オーストラリアの各州都には州立をはじめ大きな美術館や博物館があり、大部分が無料で公開されています。残念ながら、私が住んでいるゴールドコーストは州都ではないので大きな美術館はないのですが、クイーンズランドの州都ブリスベンまでバスと電車で1時間45分ほどで行くことができます。というわけで、どうしても観たい特別展があったので日曜日にブリスベンまで行ってきました。
美術館や劇場が集まるサウスブリスベン駅(South Brisbane Station)で下車し、最初に向かったのはクイーンズランド・アート・ギャラリー(QAG)。
By Kgbo (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
オーストラリアの様々なコレクターが所蔵していたオーストラリアやアジアの作品を中心に展示しています。教科書に載っているような作品はありませんが、広すぎないので落ち着いた空間でひとつひとつの作品をじっくり鑑賞することができます。
一番気になったのはオーストラリア原住民アート。ドットをつかった幾何学模様やヘビなどをモチーフにした伝統的なアボリジナル・アートを想像していた私は???そこにあったのは中央オーストラリアの赤い土・緑のブッシュ・青い空が描かれた水彩の風景画だったからです。そこで、学芸員の方に尋ねると、一緒に歩きながら作品について丁寧に説明してくれました。
ここにある作品は、NAMATJIRAというオーストラリア原住民の画家が西洋人画家に師事して描いた水彩画と、その子孫などによる作品とのこと(一部その西洋人画家の作品もあります)。更に興味深い1枚の絵についても教えてくれました。そのエリアに1枚だけテイストの違う絵があります。藍色の濃淡だけで表現された作品で、近づかないと分からないのですが、下の方には鯉が描かれています。実はこの作品、オーストラリア先住民アーティストが日本にインスパイアされて描いたものだそうです。「あなた日本人よね?さっきもこの絵の前にしばらく座っていたでしょ。」と学芸員の方。実はなんだか落ち着くのでこの絵の前に10分ほど座っていました。何も知らなかったのですが、きっと絵から日本を感じていたからかもしれません。
美術館に行って、気になることがあったら学芸員の方に聞いてみると作品のバックグラウンドなど展示の説明だけでは分からないことも知ることができます。
次に向かったのがギャラリー・オブ・モダン・アート(GOMA)。
まずは常設展示を鑑賞し、いよいよお目当ての作品たちとご対面♥ その特別展とは草間彌生展(YAYOI KUSAMA - LIFE IS THE HEART OF A RAINBOW)です。個性的なルックスから生み出されるカラフルな世界観。2012年にはあのルイ・ヴィトンとコラボするなど、世界中が熱い視線を送っている日本人アーティストです。今回の特別展の中でも「soul under the moon」という一回に4,5人しか入れない作品にはオーストラリアには珍しく長蛇の列。ひとりほんの30秒という時間でしたが、並んでよかったと思わせてくれる作品でした。
最近では多くの美術館でフラッシュなしの写真撮影が許可されるようになりましたが、著作権の問題でSNSなどにアップするのは美術館などの許可は必要とされています。しかし、この作品展は「Share your experience @qagoma #kusamagoma」 という表示があり、指定のハッシュタグなどをつけた上で個人的利用であればSNSなどにアップしてもいいようです。インスタ映え必至だし、カラフルな世界観はで見るだけでHappyになれるので、インスタグラマーもそうでない人も楽しめると思います。
♥作品が気になる方はQAG&GOMAのインスタグラムをチェック!:https://www.instagram.com/qagoma/?hl=en
草間彌生展は2018年2月11日までですが、GOMAは常設展示が少なく、特別展が多いようなのでシーズン毎にいろいろなアートが楽しめますね!美術館や博物館に行くとその国の歴史や文化を垣間見れたり、その国の人々が興味を持っていることがわかったりするので、雨の休日や外で遊ぶには暑すぎる日にでもぜひ出かけてみてください(特別展は一部有料のものもあります)。