治安と公的身分証


オーストラリアにはたくさんの観光客、ワーホリ、留学生がきます。その中でワーホリや学生の多くは、最初の数週間は“外国”に滞在している意識がありますが、数ヶ月過ぎると “外国” という意識が薄くなり “治安” のことに注意散漫になってくるような気がします。世界的に見ても比較的治安の良い、節度ある行動をとれば大丈夫、とか、あながち間違いではないんだけど、これじゃ当たり前の旅行雑誌のような説明なので、自分は長年住んで感じた個人的意見をツラツラと・・・

 

シドニーにおいては、置き引きや物取りのスリはもうマジか!ってくらい圧倒的に多いです。

 

例えばですが、マクドナルドなどのファーストフードやカフェなどでカバンや荷物を置いて離れて食べ物をオーダー。あれこれ悩んだ上、伝わらない英語も必死な笑顔で乗りきり、ハンバーガーとコーラをトレイに乗せ、やっと席に戻ってきたら荷物がない!とか。

 

綺麗な海~~!一気にテンションがあがり、荷物を置きっぱなしでみんなで泳ぎにGOGO!ひとしきり遊んで疲れて戻って来れば財布や携帯がない!とか。

 

エスカーレーター等では、背負っているバックパックのチャックを開けられ、荷物が軽く、何も買ってないのに懐も軽くなんてことに。とか。

 

人がいても目を離すと、すぐ目の前からなくなることもあります。散々口すっぱく言ってても、残念ながら被害にあう人がいます。

 

最近も一人の日本人留学生がクラスメートと4人で食事中にスリにあいました。

椅子の下においたカバンから見事に財布だけが抜き取られていて、、、「どうしよう?」と電話がかかってきて。。

 

財布なら、現金のほかにクレジットカードとか。銀行のキャッシュカードとか。a~~~考えただけでも頭が痛い・・・そんなときは自分を責めても何も解決しないので、まずは各金融機関に電話してカードを止めましょう。

 

お金だけならまだしも、カバンごとなくなったりすると困りますよね。

 

そして、命よりも大事なパスポート、なんて誰が言ったか判りませんが紛失したって別に死にはしませんよ。むしろ、一番後回しでもOK。(って言うと怒られるかな。)まずはクレジットカードやキャッシュカード止めましょうね。

 

さて、そのパスポートですが、出来る限り持ち歩かないことをお勧めしています。

紛失したって別に死にはしないですが、再発行が結構面倒なのです。

しかし、公的身分証としてパスポートを持ち歩かないといけないシチュエーションも多々あります。

簡単な例だと日本人はとかく若く見られるので、酒場やPUBの入口に立つセキュリティに身分証明の提示を求められた際、パスポートコピー(原本じゃない)なので中に入れない!と言う経験を持つ人も多いはず。

 

夜遊びのために持ちあるいて、酔っ払って無くす、、と本末転倒。 年末年始、オーストラリアンデーなどの祝日は夜中に緊急電話が鳴る確率が高くなるわな。と。

 

 

さて、身分証明としてパスポートのコピーを持ち歩く??ですが、基本的にコピーは公的身分証の代わりにはなりません。

 

コピーする媒体は何でも一緒。スマートフォンに身分証(パスポート)の写真撮っていれておく、などアイデア的には良さげなのですが実質は無意味です。まぁそれで身分証として使えたらラッキー程度に思って保存しておくのは良いかもしれないですが、コピー(端末へのスキャン画像でも)は公的身分証明の役割をしれくれませんから気をつけてください。(Justice of the peace の判子付き紙コピーは例外ですけど~)

 

じゃぁ、国際運転免許証は身分証明の代わりになるのか?ですが、身分証明として使える、と都市伝説的に言われていますが、国際運転免許証は日本の免許証原本とセットで「車を運転する際の運転免許証」としては効力を有します。

PUBの入口、タバコを買う際、などの貴方の年齢は?そもそも、あんた誰?的の身分証としては使えないことが多いことを知っておくべきです。なぜこんな言い方かと言うと、稀に使えた、って人もいるんだよね。ただ、あなたが使えた、は誰でもOKと言う意味じゃないのと、多くは駄目って言われるよ、なのです。

 

じゃぁ、やっぱ、いつもパスポート原本を持ちあるくのかい?

ですが、在豪日本領事館もお勧めしていますが、パスポートの代わりに州発行の身分証明を申請して取得する方法、もしくはその州の運転免許証を取得して、パスポートの代わりに持ち歩く事です。※豪州の運転免許証を取得したからと言って日本の免許証は失効しませんから。

 

▼各州発行の身分証明、もしくは現地運転免許証を取得しよう

 

以下、オーストラリア各州で発行される身分証明カードの呼び名と発行手続き先のリンクです。州によって管轄違うので、渡航先の州で見てみてください。

 

NSW → NSW Photo Card( http://goo.gl/m1NEq
VIC → Proof of age card ( http://goo.gl/78D7c )
WA → Proof of age card ( http://goo.gl/MrkTd
SA → Proof of age card ( http://goo.gl/qUJlu
ACT → Proof of age card ( http://goo.gl/r9XUq
QLD → Card 18+ ( http://goo.gl/Hyg71 )
TAS → Personal information card ( http://goo.gl/VG7eZ
NT → Evidence of Age card ( http://goo.gl/uvGGo

QLD州、WA州、VIC州などでは、日本の運転免許証保持者の場合、学科/実技試験無しで、その州の運転免許証を発行してくれますので、日本免許証保持者は現地免許の発行を依頼した方が良いです。上記の身分証明は、日本の免許証が無い方向けと言う事で。まぁ別に思い出や記念として持ってても良いと思います。すごく便利です。

オーストラリア各州での運転免許発行の必要書類は、、、

1・各州での運転免許アプリケーション
2・日本の運転免許証
3・日本の運転免許証の英文の抜粋翻訳証明書
4・本人確認書類(パスポートなど)
5・各州に居住していることを示すもの(公共料金請求書など住所が明記されたもの)

などなど、、その他は州により違う場合もあるので、各州免許発行のお役所に行ってね。

昔むかし、その州の免許証を発行すると同時に日本の免許証にパンチで穴を空けられることもありましたが、いまでは聞かなくなりました。パンチで穴空けられそうになったら「あけないで~Please~」って言ってください。日本の免許証からNSW州免許発行する場合はNSW州内に6ヶ月以上滞在している証明が必要なので、渡航後直ぐに州の免許証に切り替えれないので、ご注意ください。

ちなみに、NSW州免許を直ぐ欲しい人向けの裏技としては日本免許証を持ってQLD州にちょっと滞在してQLD州免許の発行手続きをして取得後、NSW州に来てQLD州免許からNSW州免許へ切換える。この方法だと速攻で切換え出来ちゃったりします。ただし、その場合の発行ライセンスは、Pライセンスなので100キロ以上出せないとか、車にPマークつけろとか、いろいろ制約があります。

特別NSW州の免許じゃなきゃだめ!って人以外は、NSW Photo Card( http://goo.gl/m1NEq )にしましょう。

ちなみに、パスポートと州発行身分証の両方無くしたら?どうする?なんて心配ですが、パスポートの代わりで州発行身分証を持ち歩くので、両方持ち歩いて失くしている時点でアホです。そんな人いないですよね。なので、そういう突っ込みはしないでね。

 

 

~最後にまとめ~

・パスポート代わりの州発行の身分証または州運転免許証を取得して持ち歩こう。
・暗くなったら1人で夜道は歩かない。
・昼間だって人通りが少ない道は、出来る限り避ける方がいいに決まっている。
・自分の荷物は身から離さない。
・ズボンの後ろポケットは使わない。
・カバンの口はジッパー式で身体側を向ける
・バックパックは必ずしも安心出来ない
・カフェでお茶するときも座席の下にカバンは落とし穴がある
・カードの紛失・盗難の場合はカード停止が最優先(各カード会社の緊急連絡先が大事)
・カード盗難後の不正利用の保険適応は警察署で盗難届けが必要な場合が多いよ!

齋藤 新 / Arata Saito

オーストラリア、アデレード在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 I009)。1999年、経済連を退社し、ニュージーランドに留学→2000年、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。現地の旅行会社勤務などを経て、2002年より現職。クイーンズランド州、ニューサウスウェルズ州、南オーストラリア州の主要都市を移り住み、現在に至る。語学留学、TAFE専門、大学・大学院留学への留学相談、アデレードオフィスでのサポートと様々な形で留学生と接する日々。このカウンセラーに質問する