オーストラリアという国

メルボルン支店の渡辺です。先日から『Australia Day』という本を読み始めています。著者のスタン・グラントはジャーナリストで、アボリジニ(先住民)やヨーロッパ移民の文化背景を持つ人です。せっかく他でもないオーストラリアに留学し、福祉や社会について勉強しているのだから、オーストラリアの事をもっと知りたいと思い買ってみました。


みなさんはオーストラリアと聞いた時、どういうイメージを持ちますか?そこに住んでいる人々のイメージはどうでしょう。

メルボルンは大きな都市で観光地としても人気なので、いろんな国から観光客が来ます。また、留学生にとってラッキーなことに教育も盛んで、いろんな国から学生が訪れます。そのため、街の中心部では驚くほどさまざまな人を目にすることができます。では、いわゆる『オーストラリア人』と呼ばれる人はどうでしょうか。どういう人達だと思いますか?

答えは、街中で見かける多くの人と同じで、みな見た目も話す言語も文化背景もバラバラです。アジア系の見た目で英語のみ話す人、祖母の時代から住んでいる普段はヒンドゥー語を話す人、15年前に移民してきたアイルランド系の人、ヨーロッパ系の見た目でアボリジニの人、全員citizen(国籍がある人)であれば『オーストラリア人』です。

オーストラリアは多様性の国です。アボリジニ(先住民)の国であり、移民の国でもあります。日本にいると見えにくいことですが、見た目や話す言語やどういう文化背景を持っているかは、必ずしも「なに人か」を決める要素にはなりません。

個人の持つ文化背景や見た目や価値観を尊重することが大事で、それらを勝手に推測したり判断したりすることは差別と呼ばれます。もちろんオーストラリアにおいても、他のどの国とも同じように人種や性別などの差別はありますし、理想の通りというわけにはいかない現状もあります。それでもそれを「見えないもの」として扱わないところがオーストラリアの魅力であると私は思います。

オーストラリアに留学を考えている人の中で「ヨーロッパ人の多い学校に行きたい」「アジア人の少ないところに住みたい」と考えたことのある人もいると思います。もしくは、「オーストラリア人の家にホームステイしたい」とか。そのとき、それをどういう意味で使っているのか、どういうものをイメージしているのか、なぜそれをイメージするのか、ぜひ考えてみてください。

渡辺 麻里菜 / Marina Watanabe

留学を考えたきっかけは、日本で仕事をする中で英語を使う頻度が徐々に上がってきたと感じたこと。学生時代は英語が一番の苦手科目だったため、まさか自分が海外留学を本気でするとは思っていませんでした。2019年8月までメルボルンオフィスで働いていました。