ステレオタイプにとらわれない。

こんにちは!シドニー支店のManaです。

皆さん、突然ですがこの鳥をご存知ですか?
写真:David Hill/ Magnus News

正解はKookaburra(クカバラ)というオーストラリアに生息している鳥です!
大きさは30cmくらいで、「クガガガガガガガガ…!!!」というとても大きな鳴き声が特徴です。

話が外れてしまいましたが、こちらのクカバラの写真、何か別のものに見えませんか?

 

 

……そうです!ヤギの顔です!
クカバラの頭の部分がヤギの顔に見えませんか?クカバラのくちばしがヤギの耳、クカバラの後頭部の模様がヤギの口で、正面から見て右側を向いているヤギの顔に見えますよね。

この写真は、私が現在勉強している観光学のダイバーシティマネジメントに関する授業中に先生がシェアしてくれたものです。

先生はこの写真を見せ、「ただのクカバラの写真と思ったら、それにしか見えない。でも、何事もステレオタイプ(固定観念)を捨てて、物事を色々な観点で捉えることが大事です。」と始め、「オーストラリアは多国籍文化で、色々な価値観や文化的背景を持つ人がいて、そういう人たちと一緒に学び、働き、そして組織をマネジメントする中で大切なのは、色々な観点から物事を見ることができる目を養うこと。何事も自分のステレオタイプだけで判断してはいけません。」と話していました。

私は、以前のアルバイト先でキリスト教徒のインドネシア人の同僚を勝手にイスラム教徒だと思い込み、良かれと思ってお酒の席には誘わずにいたら、実は相手に疎外感を与えてしまっていたということがありました。

他にも、オーストラリアの介護施設で働いていた時に、80歳くらいの利用者さんの着替えの手伝いのためクローゼットを開けるとショッキングピンクのショートワンピースが目に入り、「この服ちょっと派手じゃない?」と思ってしまったことがあります。

人は無意識に自分の習慣や文化の枠に無理やり物事を当てはめて考えてしまいがちです。
でもそれは、私をよく知らないどこかの国の人に「あなたは日本人だからお寿司が大好きで、毎日3食お寿司を食べているんでしょ?それって飽きない?」と言われるのと同じだと思うのです。

そして授業後のブレイクタイム中は、最近の自分のステレオタイプの変化についての話題へ。

「今まではマスクを着けている人は病気の人という認識が多く人の中であったけれど、今は世界中でマスクに対するステレオタイプが変わってきている。」とアメリカやイギリス、ブラジルやチェコ、スペイン、イタリア出身のクラスメイト達が話していました。ここ最近になって生まれて初めてマスクを着けたというマスク初心者なクラスメイトもちらほらいました。

日本人からすると「今まで一度もマスクを着けたことがない」なんてびっくりですよね!でも、ここオーストラリアでは、大都市と呼ばれるシドニーの通勤ラッシュの時間帯でさえも日本の満員電車のような状況はまずありません。そもそも日常生活で他人同士が密着する状況が無いので、他人のくしゃみや咳が直接かかることを気にする必要もなかったのです。

そして、マスクに慣れていない多くの国の人たちは、マスクで口元が見えないことの人を「あ、怖そう。マスクなんかして…重病なのかな。」「微笑んでいるフリして実はマスクの下で舌を出してこちらを見下しているのか!?」と思ってしまうらしいのです。

すごい深読み!(笑)と思ってしまいましたが、これがマスク慣れしていない方たちのリアルな感覚なのです。きっと、日本人が目元が見えないサングラスを掛けている人のことを「あ、何か怖そう。」と思ってしまうような感覚なのかもしれませんね。

しかし、先生や多くのクラスメイトは、今となってはマスクを着けることは特別なことでも何でもなく、生活の一部になっていると話していて、多くの人の中でも“マスクは自分を守るため、他人を守るために必要なもの” “マナーの一部”という認識に変わっていっていると話していました。

私も自分のステレオタイプに固執するあまり、本来見るべきものが見えなくなってしまってはいけないと思った瞬間でした。

そして、例え100人の人たちが「これはクカバラだ!」と言ったとしても、私は「ヤギにも見えるよね!」と言える目と勇気を持っていたいと思います。
国際色豊かな環境に身を置き勉強することは、きっと“自分の目”を豊かにするきっかけになりますよ:)

藤田 茉奈 / Mana Fujita

たくさんの人たちに支えられ、シドニー在住3年目となりました。好きなことは食べること、料理をすること。休日はお手頃な他国籍のレストランを散策し、料理のアイデア探しをしています。

※シドニーオフィスアシスタントとして2020年9月まで勤務(ブログはその当時の内容となっています)このカウンセラーに質問する