永住権を目的にしない


先日、東京のオフィスで永住権セミナーを開催しました。6名の定員が1週間で満席になり、すでに準備を始めている方が多くいらっしゃるということをあらためて、感じる事ができました。私たちのビジネスとしては、そのような市場が増える事は英語力アップや資格を得るための学校のご紹介ができ、ありがたいことなのですが、若干複雑な思いもあります。

それは、オーストラリアの永住権取得が目的となってしまっている方が、少なからずいらっしゃるということです。そう言う方々は、取得したあとの生活の設計が明確でないため、たとえ永住権を取得したとしても苦労をされている方が多いのです。海外で仕事を見つけ、長期に渡って生活をしていくということは、日本で仕事を探す以上に難しいことであることはしっかりと覚悟しておく必要があります。

まず、自分がやりたい仕事が先にあり、それを実現するためにオーストラリア、あるいは海外という選択があり、そのために永住権を取得するという順番ではないかと思うのです。そうでないと、結局仕事で成功できなくなり、オーストラリアでフリーター的なポジションで働き続けるか、日本に帰国せざるを得なくなります。

ですから、永住権を取得するためだけに、資格を取得するという戦略は私たちはお勧めしていません。自分のやりたくない勉強はなかなかうまく進みませんし、やりたくない仕事をするのも人生にとっては無駄な時間です。永住権を取得された方々がどんな生活をされているのかなども、今後はリサーチしていきたいと思います。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中