今年のテニスの全米オープン女子はゴールドコースト出身のストーサーが優勝したので、テニスのネタで。前回オーストラリアの女子選手が全米オープンに優勝したのはコート夫人と呼ばれていたマーガレット・コート。1973年のことです。その当時全米オープンの会場はフォレストヒルズという場所にあり、なんとクレーコート(土というか砂というか、コンクリートを砕いたような色をしていました)の大会でした。フォレストフルズはアディダスからもナイキからも同じ名前のテニスシューズが出たほど、当時のテニス少年たちには憧れの名前でした。
1978年から現在のフラッシングメドウに移転して、ハードコートの大会になったのです。その最初の年の男子の優勝者はジミー・コナーズ。その年のウィンブルドンでボルグにあっという間にストレートで負けて、「全米では借りを返す」と言っても実力的にはボルグの方が上だったのに、会場がテレビで見てても揺れてるのがわかるくらい観客を味方につけてコナーズが奇跡的に勝ったのでした。強い相手にぼこぼこにされながらも、立ち上がって、歯を食いしばって勝負する選手に観客たちが応援するのが、「アメリカ」であり、そのスピリットが10代の僕たちの世代にはめちゃくちゃかっこ良かった。 だけど、アメリカもちょっと変わってしまった。かっこ悪くても、のたうちまわっている感じがなくなってしまった。日本もそれを追随しているので、なおさら始末が悪い。今年の女子決勝でも、一瞬流れがセリーナ・ウィリアムズに傾いたときがあった。観客も一瞬、応援しようとしたときがあった。しかし、ウィリアムズには観客が求めていたアメリカンスピリットはなく、ストーサーのうちに秘めた情熱の方が強いと、観客は理解してしまった。 日本からの留学生にいつまでも熱いスピリットを求めていこう。