さあ、今回はかなりお堅くいきます!
「Business Media 誠」に興味深い記事が掲載されていた。
「なぜ給料が二極化するのか?年収200万円と800万円の人」と
「時給800円と8万円 ― 仕事をしていて、なぜ100倍もの差がつくのか」
S John Davey
リクルートを退職した後、義務教育初の民間校長先生として活躍された藤原和博氏によると「今後10年で、サラリーマンの給料は二極化する」そうだ。
20世紀の日本は「成長社会」
21世紀は「成熟社会」
今後成熟社会がますます成長していく。
そして、その結果、年収200万~400万円の人たちと、800万円以上の人たちに二極化する。
成長社会では、「情報処理」の能力の高い人が昇進して給料をそこそこもらっていた。しかし、成熟社会では「情報編集」の能力が求められる。
情報編集の時代=正解がない時代。
正解がない中から、皆が納得できる解を見つけ出さなくてはならない。情報処理の考え方としては以前書いた「1+1=2の思考法」に似ているのかな。
AがあってBだから、Cが答え、といったようなもの。
情報編集の時代となると、そう単純にはいかない。
ある一つの問いに対して、A, B, C, D, E, F, G・・・といっぱい情報があって、A+B=Cもあれば、A+E=Gという人もいるかもしれない。C+D=Cなんてやり方も出てくるかもしれない。
こういったように、無数にあるやり方の中で、何をどう結び付けて、どのような解を導き出すことができるのかが問われる時代。
その「情報編集」の能力を身につけるにはどうすればいいのか。
藤原氏は『「レアカード」になれ』と言っている。
マクドナルドもマッキンゼーも仕事は大変。しかし時給に換算すると、800円と8万円、100倍の差が出てくる。
この100倍の給与の差は、「レアさ」に起因する。
マニュアル化された仕事をこなすマクドナルド、経営にインパクトを与えるコンサルタント。片方は、情報を処理していく一方で、コンサルタントは、様々な情報を編集して、解を導き出していく。片方は、誰にでもできる仕事で、もう一方は誰でもできるわけではない。
この違いが100倍の時給の差になってくる。
「レアカード」といっても、本田圭佑や長友佑都等の秀でたスポーツ選手や、山中伸弥教授等、特別に抜きんでた人になれというわけではない。
自分の得意分野と結び付けて、レア度を上げていくことが大事、なのだそうだ。
難しいことを言っているわけではなく、通勤中にぼんやりゲームをするか自分に役に立つ本を読むか。帰宅して英語を勉強するか、ぼんやりテレビを見て寝るか。
他の人がやることとは少し違う積み重ねを行うことで、レア度を上げていく。そうすると、1万人に一人は無理でも100人に一人の人材にはなれるかもしれない。
ただ、いきなりレア度を上げろ、情報編集能力を上げろと言われても、とまどうかもしれない。
ツイッターに面白いツイートがあった。
小学校「言うとおりにしろ!」
中学校「言うとおりにしろ!」
高校「言うとおりにしろ!」
大学「自分が本当に好きなことを見つけなさい!自分のことくらい自分で決めなさい!え?何をしていいか分からない?甘えるな!今後のご活躍をお祈りしております!」
今の日本の教育状況を的確に表していると思う。
情報処理の教育をされてきて、大学に入って突然、情報編集能力を求められる。
結果、どうすればよいのかわからなくなる。
留学は色々なものを得ることができるが、その一つは、情報処理から情報編集能力への転換、ではないかと思う。言い換えれば、留学はレア度をあげる一つの手段といえる。
ただ、短期間のものも含めると、留学自体は珍しいものではない。そして、英語ができることも、今ではそれほど大きくレア度アップに貢献できない。
では、どうすればいいのか?
答えは、自分だけの留学を創っていく、こと。
留学は、10人いれば10通りのプロセスがあり、10通りの結果が出てくる。なんとなく過ごしてなんとなく終わる人もいれば、日々充実させて何かを得たと実感できる人もいる。
留学は試行錯誤の連続。
自分と向き合う時間も多くなる。
自分自身と対話を重ね、様々な情報の中から、自分で組み合わせを考え、自分自身で留学を創っていかなければならない。そして、そこからどのような解(結果)を求めていくのか実践していく。
正しい答えなんてない。
特に、留学後の就職を考える方にとって、留学中の情報処理から情報編集への転換は、重要となってくるのではないだろうか。