
子犬を売るペットショップがなくなった理由
この新法により、犬や子犬を販売するペットショップは以下の厳格な条件を満たす必要があります:
この法律は2025年5月26日から施行され、認可を受けるには厳しい条件をクリアする必要があり、現時点でこれらの条件を満たして販売を継続しているペットショップはひとつもありません。これにより、西オーストラリア州では従来の形で子犬を販売するペットショップは事実上ゼロとなりました。

どうやって犬を購入できるの?
WA州では、犬を迎える方法が明確に整備されており、以下の3つの方法があります。
①認可を受けたペットショップ(保護犬センターに転換した施設)
前述のとおり、犬や子犬を販売するお店を運営するには、地方自治体の「ペットショップ承認」を得るか、州が承認した救助団体や犬管理施設からの仕入れが必要ですが、現在WA州でこれらの条件を満たして販売を行っているペットショップは存在していません。そのため、実質この方法は現時点で難しいでしょう。
②動物保護団体や譲渡センター
RSPCA WAをはじめとする動物保護団体が、救助された犬や子犬の譲渡を行っています。州政府は「Adopt, Don't Shop(買うのではなく譲渡を)」キャンペーンを積極的に推進中。この制度により、保護犬の里親探しや譲渡体制が強化されています。
③認可されたブリーダーから直接購入
地方自治体に登録された認可ブリーダーから直接子犬を迎える方法もあります。
この場合、「PetsWAシステムへの登録」や「犬の記録管理義務」、「不妊手術の義務(一定年齢までに)」など、厳しい管理体制が求められます。

動物福祉を大切する西オーストラリア州
パピーミル(利益を最優先し、動物の健康や福祉をほとんど無視して犬を繁殖させる施設や業者)の劣悪な環境の元で飼われていた犬たちを守るため、全豪に先駆けて早々に法律を施行した西オーストラリア州が、いかに動物福祉を重要視しているのかがわかります。
ちなみに、獣医学部のあるマードック大学では、動物たちにも肖像権があるとしており、獣医学部の学生が勝手に学内の動物の写真を撮影し公開することを禁じているそうです。
また、ベントレー地区のTAFEで学べる動物看護師コースも、地元オーストラリア人学生に大人気。定員枠がすぐに埋まってしまうことでも知られています。
動物を大切にする西オーストラリア州ならではの新法律。幸せなワンちゃんがますます増えますように!