入学前から知っておきたい、オーストラリアで描くキャリアの育て方


これからオーストラリアの大学に入学する皆さんの中には、大学生活の期待とともに、日本とは違うであろう就職活動に少し不安を感じてる方もいるかと思います。

先日、オーストラリアの現地企業やグローバル企業で働く先輩留学生が登壇するキャリアイベントに参加し、就活までのお話を聞いてきました。

そこで語られていたのは、華やかなサクセスストーリーではなく、「時間をかけて、自分の手でキャリアを切り拓いてきた道のり」のお話でした。

入学前や大学1年目の方にこそ知っておいてほしい内容でしたので、気になる方はぜひ読んでみてください。

◎「最初の1社」で決まらない、オーストラリアのキャリア

日本の「新卒一括採用」と違い、オーストラリアでは経験者採用が基本です。現地学生も含めた新卒向けのGraduate Programは狭き門で、登壇した先輩たちも、大学名に関わらず、最初から希望の職種のフルタイムに就けたわけではありませんでした。

- 学費のためのローカル接客バイトから始め、大手金融の契約社員を経て、外資系テック企業の正社員になった方

- 大手コンサルの契約社員からスタートし、複数の業界を経験して、グローバル配車サービス企業へステップアップした方

パートタイム、小規模企業、契約社員など、希望職に向けて実績を積み上げていく長期戦が、オーストラリアでは標準的な道です。

◎卒業後に取得できるビザで働ける期間は限られている

卒業後に取得できるビザ※で働ける期間には上限があります※通常は「卒業生ビザ」。条件は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトで確認してください。

卒業してから就活を始めると、就活のコツがわからずあっという間に時間が過ぎてしまうことも。だからこそ、在学中から少しずつ備えておくことが、選択肢を広げてくれます。

◎在学中にできる「小さな一歩」

留学生には就労時間の制限があり、「経験がないと採用されないのに、経験を積む機会が少ない」というジレンマが生まれがちです。これに対して先輩たちが勧めていたのは、次のような方法でした。

① 大学のリソースを使い倒す
Business Practicumなどの実習科目やインターンシップ、企業プロジェクト単位は、週数時間でも「現地企業での実務経験」として履歴書に書けます。

また、どの大学にもあるキャリアハブでの相談はもちろん、大学によっては学部ごとのキャリアセンターなどもあります。さらに、成績優秀者は教授に来たインターンの紹介を受けられることもあるので、入学をしたら自分の大学にはどんなチャンスがあるか、調べてみてください。

② 数字で語れる成果を意識する
「何を任されたか」に加え、「業務効率を何%改善したか」「売上にどう貢献したか」など、定量的な成果を残しましょう。これが面接で有利に働くこともあるそうです。

③ LinkedInを育てる
バイト探しにも苦労した先輩は、LinkedInで考えや強みを発信し続け、企業からスカウトされた例もあります。

実際、LinkedInは今時の就活では整えておくのは必須です。

④ 見返りを求めないつながりをつくる
スポーツや趣味などのコミュニティで築いたビジネスとは全く関係のないつながりが、のちに思わぬチャンスにつながったという話もありました。

⑤ 企業の課題を調べて、提案型で応募する
求人に機械的に応募するだけでなく、「自分ならこの課題をこう解決できる」と伝えるアプローチをされた方もいました。

◎どの道に進んでも、積み重ねは無駄にならない

卒業後に現地で数年経験を積んでから日本に転職する人もいれば、卒業前に日本で就活する人もいます。どちらを選んでも、「自分で考え、受け身にならず、小さくても実績を積み上げる」経験は、両方の国で通用する武器になります。

日本のように決まった時期に一斉にスタートする仕組みがないからこそ、留学中の経験の積み重ねは、あなたの市場価値を高めてくれます。

入学前・入学直後の時期こそ、まずは「自分は海外でどんな経験を積みたいのか」を考えてみてください。そして、大学の実習科目を調べる、LinkedInのプロフィールを作ってみるなど、今日からできる小さな一歩から始めてみてくださいね。勉強最優先であることはお忘れなく!!

鐵見 尚美 / Naomi Tetsumi

オーストラリア、シドニー在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 G176)。20代半ば、ワーキングホリデーでオーストラリアに。アデレード、パース、シドニーなどに滞在しながらラウンドする。しかし、思うほど英語力がつかなかったことから、その後ゴールドコーストで語学学校に通い直し、ようやく英語を話せる楽しさを知る。帰国後、海外で得られる経験をより多くの人に、と留学会社に就職。2007年、当時の勤務先のシドニーオフィス立ち上げのためビジネスビザで渡航し、2010年永住権取得。現在はオーストラリア留学センターのシドニーオフィスの留学カウンセラーとして、カウンセリングや現地サポートを行う。このカウンセラーに質問する