣令になります。

MD111は、2024年12月に導入されました。

MD111を理解するために、、、2025年よりオーストラリア政府は、各教育機関の留学生受け入れの目安人数を定めました。NOSC(New Overseas Student Commencement)と呼ばれ、人数を制限するものではないので、教育機関は目安人数以上の人数の受け入れも可能です。

2026年の各大学の目安人数はこちらから確認ができます。

MD111では、目安人数の80%を超えると、学生ビザの審査がPriority 1からPriority 2に格下げされ、ビザ審査の優先度が下げられることを定めています。

その結果、2025年は何が起きたか。

特に人気がある、シドニー大学やメルボルン大学等のトップ8大学(Group of 8)は、2025年2月~4月くらいに80%を超えてしまいました。

その結果、7月入学者のビザ審査が遅くなり、大学開始ぎりぎりに許可になる方や、大学開始日を過ぎてもビザが許可にならず、入学日を変更する、といったことも起こりました。

そして、今回MD111からMD115への変更。

MD115では、ビザ審査の優先順位のPriority 1、Priority 2に加え、Priority 3のカテゴリーが規定されています。

Priority 2は引き続き目安人数の80%、そして、115%を超えた場合にPriority 3になります。

例えば、クイーンズランド大学の場合。

2026年目安受け入れ人数:8,050人
80%:6,440人→Priority 2に
115%:9,258人→Priority 3に

となります。

Priority 2でもビザ審査に1.5ヵ月~2ヵ月、あるいはそれ以上時間がかかっていたので、果たしてPriority 3になるとどうなるか。まだ全くわかりませんが、いずれにしても、2026年7月にオーストラリアの大学(特にトップ大学)進学を検討中の方は、早め早めに準備をした方がよさそうです。

坂本 岳志 / Takeshi Sakamoto

オーストラリアのメルボルン在住。豪政府公認PIER教育カウンセラー(QEAC登録番号:H297)。日本の大学を卒業後、日常英語もままならないレベルから、メルボルン大学大学院進学を決意。卒業後は、日本の商社で海外取引に3年携わる。現職に就いたきっかけは、メルボルン大学と商社時代に感じた「危機感」でした。各国の優秀な人材が海外で経験を積み、どんどん活躍していく中、日本の縮小を実感し、何か自分が役に立つことができるのでは、という思いから留学業界へ転職。東京オフィス→パースオフィス→石川県でリモート勤務を経て、2021年2月よりメルボルンに戻り、主にオーストラリア全都市の大学・大学院進学希望者のカウンセリングとサポートを行っています。このカウンセラーに質問する