お気に入りを次へ繋ぐ。『Goodbyes』で手放し、出会うサステナブルな選択。

オーストラリアの古着文化は、単なる「節約」や「ヴィンテージへのこだわり」を超え、いまや一つのライフスタイルとして完全に定着しています。
その中心にあるのが、「Op Shops(オプ・ショップ)」の存在です。これは赤十字やサルベーション・アーミーといったチャリティ団体が運営するリサイクルショップで、市民から寄付された品々が手頃な価格で販売されています。
Op shopで賢くサステナブルライフ!
また、メルボルン名物の「キャンバウェル・マーケット」のように、不用品を直接持ち寄るフリーマーケットも、掘り出し物が見つかる場として人気です。
要らなくなったものは売ろう! マーケット出店の勧め
一方で、最近急増しているのが「Curated Stores(キュレート・ストア)」と呼ばれる、質の高いアイテムを厳選したセカンドハンドショップです。こうしたお店が支持されているのは、単に「安さ」を求めるのではなく、「価値のあるものを長く大切に着たい」という人々の意識の変化があるからです。

その背景にあるのは、オーストラリアの環境に対する意識の高さです。「Fast Fashion Detox(ファストファッション断ち)」という言葉が広まり、服を使い捨てず循環させる考え方が浸透し始めています。

他人の目を気にせず、自分の好きなもの、そして環境に良いものを選ぶ。そんな「気取らない格好良さ(Effortless Cool)」こそが、オーストラリアの古着文化の核心であり、多くの人々に支持されている理由です。

特にメルボルンのブランズウィックやフィッツロイにはキュレート・ストアが多く、あらゆる世代の人々が自分らしい表現の一つとして、日常的に古着をコーディネートに取り入れています。

そのなかで今回私が特におすすめしたいのが『Goodbyes』です。単なるリサイクルショップの枠を超え、洗練されたセレクトショップのような場所として注目されています。

『Goodbyes』ってどんなお店?

メルボルンに3店舗、アデレード、キャンベラ、ホバートなど、独自のカルチャーが根付くエリアに店舗があります。

1. 「セカンドハンドを第一の選択肢に」

Goodbyesのミッションは、「新品を買うよりも、中古品を買うことをより魅力的な選択肢にすること」です。 店内は、セカンドハンド特有の雑多な感じがなく、一点一点が丁寧にメンテナンスされています。サイズやスタイルごとに並んでいるため、宝探しのようなワクワク感と、快適な洋服選びを同時に楽しめます。

2. 多彩なラインナップ:デザイナーズから個性豊かな一点ものまで

Goodbyesの魅力は、なんといってもそのアイテムの幅広さです。地元の人気デザイナーズブランドからハイブランド、そして日常に馴染むスタンダードウェアまで、バラエティーに富んだラインナップになっています。
メンズ・ウィメンズ共に取り扱っており、サイズ展開が豊富なのも、自分だけの一着を探す楽しみを広げてくれます。

3. 常に新鮮なラインナップ

Goodbyesでは、各店舗に毎日100点以上の新入荷があるため、いつ訪れても新しいアイテムに出会うことができます。個人から服を預かって販売するスタイルをとっており、7週間経っても売れない場合は持ち主が引き取る仕組みです。

そのため、ショップの中には常に「今」おすすめの服だけが並びます。約2ヶ月というサイクルで中身がどんどん入れ替わっていくので、何度足を運んでも飽きることがありません。

4.自分の服が「誰かのお気に入り」に:スマートな循環の仕組み

Goodbyesでは、誰でも自分の服をお店に預けて販売してもらうことができます。ただし、ショップのクオリティを保つためのセレクト基準はとてもしっかりしています。ここで大切にされているのは、単なるブランド名ではなく「質」と「こだわり」です。いわゆるファストファッションは取り扱わず、一着ごとに素材やデザインの背景をしっかりと吟味されます。

この審査を通ったアイテムだけが、7週間限定で店頭に並びます。無事に売れた場合は、売上の一部を銀行送金で受け取れるという、まさにWin-Winなシステムです。

7週間以内に売れなかった場合も、そのまま廃棄されることはありません。持ち主が引き取りに行くのが基本ルールですが、もし引き取りを希望しない場合は、そのままお店側に寄付し、さらに価格を下げて販売を継続してもらうことも可能です。

どの一着も決して無駄にせず、譲り手と買い手の想いが一致して初めて、新しい持ち主へと引き継がれていく。そんな「服を最後まで大切にする」仕組みが、Goodbyesが愛される理由の一つです。この仕組みによって、年間で数十万着もの服がリサイクルされています。

実際に売ってみよう

私はまだ購入したことはありませんが、実際に服を「売った(委託した)」ことはあります。預けたのは日本の服でしたが、スタッフがその場でブランドの公式サイトを確認し、スタイルや質、コンセプトを丁寧にチェックしていたのが印象的でした。

洋服だけでなく、靴やアクセサリー、バッグなども対象で、売れた場合は販売価格の50%を受け取ることができます。 値付けはお店側が市場に合わせて適切に設定してくれますが、面白いのはその後の売値の価格変動です。
・最初の4週間:フルプライス(設定価格)で販売
・次の2週間:30%OFF
・最後の7週目:50%OFF

このように段階的に値下げされる仕組みなので、比較的売れるチャンスが多いのも特徴です。

システムはとてもシンプル!

Prepare / アイテムの準備:洗濯必須!

Visit / お店へ持ち込み

Cosign / 預け入れ・契約

Correct / 売れたら代金受領


残念ながら期間内に買い手がつかなかった場合は、店舗へ引き取りに行く手間はありますが、手数料などを支払う必要は一切ありません。ノーリスクで「誰かにお気に入りを引き継ぐ」挑戦が出来ますよ!

買ってもよし、売っても良し。まずは一度お店を覗いてみてください。

大橋 麻衣子 / Maiko Ohashi

オーストラリア、メルボルン在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I138)。初めての留学は、シドニーでの短期留学。その後、パースでのワーキングホリデー生活を経て、2006年 ゴールドコーストで、調理師とホスピタリティーの専門学校に進学。レストランで調理師として3年働いた後、キャリア転換でメルボルンへ。日本での事務と接客経験、そしてオーストラリアでの留学経験を活かすため、現職に就く。シドニー、パース、ゴールドコースト、メルボルンと、ほとんどの主要都市で暮らした経験から、都市によって色の違うオーストラリアの良い点・悪い点も含めた留学カウンセリングを行う日々。このカウンセラーに質問する