現在、日本では「東日本大震災」の復興を目的とした「復興税」なるものが議論の的となっています。
それと似たようなものと言えるかもしれませんが、豪州では「Temporary Flood and Cyclone Reconstruction Levy」という名称の税が課せられることが既に決定しています。一般的には「Flood Levy」と呼ばれているものですが、今年の1月にQueensland 州 及び Victoria 州で発生した大規模洪水やサイクロンによる被害の復興を目的としたものです。 この「Flood Levy」ですが、来年度(本年7月から来年6月迄)の年間所得が$50,000を超える人に対して課税され、年間所得が$50,000未満の人や被災された方への課税は免除されます。税率は以下の通りです。・年間所得が$50,000〜$100,000の場合:$50,000を超えた所得に対して0.5%・年間所得が$100,000以上の場合:$250 + $100,000を超えた所得に対して1.0%この税率が高いと思うか低いと思うかは人それぞれでしょうが、「Flood Levy」について個人的に評価出来るのは下記の3つです。1. 低中所得者への税負担を免除、若しくは軽くしている事。2. 「Flood Levy」の使い道を被災地のインフラ(道路や橋や学校)整備に限定している事。3. 「Flood Levy」の導入決断から実際の法案通過迄が迅速であった事。さて、日本で議論されている「復興税」ですが、個人的にはデフレ下での増税には反対です。但し、万一導入するのであれば、日本政府には、税負担の考え方、税の使い道を考慮した上で、何よりも迅速に対応して貰いたいと思います。写真は ATO (豪州国税庁) のウェブサイトのトップページです。「Flood Levy」について記載がされています。