この質問、意外と多いのです
当社では、オーストラリアの留学情報を現地より発信していますが、留学相談の内容は人それぞれ。「会計士を目指し、将来は米国公認会計士資格を取得したい」「海外医療ボランティア医師団で、看護師として働きたい」「日本語教師として働き、日本語の良いところを伝えたい」「将来英語が必要になると感じるので、今のうちからまず英語をしっかり身に着けたい」などなど。
ただ、上記のような留学関連の質問に紛れて、ちょっと違うタイプの質問を頂くことがあります。「オーストラリアに永住したい」「永住権が欲しいから、方法を知りたい」等、いわゆる永住権関連の質問です。自分はビザコンサルタントではありませんから、永住権取得に関するアドバイスは出来ませんが、オーストラリアの就職や、他の生徒さんの状況などを、一般的な情報としてお伝えしています。
その中で「なぜ永住権が欲しいのか?」という質問には「オーストラリアの自然が魅力的だから」「のんびり暮らしたいから」「英語圏で生活するのが夢だったから」というような返答を頂くことが多くありますなるほど。これはこれで納得する点も多いのですが、問題はその次。「ただ、オーストラリアには行ったこと無いんですけどね」と続く場合です。
来ないと、わからないですよ
もう、来たことないなら、お伝えできることはただ一つ。「まず、オーストラリアに来てください」です。そもそも、行ったこともない国の永住権が欲しいというのは、不思議でならないのですが、例えるなら「ラーメン屋をオープンしたいです。ラーメン食べたことないですけど」と同じです。
自分がそんな質問をうけたなら、答えはきっと「まず、ラーメン食べてみましょうよ」です。
オーストラリアは自然に囲まれた、おおらかな国というイメージはありますが、感じ方は人それぞれ。オーストラリアに来て、自分の目で見て、肌で感じなければわかりません。永住権を取得した日から「勉強もスラスラできて、運動能力もアップ!身長も伸びました。」なら、それだけでも目指す価値もあるかもしれませんが、そんなことはありえません。永住権を取得した日も、その前の日も。自分自身の能力は何も変わらないのです。
その点で、オーストラリアで1年間は生活してから、本当にオーストラリアに生活の基盤を置きたいかを、考えて欲しいと思います。
そもそも永住権って何?
さてこの「永住権」ですが、オーストラリアに永く住むことが出来る権利で”市民権”ではありません。オーストラリア国内での選挙権もありませんし、永住権を保持し続けるためには、5年間のうち少なくとも730日間(2年間)はオーストラリアに住んでいる必要があります。
社会保障や教育・医療などの公共サービスの恩恵は、市民権保持者と同じく受けることが出来ますが、市民権保持者でなければ就職できない職業もあります(政府関連の仕事等)。永住権は、あくまで永住権なのです。
ビザと生活と仕事
永住権を含め、何のビザを取得したとしても、生活するためにはお金が必要です。つまり仕事がなければ、オーストラリアで生活ができません。長期滞在に繋がるビザをとることと、仕事に就くことは、全く別の問題です。
これも少し考えればわかることですが「ビザがあれば仕事が見つかる」のであれば、市民権を持つ”オーストラリア国籍”の人達は、全員が仕事を見つけていることになります。
ただ、残念ながらオーストラリアは日本よりも失業率が高く、オーストラリアで働くというのは、意外とハードルが高いのです!
ビザはあくまでビザ
たしかに就労可能なビザが無ければ、オーストラリアで働けないのは事実です。ですが、永住権はあくまで「オーストラリアで長期間働くための条件の一つ」ですが、目的にはなりえません。
こんなことも珍しいのですが、先日、二人の生徒さんからメッセージを頂きました。内容は「永住権が取れたのですが、日本に帰ることにしました!」というものです。永住権取得を目指している人から見れば「なんてもったいない!」と思うかもしれませんが、自分から見ると、あまり不思議とも思わない内容です。「やりたいことが日本にあるので、日本に帰る。」とても真当な理由ですよね。
「オーストラリアで生活するためには(仕事をみつけるには)、どういうレベルの英語力は技術、コースを選べば良いか?」ということであれば、アドバイスはできます。やはり目的を持った地道な努力が必要です。やりたいことが決まっていないのであれば、まず英語学校からスタートするのも良いでしょう。現地で生活しながらやりたいことを見つけることはできますから、是非ご連絡ください。ですが、「やること見つからないけど、永住権が欲しい」的な質問はご遠慮ください。。。
ということで、オーストラリアで長く生活したいと考えている方へ、
■まず一度、オーストラリアに来る!
■オーストラリアで必要な技術と英語力は、ビザを取ることは別!
の二点を、ビシっとお伝えしたいと思います。