オーストラリアのファーム生活を振り返る-仕事編-

私はオーストラリアにワーキングホリデーに行くと決めた時、同時に2年間滞在しようと決めました。
1年間のワーキングホリデービザをもう1年延長するためには「セカンドワーキングホリデービザ」を取得する必要があります。

セカンドワーキングホリデーとは?

ビザ取得には、政府指定の地域で3ヶ月間以上(88日間)の季節労働に従事しなければいけないというルールがあります。(事前にしっかり調べていきましょう!)
※季節労働:建設業、林業、漁業、農業、炭鉱業、酪農業

88日。週6日働けるファームなら3ヶ月3週。天候が悪く農作業ができない日は日数のカウントはされませんのでもう少しかかります。

効率よくセカンドビザを取るためには、仕事が多くあるファームに行くこと、そして作物にはシーズンがあるので仕事を始めるタイミングを見極めることがとても大事です。なので行く前の情報収集はきちんと行っておきましょう!

 

ファームジョブの探し方

ハーベストトレイルを使う
移民局が出しているハーベストトレイルはオーストラリア中の農場の情報が載っています。ウェブページでもPDFをダウンロードすることができます。各地域のインフォメーションセンターに連絡を取り、職場をを紹介してもらいます。

②インターネットで探す
Gumtree日豪プレス、Facebookページなどがよく使われているようです。

一番おすすめ!!友人、知人の紹介
ファームによって仕事量や職場の雰囲気、待遇など違ってきますし、悪い噂(職場環境や賃金、労働時間など)のあるファームもありますので知っている人からの紹介は安心です。



私は知人が紹介してくれたファームに行くことにしました。
場所はクイーンズランド州、スタンソープ(Stanthorpe)。クイーンズランド州でも標高が高く、一番気温の低い街と言われています。

真夏の陽射しの強い、暑い暑いオーストラリア。4日間かけ、メルボルンから冷房の壊れた愛しの中古車に家財用品を全て詰め込み、キャンプをしながら北上しました!!




「キツイよ!」「大変だよ!」との口コミしか得られなかった”ファームジョブ”ですが、スタンソープでのこの畑での経験は私がオーストラリアに来て良かった!と心から思う大切な時間になりました。
※もちろんすごく大変です。覚悟はしていきましょう!:P

ファームでの仕事、生活、経験について振り返ってみたいと思います。


仕事編

私の働いていた地元の兄弟が経営する大規模ファームには、畑から車で5分程度の場所に従業員が住めるファームハウスがありました。私はそのハウスに入居。家はオンボロ6部屋のシェアハウスです。(町で唯一の直近ウールワースには車で15分)そこを拠点にお仕事がスタート!

※庭?が広大すぎてびっくり。何もないだけなんですけどね。

大きなファームで多くの人が働いていましたが、日本人は私を含め4名のみでした。ファームではカプシカムといちごを栽培しており、どちらの作物も携わりました♪

一緒に働いていた人たちの主な国籍
オーストラリア イタリア フランス ベルギー イギリス ドイツ 台湾 韓国 香港 日本

わたしの仕事(時給)
いちご:ピッキング、トリミング、ウィーディング
カプシカム:パッキング、出荷ボックス作り(工場内)、ピッキング、トリミング、ウィーディング

ファームでの1日


ファームの仕事は朝が早いです。早寝早起きのとっても健康的な生活を毎日送っていました。(送らざるを得なかった?)毎朝まだ薄暗いうちに起き、日の出とともに仕事開始。日の出前は息が白くなるほど寒かったのですが、朝もやのかかった景色が美しく、冷たい空気がシャンとさせてくれます。ビルなんてひとつもないので空も大地も広い、広い!通勤路にはカンガルーもうさぎもたくさんいます。

装備
長袖インナー(日焼け防止)、Tシャツ、長ズボン、作業ブーツ(防水/小雨の日や雨の翌日の泥対策)/スニーカー、帽子、軍手、使い捨てラテックス手袋(ウールワース)
お弁当、水筒
iPod(作業中聞くため)、日焼け止め


【いちごの仕事】

ピッキング
トロリーに乗って、いちごを摘む。
赤いいちご、80%赤くなっているいちごを別々にトレイに綺麗に並べる。
悪くなってしまっているいちごも全て摘んで、レーンに捨てる


朝露がついている甘いイチゴを、(超特級のを選んで)仲間と「ブレックファーストだね〜」なんて言いながらつまみぐい。採れたてのいちごを食べられるのはひそかな楽しみでした。
でもスーパーバイザー(現場監督)がたまにトレイやレーンをチェックしに来ます。

トリミング
大きく育った苗をきれいに整えてあげる作業。
風通しをよくする&実により栄養がいくようにするため。

※腰をずっと折りながらの作業なのでとっても辛いです。コツを覚えたらかなり早くなりました。ハサミを使用。

ウィーディング
苗に生えてしまったいちご以外の植物を引っこ抜く作業。
いちごに栄養がいくようにするため
※雑草どころではなく「小さな木では!?」というようなモンスター級まで。手と鎌を使用。

【カプシカムの仕事】

パッキング(工場内)
レーンに流れてくるカプシカムを【1等】【2等】【カラー】【スモール】のボックスに分け、8.3kgになるまで綺麗につめる
販売できないカプシカム【ラビッシュ】を投げ捨てる
出来上がったボックスをシーラーにかける
担当番号がそれぞれのアルバイトに振り分けられていた
ノルマはないけれど、だいたい誰が何箱くらい作ったのかは箱の残量でチェックされることもある。
スーパーバイザーがたまに完成した箱を開け、入っているカプシカムの品質チェックする。

 

出荷ボックス作り

ピッキング
大きなバケツにカプシカムを採り入れていく
販売できないカプシカム【ラビッシュ】をレーンに捨てる
バケツがフルになると約20kg!それをトラクターまでかついで運び入れます。
私はどうしても3/4で限界でした。


文字にするとそんなでもないような気がしてきてしまうのですが、農作業ってとっても大変
暑い中、屋外作業は身体をずっと動かしながらひたすら同じ作業を1日8時間しなければいけません。辛い体勢で行わなければいけない仕事も多いです。初めてカプシカムのピッキングをした時は情けなくも腰痛や筋肉痛がひどく、ベッドから起き上がれる気がしませんでした。
いつも私達のボスは「ストロングハートを持ってやるのだ。これは自分との戦いだ」と話してくれていましたよ。
屋内作業も、単純作業ですが、一日中やるのはとっても長い!!

でも楽しく仕事できたのは「疲れたねー」「もう帰りたい〜」なんて言いながら、一緒に頑張っていた仲間や仕事も生活も共にする兄弟姉妹のようなのようなシェアメイトたちがいたからだと思います。
同じ仕事を一緒にすることで言葉の違う人との人間関係づくり。
88日間の日数をためるために、約4ヵ月スタンソープに滞在しましたが、本当に良い出逢いがありました。


オーストラリアの大自然の中での初めての農業経験はすごく貴重な体験でした。
大変な思いをしながらたくさんの人の手によって農作物が作られ、箱詰めされ、人の手に渡っていくんだとわかると食べ物に対しての意識も変わります。そしてずっと単純な作業でしたが、だからこそ精神も鍛えられた気がします。

そして仕事をしながらもゆったりとした田舎時間がスタンソープにはあったので(2時半には仕事が終わります♪)色んな事を考えたり、色んな人とコミュニケーションを取ったり、好きなことをして過ごすことができました。
忙しい生活、日々に追われなかなか今までできなかったことができました。

本当に田舎町で周りには何もなかったのに、毎日楽しかったです。
田舎町でのファーム生活についてまたブログで伝えていけたら良いなと思っています♪

小林 芽衣 / Kobayashi Mei

「自分のやりたいことを後悔しないようにやろう。」

友人とアテネに飛ぶということだけを決め、世界横断の旅にバックパックを背負い飛び出し、そのままオーストラリア、メルボルンへワーキングホリデーへ。

人の温かさ、自然にときめき、メルボルンでは大好きなアートとコーヒーに囲まれ、毎日何をしようかとワクワクしながら過ごしていました。

語学学校にてケンブリッジ検定試験にチャレンジ、セカンドビザ取得のため多国籍な仲間たちと一緒にファームジョブ。その後オーストラリアを1周し、各都市の魅力を体感しました。


現在はブリスベンオフィスにて豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録No.S618)としてみなさんのサポートをしています。

昨年はTAFE Queenslandにてずっと勉強したかったビジュアルアートを学びました。


世界中から集まる人たちと、日本とはまったく違う環境での生活。きっと自分の”意外な面”を発見できます。きっとその自分は”前より成長した自分”。

そんな自分を見てみませんか?

みなさんにも素敵な経験をしていただけるよう、ワーホリ・留学実体験を踏まえ有用な情報をお伝えしていきます!このカウンセラーに質問する