幸運は同じように降り注ぐ


留学中は色々な出来事が起こります。そして、「留学をしてよかった!!」と思える方と、「こんなはずじゃなかった」と思う方がいます。

「こんなはずじゃなかった」の原因は色々とあるかと思いますが、「留学してよかった!!」「成功した!!」という方にもそうなった理由があるはず。そういう方々を見ていると、「あの人はラッキーだよなぁ~」と思うこともあるのではないでしょうか。

ただ、そのラッキーは偶然降ってきたものではないのかもしれません。

突然ですが、ニュートリノの観測でノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊先生の話。

私は文系人間なので、ニュートリノか何者かなんて全く知りません。だけど、ノーベル物理学賞を受賞したからには、ものすごい偉業なんだろうなぁ、ということくらいは創造できます(レベル低い・・・)。

ニュートリノの観測までに数々の困難があり、何度も壁にぶちあたり、その度にわずかなチャンスをとらえて来た結果が、ノーベル物理学賞でした。そして、そこまで行き着くストーリーに感動しました小柴先生のものすごい行動力で建設されたカミオカンデ。カミオカンデ建設のストーリーも鳥肌ものなのですが、ここで書くととてつもない量になるので、残念ながら省略(´・ω・`)

ニュートリノ観測も、様々な要素が組み合わさって可能となりました。

まず、地球から16万光年離れた大マゼラン星雲の超新星が爆発したところから始まります。

そして、爆発で飛散したニュートリノのほんの一部が地球にやってきて、16万年後の1987年2月23日にカミオカンデに偶然飛び込んできたのです。16万年という途方もない年月が、小柴先生の偉業達成に関わっているのです。もう想像できる範疇を超えていますね。

しかも、観測したのは小柴先生が定年退官する1ヶ月前。

16万年前に超新星の爆発がなければ、科学技術の進歩がなければ、カミオカンデ建設が挫折していたら、小柴先生が退官していたら、どこかに少しズレがあったとしたら、ニュートリノの観測はできていませんでした。

しかも、観測には磁気テープを使うのですが、ニュートリノが観測できたのは磁気テープ交換時間の直前。これも際どいところです。

小柴先生はラッキーだったんだ、と思うかもしれません。だけど、小柴先生は非常に示唆に富んだことをおっしゃっています。

「たしかにわたしたちは幸運だった。でも、あまり幸運だ、幸運だ、とばかり言われると、それはちがうだろう、と言いたくなる。幸運はみんなのところに同じように降り注いでいたではないか、それを捕まえるか捕まえられないかは、ちゃんと準備していたかいなかったかの差ではないか」(『物理屋になりたかったんだよ』小柴昌俊著)

幸運を捕らえるのはちゃんと準備をしている人=想いを持って行動を起こしている人。留学でも「あの人ラッキーだよなぁ~」と思える人は、ラッキーが来る前に行動を起こしているのかもしれません。

せっかく時間もお金もかけていく留学、ぜひ幸運を捕まえて下さい(^o^)丿

坂本 岳志 / Takeshi Sakamoto

オーストラリアのメルボルン在住。豪政府公認PIER教育カウンセラー(QEAC登録番号:H297)。日本の大学を卒業後、日常英語もままならないレベルから、メルボルン大学大学院進学を決意。卒業後は、日本の商社で海外取引に3年携わる。現職に就いたきっかけは、メルボルン大学と商社時代に感じた「危機感」でした。各国の優秀な人材が海外で経験を積み、どんどん活躍していく中、日本の縮小を実感し、何か自分が役に立つことができるのでは、という思いから留学業界へ転職。東京オフィス→パースオフィス→石川県でリモート勤務を経て、2021年2月よりメルボルンに戻り、主にオーストラリア全都市の大学・大学院進学希望者のカウンセリングとサポートを行っています。このカウンセラーに質問する