
オーストラリアの移民政策の変更で、学生ビザの値上げや、ビザ審査の厳格化等、留学関連分野にとって不利なこともありますが、レポートでは留学生の重要性を浮き彫りにしています。
2024年はオーストラリア全体では約85万人の留学生(学生ビザ)がおり、シドニーがあるNSWは約33万人が占めています。
レポートでは、こちらの4つのキーポイントをあげています。
①Business Sector:ビジネスセクター
日常の消費活動や関連分野での雇用、欠員の補充
②Society and Culture:社会・文化
ボランティア(NSWでは14~24歳の留学生のうち9.3%がボランティアに従事している)
③Visitor Economy・訪問者経済
留学生の旅行や、家族・友人らの訪問
④Education Sector:教育セクター
研究や施設を支える学費
そして、直接的な貢献としての経済規模はこちらのように試算されています。
日常の消費活動 | 約88億ドル |
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関連分野での雇用創出 | 約128億ドル |
ボランティア | 約3,236万ドル |
旅行 | 約20億ドル |
家族や友人らの訪問 | 約11億ドル |
研究や施設を支える学費 | 約37億ドル |
そして、長期的な貢献度について次の4つの項目で調査をしています。
①学ぶ環境
NSWでは約34万人のローカル学生が留学生とともに学んでおり、その50%が留学生と学ぶことにベネフィットがあると感じている(想定)。
②文化交流
NSWでは19,711人の留学生がホームステイをしており、文化交流のベネフィットを感じている。
③卒業生の影響
卒業生が、6.2%の見込み学生の意思決定に影響を与えている。
④卒業生の旅行
52%の卒業生がNSWに旅行に来ており、平均3,257ドルを1回の旅行に使っている。
経済規模はこちらのように試算されています。
学ぶ環境 | 約2億5千万ドル |
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文化交流 | 約5,744万ドル |
卒業生の影響 | 約25億ドル |
卒業生の旅行 | 約1億ドル |
NSWの経済規模は約700億ドルとなっており、レポートの最後はこちらのように、「留学生の人的・財政的な重要性は計り知れず、明るい未来につながる」と、留学生の重要性を示しています。
the contribution of international education to our economy – national, state and Sydney – is immense in both human and financial terms. It is a sector that must be encouraged, sustained and, above all, valued.....International education is not without its challenges, but greater awareness of its contribution will provide a pathway to a bright future. The aim of this paper is to help define that pathway.
オーストラリアで学ぶことはオーストラリアのためだけになるわけではなく、もちろん学んだ個人個人の将来にもベネフィットがあります。最近は留学生にとっては逆風になる政策もありますが、留学生を歓迎の姿勢を見せてくれるのは嬉しいですね。