東洋経済オンラインに「いよいよ『海外就職』の時代がやってくる」(2013年4月22日)と題した記事が掲載されていました。
by Dick Thomas Johnson
興味深いトピックなので、読んでみると、書き出しからなかなか切実。
「21世紀の今、日本企業が、日本人向けに、日本人だけで、日本人のための事業を日本でだけやっていくことに限界が来ています。」そして、海外進出は「欧米≒海外でしたが、現在では海外≒中国≒アジア」という図式になってきています。
ところで、10年以上前、自分が大学生の頃にも同じようなことが言われていたような記憶があります。
グローバリぜーション、日本市場の縮小、人口減少、国力衰退、アジアの経済発展、世界の工場中国(当時はまだこう言われていた)・・・日本は外に市場を求めるしかない!!といった論調でした。
何が変わったかと言えば、切迫感。
10年以上前に言われていたことが、まだ言われている。
グローバル戦略に出遅れた日本企業は躍起になって巻き返しを図ろうとしている。
そして、海外進出をすれば、それを担う「人」が必要となる。
この「人」に、大きな需要が出てきているそうです。
記事によると、とりわけ、タイや香港、シンガポールでの需要が伸びており、近年急速に増えているのは、研究開発拠点と統括拠点。これまでは、アジア地域と言えば、工場としての役割が大きかったものが、研究開発や海外事業取りまとめの拠点として、海外展開する企業も増えてきているそうです。
つまり、これまでは工場管理者の需要が大きかったものから、研究員や技術者、マネジメント、マーケティングといった様々なポジションが増えてきます。
そして、これまでは本社から駐在員を派遣する、という形が一般的だったものが、現地採用比率も増えてくる。現地採用といっても、現地の人だけではなく、「外国人・日本人の区別なく、海外拠点での採用を行う」スタイルへとシフトし、「日本人といえども、海外拠点の採用に応募する。」
就職活動も、国内の飽和した市場で行うよりも、新しいポジションが次々と生まれているアジア地域で就職をし、キャリアを積む、といったことが増えてくるかもしれません。
by Dick Thomas Johnson
この記事を読んで思ったこと、アジア地域でキャリアを考えた場合、オーストラリアで勉強をしてからのほうが選択肢が広がるのではないか?ということ。
オーストラリアは、その地政学的関係上、アジア地域との結びつきが強く、アジアからの留学生も多く来ています。
2013年~2014年の1年間、オーストラリアへの長期留学で、学生ビザを取得した人の数は、約218,000人。そのうち、アジア地域からの留学生数は下記のようになっています。
中国:45,000人
インド:24,000人
韓国:9,900人
ベトナム:9,700人
タイ:9,300人
ネパール:8,200人
マレーシア:7,400人
インドネシア:6,600人
フィリピン:4,800人
パキスタン:4,800人
ちなみに、日本は4,600人。
ざっくりとした計算ですが、60%の留学生がアジア地域からやってきています。
そして、日本以外でオーストラリアのワーキングホリデービザが取得できる地域は、香港、台湾、韓国人となり、ワーキングホリデーを含めると、アジア地域からの留学生数はもっと増えます。
アジア地域からやってくる留学生は、ビザ取得条件の関係上、富裕層が多く、留学後に母国へ戻り、政治や経済の中核を担う人材として活躍する人もいます。実際に、私の留学時代に出会ったタイ人の友人は、現在、タイ有数の金融機関でマネージャーとして働いています。インドネシア人の友人は果物の輸出入のビジネスをしており、韓国人の友人は政府のエネルギー政策に携わり、台湾人の友人は国立大学で教鞭を取っている、等々のキャリアを積んでいます。
オーストラリアでは、アジア地域の優秀な人たちと出会うチャンスに恵まれています。
オーストラリアで英語と専門性を身につけ、アジア各国の人たちと交友を持ち、彼・彼女たちの考え方や行動の仕方を知り、アジアで就職を目指す。
アジア地域でのキャリアを目指すステップとして、オーストラリア留学をぜひご活用ください。
*統計データは、 Department of Immigration and Border Protection, 2014年3月31日発行の「Student Visa Programme Quarterly Report」より。なお、人数は下二桁を切り捨てています。